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くしゅん!あれ?今私噂されてる?

既視感のある設定があるかもしんねぇ···、もしあったら申し訳ない。


別視点が書きたかった。だから書きました。

 リールが一人暮らしでてんやわんやしている頃、リールの実家がある王都でも、色々大変な事が起こっていた。


 魔物の大量発生。余程の実力差が無ければ、数の力は個の力を遥かに凌駕する。もちろんリールは例外だ。それによって人手不足が起こっており、学生にすら頼む始末。その点リールは多少期待されていたのだが、彼女にとっては両親と自分以外は興味の外側、両親に守りを施し、それ以外は完全放置である。


 更に魔物の大量発生だけでなく、それらの上位個体である魔獣が出現してしまった。上位個体というのは伊達ではなく、単純な戦闘力は数十倍になっており、単体でも国の兵士達を易々と蹂躙する程。

 出現数は限りなく少ないが、それでも脅威なのは変わらない。


 そんなこんなで、王都は今割とやばい状態であった。


「【虎】の様子はどうだ?」

「現在睡眠中だそうです。しばらくは目を覚まさないかと」

「そのまま絶対に起こすんじゃないぞ、『剣聖』の到着まで継続して警戒しろ」

「承知しました」

「む?どうした、入れ。なにか報告か?」

「はっ!西側の荒野にて、黒蝙蝠の群れが出現しました!」

「ちっ、またか!人手が足りん!」

「例の学生はどうなのですか?今年卒業だったと思うのですが」

「奴は辺境の方へ行ったそうだ。こんな状況で使いなど出せる筈もない。諦めろ」

「国を放って行ったのですか!?」

「ああそうだ。この国など、奴にとってはどうでもいいのだろう」

「そうですか···」


 ついでにリールはなんか変な方向にかん違いされていた。


「俺が出ても良いが、そうすると指揮する者がいなくなってしまうな···、どうするか」

「現在『氷結』が向かっているそうですが」

「なんで荒野に行ったんだよ!」

「報告してきた兵士曰く、『流石に荒野でも湿気ぐらいあるでしょ(楽観)』と言っていたそうです」

「はぁ······」


 混乱は続く。


 ―――


 場所は変わり王城前の広場、そこには龍地の同級生達が集まっていた、というか呼び出されていた。要件は当然魔物についてだろう。


「戦わないとなのかな?」

「実戦は不安だよ···」

「お前らは魔法主体だからいいじゃねぇか、俺らは前衛だぜ?」

「怖い(直球)」

「そういえばリールさんは?あの人が居れば安心な気が···」

「なんかちょっと前に、どっか行ったらしいぞ?」

「曖昧すぎない?」

「しゃあねぇじゃん。別に本人に聞いたわけでもねぇんだから」


 自信満々、という生徒は1人も居らず、皆不安そうな表情をしている。彼らの会話にリールが出てきていたがそれもそのはず、リールの実力は他とは一線を画している、居たら安心なのになーぐらい思って当然である。


 その理由の1つとして、学園にて行った実戦訓練にある。リールが魔物をピチュンしたのもこれが最初だ。

 その時のリールは、とにかく生き物を殺す事に忌避感を抱いていた為、どうにかして休もうとしていた。リールは大雑把で、思考能力もへなちょこである為、小学生が考えるような、「学校が無くなれば行かなくて済むやん!」理論を実戦しようとした。

 学園を消し飛ばして休もうとしたのである(過激派)。

 結局親に迷惑が掛かる、と断念し、諦めた。


 代わりに授業の場となった森を焼いたが(過激派)。


 そういう経緯があり、リールの実力に対しては、凄まじい信頼があるのだ。

 しかしてそんなリールは自分勝手に一人暮らし中、考えるだけ無駄。そんなことより魔物の習性やらなんやらを復習した方が100倍良いだろう。


「──皆、集まっているか?」

「リールさん以外は」

「確か、王都に留まれと言ったよな?」

「言いましたね」

「では何故いない?」

「なんでだと思います?」

「どうして俺に聞くのだ」

「なんとなくです」

「貴様ふざけてるのか?」

「?」

「もういい!とにかく、今からお前達には大森林に向かってもらう」

「すいませーん」

「なんだ、どうした」

「そこ多分半分くらい更地になってまーす」

「···?」

「リールさんが卒業の時に『後輩の為に魔物を殲滅してくる』って言って焼いてましたー」

「·····?」

「なんで気づいてないんだよ」

「忙しかったんじゃない?」


 割愛


「どうしても行かなくてはならないんですか?」

「人手が足りなくてな···、すまないが参戦してもらわねばならない」

「そうですか····」

「魔将の人達はどうなんですか?」

「全員既に出ている。どこの魔物も数が異常だ、すぐには戻れないだろう」

「ぬぅ··」

「君たちには基本的に後方支援を担当してもらう。気づ付いた者の治療、物資の調達。余裕があれば、攻撃しても構わない。生き残ることを最優先してくれ」

「「はい····」」


 こうして、王立魔法学園卒業生の参戦が決定したのである。


 ――――


「いいか、音を出すんじゃないぞ、本当はこの会話も危険なんだからな(小声)」

「はい(小声)」


 更に場所は移り、ここは魔獣が出現した森林。

 茂みに伏せる兵士達、その視線の先には、木々に寄りかかるようにして眠る虎が見える。見た目は通常の魔物、虎と変わらない、しかし、内包している魔力が段違いだ。人間は、その身に宿す魔力を、魔法として出力するが、魔物は身体能力として出力する。結果として、魔力を大量に持つ魔獣は、肉体の強度、速度と言った身体能力が強化され、並の魔法、武器では太刀打ち出来なくなるのだ。


 その証拠に、眠る虎の周囲には、破損した剣·鎧·盾と言った物が散乱している。他にも、周囲の木々が赤くなっていたり、地面にトマトを潰したような物があったりもしている(緩い解釈)。

 何よりも恐ろしいのは、これを戦闘ではなく、片手間で殺ったということだ(誤字)(合ってるけど合ってない)。


 しかし、どの世界にもヤバいやつは居るもので、こんなのを倒せる者も存在しているのだ。


 スパ


「ギャウ!?」


 唐突に虎の皮膚が切り裂かれる。


 ここでその皮膚の強度を説明しよう。わかりやすく言えばメ○ルスライムと同レベル、しかも再生する。ついでに最大HPも多いと言った具合。こんなのがボスで出てきたらゲーム機をぶん投げるだろう。


 それを切り裂いているんだから、その威力はバケモノとかそういうレベルではない。


 正直魔獣よりもバケモノだと思う。


「剣聖様!(大声)」

「来て下さった!(大声)」


 それに興奮した兵士達、大声をあげる。気持ちは分かるのだが、せめて気づかれない努力をした方がいいと思う。


「あー、うん。大丈夫だから、もう下がっていいよ、ていうか帰っていいよ」


 少し遠慮気味に、しかし確かな圧を伴って、青年から指示(?)発せられる。


「はいはい、じゃあ猫ちゃん、その毛皮、僕に譲ってくれないかな?」

「ぐるぅ···」

「ダメ?そっか、じゃあ無理やり取らせてもらうね」


(リールを除き)人類最強、到着。


 ※バラバラになった猫ちゃんは、スタッフ(兵士達)が(金銭的に)美味しくいただきました。

剣聖の戦闘シーンはカットです。

終始猫ちゃんをリンチしてただけなので。

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