チンピラの仕事
拙い文章で1話1話が短いですがよろしくお願いします。
男は、目を覚ました。
知らない天井ではない。つまり、まだ追い出されてはいないってことだ。
身体を起こすと、朝が早い奴らや受付の女共がもう仕事を始めようとしていた。っつーことは、そろそろアイツがやって来るな……
「おうユドル!相変わらずソファーで寝泊まりしてんのな!そろそろ宿屋に泊まれるくらいの金稼ぎに出たらどうだ!?」
「っせーな……毎日言ってんだろ?俺ァここがお似合いなんだよ」
「ハッハッハ!ずっとそんなんじゃあ交友関係は広がらねえぜ!」
「余計なお世話だっつーの」
朝っぱらから軽口を叩いてくるコイツは『ザック』この冒険者ギルドの常連の中じゃあ数少ないBランク冒険者にして……俺の数少ない親友でもある。
「そういえばユドル、門番から聞いたがつい昨日ギルド登録してない男2人が来たらしいぜ!お前の仕事が来たな!」
「ああ……そうかい。年齢は?」
「確かどっちも16だったか、ハッハッハ!冷静に考えたらまだまだ若造じゃねえか!」
「ああ?俺への当てつけかオイ、で?16だったな。まあそろそろ期待出来るやつが来てくれると有難いんだが。ついでに俺が巻き上げ易いやつ。」
「ハッハッハ!貴族の坊っちゃんじゃなきゃ厳しいなあ!……おっ来たみたいだぜ。」
ザックのその言葉とほぼ同時にギルドの鈴が鳴る。周りの冒険者達は1度そいつ等を流し目で見るとそのうち何人かは俺の方を見てきた。
――――ああハイハイ、こりゃあ俺の出番ってやつだ。
俺は頭をガリっと掻いて机を思いっきり叩いた。
バアァン!!!!
乾いた音がギルドの中に鳴り響く。
入ってきた男2人は驚いてこちらを見た。
俺は構わずズカズカとそいつらの前に行く、そして、睨み付けながらいつものようにこう言ってやる。
「ここはテメェらがお子ちゃまが来るような場所じゃねえぞボケが!!」
今日もクソみてえな1日が始まっちまう。