魔法とか言う便利ツール
なるべくテンプレからは外したい(出来るとは言ってない)
基本的にはやむを得ない状況になってもらいます。ゴメンなリール(棒読み)
テレポートしたのは、どっかの田舎。右を見たら森。左を見たら広い土地。何かいい感じに狩りが出来て、農業とかにも向いてそうな場所です。念じたら出来ました。
そして次は家。拠点がないとどうしようもないからね。
なのでつくります。
~5分後~
つくりました(真顔)
いやー魔法って便利。念じるだけで家も作れちゃう(勿論普通は出来ません)。まあそこまで凝ってないけどね。
お風呂と台所とトイレがあれば、後寝床。これで十分でしょ、多分。
次は食料の方。当然自給自足です。当たり前だよなぁ?
一応自由組合っていう誰でも働けて、お金を稼げる場所はあるんだけど、行かない。私自身のスペックは高くないから、ついえぐい規模の魔法を使ってしまいそうだし。そんなことしたら目立つじゃ済まないからね、しょうがないね。
なので、その辺の土地を適当に耕します。
耕しました(カット編集)。農業に詳しい訳じゃないから適当だけど、魔法で何とかなるでしょう(楽観)。
種に関しては、買ってあります。流石に魔法で作るのは無理だったよ。
野菜はこれで大丈夫。あとは肉。そっちは先程も言った通り狩りで入手します。食べられる魔物なら、別に減っても不自然じゃないだろうし、そういう人、普通に居るから目立つ事もない(手遅れ)、完璧だな!
···ん?なに?誰に喋ってんのかって?独り言だよ!このやり取りも全部心の中で一人でやってんだよ!ほら、あるでしょ?自問自答する事、あれの究極進化形態だから。私割と常識ぶっ壊れてるから、叫びたくなったりするんよね(?)。
まあええわ。とりあえず森の視察に行こうそうしよう。
というわけで森へと到着しました。木々は所狭しと並んでおらず、結構間隔を開けて生えている感じ。空は枝葉で覆われてて、暗い、そしてジメジメしてる。いかにもキノコとかが生えてそうですね。あ!そんなこと言ってたら案の定キノコ··が··
「ギジュ?」
「·····」
「·····」
なんか、歩いて喋るキノコが居た。私の膝下ぐらいまでの身長で、茎?の部分に口がある。その辺の、なんだろうあれは、木の実?花?を食べていた。襲ってくる気配はなく、二人で見つめ合うこと数秒。
「ギ」ぺこり
こちらにお辞儀をして、別の方向へと去っていった。なんやあいつ···ちょっと可愛かったかも(錯乱)。
さて、探索を続けますか。
~30分後~
道中蝙蝠だったり蜥蜴だったりと出会った。例外なく襲ってきやがった。ボロ雑巾みたいにしてやったけど、食料にはしない。気持ち悪いから。最初のキノコみたいなのにはそれ以降会わなかった。レアだったのかな?
しかし、未だに食べられそうなのとは出会えていない。いつも家で食べていたあのお肉は一体?頼むから獣に出てきて欲しい、あとは鳥とか。野菜だけじゃ満足できねぇよ。
「グワァ!」
お!(既視感)なんかの声が聞こえた!この鳴き声は間違いなく虎とかそういう類ですね間違いない。
さてさてこっちの方からだったな、今日の晩御飯だ!
「ぐわぁ!」
ん?また聞こえたけどこれは···?何か、人っぽくない?
えっと、あのへんかな?
「くっ!お前ら下がれ!死ぬぞ!」
「あんただけでこの数抑えられるわけないだろうが!そっちこそ死ぬぞ!」
『グオオォォォ!』
えっ、何これは·····?
☆☆☆
朝俺は、バーム森林へと出かけた。食料の調達の為に複数人の大人と共に、武器を持ち、装備を整えてからだ。
ケール王国は、周辺国の中でも、武力に秀でた国だ。それは辺境のこの村にも及び、大抵の魔物であれば、倒す事が出来る。
魔物、初めは食用であったり、野生の動物が突然変異したものだった。それが今や世界には魔物が溢れかえり、その被害は甚大なものとなっている。
バーム森林に生息するのは、蝙蝠や蜥蜴等の、暗がりを好む好戦的な魔物、キノコや樹木などの争いを好まず、寧ろ友好的な魔物、基本的にはこの二種類が存在する。
そうして、森に落ちている木の実や葉、それに蝙蝠を複数狩り、数週間分の食料を確保した。
もう十分だということで、帰路につこうとした時、そいつらは現れた。
「ぐっ!」
「!どうした!」
後ろを警戒していた大人からうめき声が、其方を振り返れば、数匹のオークが、手に持つ簡素な槍を赤く濡らし、襲いかかっていた。
オークというのは、このバーム森林では稀に見かける魔物で、凄まじい生命力を持つ、厄介な魔物だ。身体中を滅多刺しにしても生き残り、数日から数週間で完治、首を落とせば死ぬが、それでも数秒は動くという圧倒的な生命力。しかし目が悪く、武器の取り回しも上手くないため、狩るのはそこまで難しい訳では無い。
一人で遭遇した場合は逃げるしかないが、今は大人数、オークは図体が大きい為、狩ることが出来れば余裕で数十人分の食料になることだろう。
だから、ここで助けに入り、そのまま息の根を止めに行くのは、必然だったのだ。
ただ、今回は、それは悪手だったと言うだけのこと。
オーク一体に対し4人程で相手をし、腕や足に攻撃を加えていく。体が大きいというのは、的は大きくなるが、単純なパワーは大きくなるということ。いくら不器用だからといって、攻撃を喰らえば骨の一本や二本、簡単にへし折られる。
少しづつ攻撃し、腕と足を落とした後、首を攻撃する。全部で四体いたオークの内三体を殺し、最後の一体に向かおうとした時だった、
「ああぁぁぁ!」
響く悲鳴、オークの相手をしていた大人達も、一瞬そちらに目を向ける。
そこにいたのは、
「グゥゥゥゥゥ!」
「ガァっ!」
「グルゥ……」
こちらの人数を上回るオークの群れであった。
先頭に居るオークは、その槍の先端を赤く濡らしている。ポタポタと滴る赤いその液体の先には、肌色の、そう、大体、大人の腕くらいの太さの…………
『グオオォォォ!』
考えている場合ではない。どう見ても人で不足、勝てるワケもない。逃げなければならない。しかし、またも不意打ちとは、気が緩んでいた──
待て、おかしい。
どうして二度も不意打ちされたのだ?あの見た目、そして大きさだ、見過ごすなどありえない。確かに木々は太いが、乱立している訳では無い、大量の巨体を隠せる程ではない。
それはつまり、何者かの魔法······
「おい!何してる!早くしろ!」
「っ!?」
悪い癖だ、つい考え事をしてしまう。今はとにかく逃げなければならないのに、しかし、こんな大軍放置していて大丈夫なのだろうか?村まで侵入してこないだろうか?
不安はあったが、ここで死んだら不安もなにもない。奴らは足が遅いから、逃げるのは簡単なはずだ。
が、そうは問屋が卸さない。
「ゴワァ!」
「な!?」
いつの間にか反対側にも押し寄せていたオーク達。最初に現れた者達よりも少ないが、十分な脅威、確実にこちらを殺しに来ている。
「·····お前ら、逃げろ。ここは俺が食い止める」
「はあ!?お前だけ置いていける訳がないだろうが!」
「強いっつっても無理があるだろ!数が多すぎる!」
皆が俺の事を止める。この間もオークとの戦闘は続いており、とにかく攻撃を防ぐ事に集中している。
「くっ!お前ら下がれ!死ぬぞ!」
「あんただけでこの数抑えられるわけないだろうが!そっちこそ死ぬぞ!」
最早なにふりかまっていういられない。命を捨てる覚悟をしなければ、死者は減らせない。
と、そんな覚悟を決めた時であった。
「助太刀しましょう」
突然耳に入ってきたのは、村で待っているはずの女の声。しかし違和感は不思議と感じず、ただただ焦燥感があるだけだった。
「やめとけ!無駄死にするぞ!」
「問題ありません」
即答だった。
それにも特に反論せず、頭にスルスルと入ってくる。
「というか、あれですね、一人で十分です」
『!?』
それに続き、あっさりと言ってのける。その言葉から慢心は感じず、それが当たり前のような雰囲気がある。しかし、それと同時に、なにか罪悪感のようなものも····?
「····[ウィンド]」
小さく呟かれた詠唱。最低限に圧縮されたそれは、確かに世界へと働きかける。女の正面に風が逆巻き、刃となる。オークに向けて放たれたそれは、オークの鈍重な動きでは避けられない。
オークの首へと接近し、そのまま首へと食い込む。そして、
数十体のオークの首を刎ね飛ばした。
「な!?」
俺を含め、全員がその所業に目を丸くする。当の女はと言うと、思案するように目を細め、オークを見据えていた。
「···えっ、こいつら弱(小声)」
何かを小さく呟いている。良く聞こえないが、今の所感でも確かめたのだろうか。
そこからは一瞬だった。威力こそ最初程では無かったが、一体一体確実にオークを葬っていく。高名な魔術師なのだろうか?だとしたら何故こんな所に?
「では、私はこれで」
「えっ、あっ、はい」
さっさと帰っていく女。ぼーっとそれを眺めていたが、はっ、と我に返る。早く帰って村のみんなに飯を食わせてやらねば。今日は大量の収穫がある。いやしかし、どうしてこんなにオークが死んでいるのだろうか?
まあいいか!何だか疲れたし、早く帰ろう。
「···失敗したか」
結局お約束じゃないか!実力不足ですねぇ、えぇ。
描写下手くそやなー。