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闇ギルドとわたし

ハッピーエンド分を増やしたいので、これの他にもう二、三編、後日談的なのを投下することにしました。

王城。


築百年ちょっとのマイホームにて、私は家族団らんの食卓を囲んでいた。

私と、旦那さんと、ちび二人だ。


でかい方のちびが、もぐもぐ口を動かしながら、私の顔をじーっとにらみ付けている。


海色のドレス、銀髪にしゅっとした面立ちの美少女だ。

めっちゃ不機嫌なので迫力がある。

彼女はぎりっと歯をかみしめてから、椅子をならして立ち上がった。


「お母さんのパン、美味しくないわ! 手を抜いたでしょう!?」


「なんですって!?」


貴様が私の芋だんごパン食べたいってだだこねたから、昨日の晩、こさえておいてやったのに!


この母の愛をわからぬとは、とんだクソガキだ。


まぁ、手は抜いた。

芋が若干ゴリゴリしてる。

でも食べれりゃいいが私の信条だ。

腹に入れば一緒だろう、贅沢言うな。


私とにらみ合うおちびの横で、褐色の髪した男の子がのんびりと口を開く。


「うーん、まずい。もう一個」


「文句言いつつ食べるなよ……」


私は脱力しつつも、このちびっこにパンをつまんでくれてやった。


あれから五年。

私は二児のお母さんになっていた。


職業女王の二十七歳独身女が、今や二人の子持ちである。

なんだかとっても感慨深い。


仕事と家庭の両立だ。


前者は引退できず、後者は仕事が増える一方である。

私は産後休暇なども挟みつつ、ぼちぼちと頑張っていた。


旦那さんとも、仲良くやっている。

彼からいちゃつかれまくった結果がこの二人だ。

やればできるとはよく言ったものだ。

三人目もできちゃった。


あ、下ネタごめんね。

なにせうちの王国は、閣僚がおっさんばかりなので、下にたいする抵抗がどんどん摩耗してしまうのだ。

子供の教育環境としてはちょっとまずいかも知れない。


まぁ、うちの子供はそんなお母さんなど歯牙にかけず、賢く健やかにすくすく育っているのだけど。


では、ちょびっとだけがきんちょの紹介をしておこう。


長女クリス。

お気に入りの青いドレススカートを見事に着こなすこの小娘は、今年四歳になるお姫様だ。


くるくるした銀の巻き毛にちょっとつり気味の蒼い瞳。

父親の血を受け継いだ完全無欠の美少女である。

見た目はまさにプリンセスの高貴さだが、性格は父親似で発言には可愛げが欠けている。

乳離れの時はあんなに嫌がったのに、今では、母親の威厳にずばずばするどい刺突を入れてくる毒舌家だ。


今は、生意気な盛りで、辺り構わず噛みつきまくる狂犬ぶりを見せている。


彼女は、特に、廷臣の思想統制に熱心で、自分以外の人間が私の悪口を口にすると烈火のごとく怒るそうだ。

実に将来が楽しみだと、未だに引退しない宰相ボルワースが笑っていた。

成績は優秀らしいが、母はちょっと心配である。


そして、そんな彼女に付き従うのが、三歳になったばかりの長男ティリー。


褐色の髪に褐色の瞳。

カラーリングは私にそっくりなのだが、こちらも父に似て美形だ。

鼻筋とか、私とは根本的に違う。

すらっとしている。


ただ、彼の中身は私によく似たらしく、動きは全体的にどんくさい。

のそーっとしている。まだ若いのに。長生きはしそう。

この息子は、あまり俊敏では無いのだけれど、自衛の術には長けていた。

母親譲りの動物的嗅覚を受け継いだこのちびは、家庭内ヒエラルキーを敏感に感じとると、その頂点に立つ姉クリスに臣従する道を選んだのだ。


何をするにも姉の後ろをついて回り、今では舎弟の地位をたしかなものとしている。

一応、王位継承権第一位なんだが、大丈夫なのだろうか。

成績は姉に輪をかけて優秀らしいが、母はやはり心配である。


まぁ、どっちも私に似て、よく食べよく寝る健康優良児。

元気については間違いないだろう。


姉の方は、嫁のもらい手に困りそうだが。


そんな我が一家であった。


で、そのクリスは、お冠だった。

私が正直に手抜きを白状したからだ。


「お母さん。手抜きはだめっていってるでしょ! もっと美味しく作れるはずなのに! もっちり感が圧倒的に足りないわ!」


「ちっ、贅沢ばっか言って。子供のくせに舌が肥えてやがる」


「僕も姉さんも、父さんの料理を食べてるからね。母さん、おかわり」


「自分で取りなさい。テーブルの上に沢山あるでしょ」


「お母さんのがいい」


「そんなもの、自分の鼻で嗅ぎ分けろ」


ティリーは、私が押しやったバスケットを手元に引き寄せると鼻面を寄せてパンの匂いを嗅ぎだした。

それから、迷いなくオスカー作のベーグルを取り、私の芋だんごロールもお情けのようにつまみあげると皿の上へ置いた。


違いがわかる息子ティリー、五感の鋭さは折り紙つきだ。

奴には脱脂粉乳を入れたミルクを嗅ぎ分けて、テーブルから払いのけた実績がある。

私は激怒して、ティリーのケツをリズミカルに連打した。

奴は無気力に、尻を赤く染めつつだれていた。


中庭に面した明るい居室。


木彫の素朴なテーブルで、私は家族と食卓を囲んでいた。


久々に公休が取れたのだ。

それで、愛娘の「お母さんのだんごパンを食べたい!」というリクエストを受け、私が腕をふるったのがこの朝食だった。


しかし、結果は散々である。

美味しい手料理に慣れきっている子供達は、粗食に育てられた母よりもよっぽど贅沢な舌をもっていて、味に文句をつけてくれた。


飽食の時代というやつかねぇ。

私が子供の頃は、腐った芋でも口にしたものなんだけど。

まぁ、あれは自主的に食っただけだった気もする。


第一王女殿下の顔を見る。

私が反省の色を見せないので、クリスの不機嫌はとどまるところを知らない。


腰に手をあてふんぞり返り、彼女はこうのたまった。


「お母さんは、私と仕事、どっちが大事なの!?」


悋気を起こした恋人みたいなことをおっしゃる。

ここで「国のほうが大事」とか言ったら、この子はまたギャン泣きするのかしら。


そう思うと可愛いね。


ほっこりしちゃう。

にまにまを必死に押さえる私。

私が何か言う前に、長男のほうが突っ込みをいれてくれた。


「せっかくお母さんがお休みとってくれたんだから、素直になりなよ。その歳でツンデレこじらせるとか、めんどくさいにも程があるよ……」


「はぁあああ!? あんた何言ってんの!?」


姉は真っ赤になって、弟に噛みついた。


ティリーは面倒くさそうに丸パンにバターを塗っている。

業を煮やした姉クリスが、ティリーの手からバターナイフを強奪する。

しかしティリーは一足先にバターを塗り終わっていたらしく、我関せずとむしゃむしゃと朝食を再開した。

切れるクリス。

彼女がルール無用のテーブル返しを試みようと椅子から飛び降りスタンバイ。


まったくもー。


さて、どうやって止めようか。

しかし、私が動く必要は無かった。


思案する私の目の前で、電光石火の拳骨が閃いたのだ。


ごん、ごん、といい音が鳴り響く。


クリスが頭を抱えてうずくまる。

ティリーはのそりのそりと自分の頭頂をなでていた。


「この痴れ者共、いい加減、口を慎みなさい」


「ぎゃー、痛いわ! お父様、暴力反対!」


「なぜ、僕まで殴られるのか。これがわからない」


オスカーの登場である。

彼は、メインのお皿をもったままなぜかぐるっとテーブルを回り込み、私のおでこにちゅーすると、皿を並べて着座した。


オスカーよ、ちゅーより先に皿をおけ。


彼手作りの一品は、ヒメマスの香草焼きだった。

昨日見回りついでに山の方に行った彼が、大河アレーネの支流で捕まえてきたそうだ。

奴は熊よりも優れた漁師である。

手でワイルドに魚を捕る。


オスカーにクリスが怒りの視線をおくる。


「父さん。気軽に頭を叩かないで! 私、女の子なんだからね!」


「都合の良いときだけ女のふりをするんじゃない」


王国で国防と治安維持の責任者に就任した彼だが、西は帝国、東は聖国と同盟国に挟まれた現状で仕事をなくし、もっぱらちびの飼育係を頑張ってくれていた。


要は主夫である。


いまや、料理も洗濯もおしめの取り替えもわたしなどよりよっぽど上手い。

我が家でお母さん役をやっていている。


「陛下に対する口のきき方がなっとらん。公私の別は付けろと言っているだろう」


「違うわ! 今日はエリザベート陛下じゃなくてお母さんだもん。クリスのエリザお母さんなんだもん!」


まぁ、まぁ、可愛い事言ってくれるじゃないの。


「あと、お父さんのお仕置き、虐待レベルだからね! 児童福祉担当相に訴えてやるんだから!」


若干、語彙力が四歳児を越えている気がするが、それは多分彼女の個性だろう。

問題無い。

私はでれでれしながら、長女のほっぺをつっついた。


「まったく、クリスったら。甘えたいなら素直にそう言いなさいな」


「甘えたいんじゃ無いわ! もっと可愛がってもらいたいの! お母さんは私のお母さんなんだから、私のこと一番に考えてよ! 国は二番目なんだから」


「あんたねぇ。世界は、あんた中心に回ってるわけじゃないのよ。自分を何様だと思ってんの」


「お姫様だよ?」


きょとんと純真な目で見つめるクリスの頭上に、二発目の親父の鉄拳が着弾。

おおおおお……と、頭を抱えてうずくまる我が娘にお姫様的な高貴さは欠片も無い。

見た目はこんなにきらきらしいのに、残念な中身もふくめて、お父さん似である。


王子様はそんな姉を尻目に四つ目のパンを貪っていた。


「雉も鳴かねば撃たれまいに」


息子君、君は君で、ちょっとおかしいよね。

あえて突っ込まないけどさ。


「まったく二人とも、誰に似たんだ、誰に」


「鏡見てください、父上」


オスカーとティリーがにらみ合って、それからにやりと笑みを交わす。

男同士通じる物があるのだろう。


私はもう知らん。



まぁ、こんな感じが、私の家庭の風景である。


自分で言うのもなんだけど、みんなお母さんっこで私は嬉しい。

私はオスカーも子供達も大好きだ。


子供達は乳離れが遅かった。

でも、旦那さんが一番かかりそうで私は頭を悩ませている。

そろそろ私もおばちゃんに片足突っ込んでるんじゃが、なんでかおっぱいをねだってくれるのでこまっている。


座席についたオスカーが胸を張りつつ宣言する。


「第一、エリザは俺の事が一番好きなんだ。お前は二番目以下だから、その事は忘れるな」


クリスがたまらず泣き出した。

四歳児を泣かすして得意げに笑う、三十代後半の元軍人。

私はオスカーの頭を思いっきりひっぱたいた。





五年は長い。


私が子供をこさえ、自分のおっぱいで可愛い子豚を肥育してしまえるくらい長い。

親に捨てられた女王と、親を知らない軍人が一つの家庭におさまって家族になっちゃえるぐらいの長さである。

相当だ。


私ももちもち太ろうというものである。


いや、でも、幸せだったけどね。

これも幸せ太りだし。

オスカーは抱き心地良いって褒めてくれるし。


さて、この間に、私の王国もまた大きく逞しく復活を遂げた。

いや、復活どころではない。

以前の状況など及びつかない成長を記録した。


帝国からの資本投下が、その理由だ。

およそ栄養失調状態が標準化していた王国経済は、帝国からの資本注入という肥料をうけて早生樹も真っ青の勢いで大発展を遂げたのだ。


二桁成長なんてものじゃ無かった。

初年度は国内生産が倍増したからね。


まぁ、帝国からの投資はすごかった。


お隣の帝国は、先進国だ。

成長期を過ぎて成熟期に入っている。

そんな帝国では、国内成長が頭打ちとなり、資本も飽和しかけていた。

故に金をかけても余り儲からない。

帝国は金余りの状態だった。


そんな時、降って湧いた辺境の未開発国である王国。

彼等には、たいそう魅力的な投資先であるように見えたらしい。


まぁ、実際その通りだったのだろう。


王国にはガンガン金が集まった。

街道が延伸し、建物が立ち、働く場所が増え、意外と河川が輸送に適していたりなんかもしたから生産拠点もばんばんできた。

建物の平均身長はにょきにょきと高くなり、王城より高くするわけにはいかないから、さっさと城を改築しろと私は尻をひっぱたかれた。

悔しいので、物見台だけ高くしてやろうと計画したところ、勝手に図面を用意されて本館の改築を開始された。


とんでもない奴らだ。

経済クーデターだ。

私は憤慨しつつ、離宮に移り、新生児のクリスとティリーを養育した。

長期休暇だってさ。

ありがとう、ボルワース。


経済成長はどの分野も著しかった。

でも特に製薬や医療系産業は良く伸びた。

東部の山地には避暑地なんかもできちゃった。

それでも、まだまだ未開発地域は多くあるので、まだまだ成長は続いている。

現在の王国は、今をときめく一大投資スポットなのである。


王国にも成長するだけの土台があったのがこの発展の理由だろう。


なぜか成熟していた王国の統治機構と識字率がそれである。


識字率は私が勝手に伸ばしておいた。

いや、国民の字が読めると統治が楽なのだ。

告知とかしやすいし、聖国が侵攻してきたときの避難誘導にも役立ったしね。


統治機構についてはは、特に意識はしていなかったのだけど、結構先進的であったらしい。

政治学者さん達から褒められた。

なんでも普通の辺境国って、一部の王族や有力者による富の独占があるのが普通なんだそうだ。

北の将軍様? 南の頭領様? よくわからんが、独裁者は金もってるけど、国民皆貧乏ってことが多いのだとか。

しかし、王国は違った。


国民だけでなく国王も貧乏だったのだ。


「原始共産主義みたいな有様でしたわ」


帝国から出向してきたアリス経済産業相のお言葉である。


そこまでだろうか?

まぁ、比較の対象が帝国の皇室であれば、頷かざるをえない。

竜の前には蟻とバッタのサイズ差など大した問題にはならないだろう。

ちなみに、サイズ的には王国の一般的な国民が蟻で、私は女王蟻で、王国一の金持ちがバッタである。


それに、うちの国は小さい。

その分だけ、政府も小さく、統治機構は効率的なのだ。

不正をする官僚が生き延びられるだけの隙間は無い。

結果、帝国からの資本投下はスムーズにすすみ、王国の発展につながったと言うわけだ。

我が王国は順風満帆であった。


まぁ、当然うまくいけば行くほどに、まずい事象もおこるのだ。


我が王国には、お金が沢山集まった。

それを求めて人間もあつまった。


お金を稼ごうと、野心的なあるいは崖っぷちで一発逆転を狙うような人達が帝国や聖国から集まってきた。


その中には、後ろ暗い稼業を生業とする連中も居た。


女王の私は統治者として、そういう集団に対処する事になったのだ。





家族の団らんを終えた私は、執務室へと向かった。


今日はオスカーも一緒だ。

報告したい事があるという。


調度品を一新し、茶色とクリーム色で目に優しい色合いの執務室。

少し歳をとり、その分なぜか美人になったコレットが待っていた。

王国社会秩序維持局局長に就任した彼女は、王国の闇を一手に取り仕切ってくれている。


彼女は、私の護衛をオスカーにバトンタッチした後、帝国人の情夫と一緒に城の中の一部を占領し、国内の統制強化に励んでいる。

時々、私のところに甘えに来るのは前と変わらないのだけど、彼女が関わる闇は、以前より深さをましている。


私は放置してある。

今更さわぐようなことでもない。


彼女がその気になれば、私の体は四つ切りぐらいになって王城の用水路に浮かぶ。

前からだ。


「おはよう、エリザ」


挨拶と共に、報告書が差し出された。

表題には、「闇ギルドに対する特別執行措置について」というお題が書いてあった。


なるほど、これが今日の議題ね。


「闇ギルド……。名前は聞いた事があるわ。悪い事をしてお金を稼ぐ組織でしょう」


「大雑把すぎるけど大体そのとおりね」


まぁね、名前の通りだしね。


うんうん、と二人で頷きあう。


闇ギルド、よくこう、お姫様と王子様がキャッキャするような物語で、すごい活躍したり、逆に悪さをしたりする団体だ。


凄腕の暗殺者とかがいて、国の役人とか軍隊では手に負えない! すごい、伝説の暗殺者……! 百人斬り!


みたいに描写されることが多い集団。

ちょっと偏見あるかな?

でもそんな感じでしょう?


私がちょっと偏った知識を披露すると、コレットは口元をぎざぎざにさせつつも首肯した。


「まぁ実態はもっと散文的なんだけど……。誘拐とか強盗とか、そういう非合法な仕事を請け負う集団よ。その一団が、帝国の規制から逃げるために、うちの国に来たみたい」


「その対処策について、話し合いに来てくれたのね」


「そう。女王としてのエリザの判断を仰ぎたいの」


んー?

女王としての判断?


すこし引っかかる言い方だな。


「まずは、詳しく経緯を教えて頂戴。その上で答えるわ」


「ええ。じゃあ、こころして聞いてね」


にまりと微笑む顔は変わらぬ信頼感。

そしてコレットは状況を説明してくれた。


きっかけは、とある派遣会社に登録した女の子(仮称メアリー:十七歳 職業:家事手伝い)の訴えだった。


メアリーは、実質的な無職だった。

体の弱い母親との二人暮らし。

一応生活保護の給付はあるのだけど、それだけで暮らすのは難しく、彼女はなんとか日銭を得ようと、新しくできたという人材派遣会社に登録した。

彼女は、家事スキルを買われて、とある裕福な商家でのハウスメイドのお仕事を斡旋されたそうだ。


提示されたお給金はとても良かった。

仕事の時間も融通が利くし、制服なんかも支給らしい。

故に彼女は応募に飛びついた。


メアリーの応募は、ほとんどフリーパスで審査を通過。


これは、よっぽど人手不足なのだろう。

もしかしたら常雇いしてもらえるかもしれないぞと、彼女はるんるんでお仕事に向かい、お掃除のために居間の扉を開いたところ、なぜかツボが割れていて、これまた都合良く現れた家主を名乗る男に、お前が割ったと難癖を付けられたらしい。


詐欺である。

詐欺であるが、気付いたときにはもう遅い。

彼女はヤクザに囲まれた。


高価な家財を弁償せよと迫られたが、当然彼女に金はない。

メアリ-は、多額の借金を背負う事になり、派遣会社から弁済を迫られて、泣く泣く長期間の無賃労働契約書にサインした。

それは帝国で期間労働者として働けという契約書だった。


彼女は家族に挨拶だけでもさせてくれと嘆願し、その場を脱出。

そして、その足で、行政府に駆け込んだのだ。


王国民をなめてはいけない。


それなりの年齢のがきんちょは戦争も体験しているし、外国人に悪い奴がいることも知っている。

メアリーは逞しかったのだ。


そして多少の調査の末、コレットが統括する社会秩序維持局の監視網にひっかかり、その人材派遣会社の裏側で動く、血のなんちゃら団とかいう組織がひっかかったのだそうである。


人身売買組織であった。


まぁ、難癖つけて、借金をかぶせて、国外で労働させると連れ出してしまい、そのまま奴隷にしてしまう。

ありがちな手口だね。


もちろん、派遣会社と、裕福な商家とやらもグルだ。


私は激怒した。


私は二児の母だ。

どっちの子もとても可愛い。

だから、もし、うちのクリスやティリーがこんな事件に巻き込まれたらと思ったらいてもたってもいられない。


絶対に許さんぞ、闇ギルド……!


オスカーも同じ事を思ったらしい。


「こんな犯罪に、もしクリスが巻き込まれたら、エリザはきっと嘆き悲しむだろう」


「ちょっと引っかかる言い方ですね」


「ああ、クリス本人はさらわれたところで平気だろう。あれは俺の血を継いでいる。どこかに売り飛ばされても現地でしぶとく生き残るはずだ。放っておいて問題無い」


父親の台詞とは思えない。


「お父さんいつもこんな感じだもん。だから私はお母さんの方が好き」


そんな、クリスの声が聞こえた気がした。

私は忘れる事にした。




さて、女王としてこの事態にどう対処すべきだろうか。

まずは、まぁ、所感を述べるべきだな。

それが大方針となる。


「叩き潰したいわ」


「流石エリザ。私達も同感よ。でも簡単にはいかないのよ」


「まぁね。想像は付くわ」


私だって女王歴二十年近いベテラン君主。

良い事をただ良い事だからと実現できるほど世の中は単純では無いことを知っている。


この闇ギルドがやってることは非合法だ。

しかし、カバー企業である人材派遣会社はちゃんと登記もされていた。

メアリーに返済を迫った契約の内容もグレーゾーン。

ツボを本当にメアリーが割っていないという証明も難しい。

まぁ、調査で非合法組織とは判明してるし、真っ黒なんだけど、それを立証するのはちと大変なのだ。


もちろん契約の無効を言い渡す事は可能なので、彼女を救う事はできる。

でも、闇ギルドに対しては、是正勧告ぐらいしかできない。

それでは、トカゲの尻尾切りをされて終わりだろう。


「やっつけたいけど、難しい。なるほど、これは帝国でも手を焼きそうね」


「うむ」


「でも、うちの国は違うわ。なんたってうちの国のトップは、女王エリザベートなんだから」


そして、オスカーとコレットが私を見た。


「私達がエリザに提示できる選択肢は二つよ。一つは、王国法に則ってこのメアリーだけを救済する道」


「その場合、闇ギルドは残るわね」


「うん。追及はするけど、脱法に関しては向こうもプロ。根は残る」


「で、もう一つの手段は……」


オスカーがきらん、と目を光らせた。


「女王の独裁権をもって、上から叩き潰すというやり方だ」


うむ、大体想像はしていたよ。


私はちょっと悩んだ。


まず、この二人がもたらした情報が間違いであるという線は除外する。

そこを疑い出すと何も出来なくなる。


その上で、私が女王としてなにを為すべきかを考えよう。


この時、私が考えたのは政治的なあれこれではない。

私が女王となった原点のになる思い出ある。


私は、いわゆる善い女王になりたかった。

それは、なぜか。

良い女王、賢明な女王として、名前を歴史に残す事だろうか。


ちがうな、私の欲求はもっと単純だ。


国民皆を幸せにしたい。


困ってる国民を助け、共に戦い、外敵をぶちのめす。

反乱の首魁にして王権の簒奪者、思いのままに戦った王女エリザベートが私のスタートラインであった。


思い返せば我が王国は、絶対君主制を敷いていた。

私の意思が全てに優先する。私が法だ。


普通の封建国では廷臣達との利害調整も必要だ。

だけれど、我が国は対聖国の戦争で女王を頂点とする挙国一致の体制が(勝手に)形成されていてそれが今でも生きていた。

そもそも貧乏王国だったので、生きるため、効率化のために私に権限が集められたのだ。


現状はさらにすすんでいた。

国が抱える武力集団は、治安部隊も軍隊も、私の意のままに動くのだ。


行政機関の長である市長は私のイエスマンだ。

私の飼い犬オスカーに怯え、さっさと引退したいといいつつも、役人としての手腕に優れるせいで、女王に捕まって仕事をさせられている可哀想な職業人だ。

彼は自分の仕事の邪魔になる犯罪者達が大嫌いで、「あいつら全員、エリザベート陛下がぶっ殺してくれればいいのに」とよくうそぶいている。

死刑執行にサインする基準が異常に緩いと評判な男だ。

やはり、戦争経験者は違う。


情報機関の長はコレットだ。

彼女は本質的には無政府主義者だが、私が女王である場合に限定すると国粋主義的な公務員だ。

私のことが大好きな彼女は、私の意向が彼女の趣味と合致するととても喜ぶ。

犯罪組織は嫌いだ。


武力を司るのはオスカーだ。

彼は、オスカーだ。

私が死ねといったら、死ぬと言っていた。

愛が重い。が、まぁ、そういう男である。


擁するに、私はやりたいようにできるんだ。

心の赴くまま、我が良心に従ってこの国を動かせる。


もちろんやらかしたら、責任は取らなきゃならんけど。


私は、決断した。


「よろしい。叩き潰しなさい」


ていうか、私は思い出したのだ。

私の王国は、帝国に吸収される予定だ。


私が生涯ずっと独裁者の地位に就いているというのであれば、権力が集まりすぎるのはよくないだろう。

でも、すぐに退位することが決まっている女王であれば?


私の絶対的な権力は時限的な物。

だったら原始的な倫理観に基づいて国を運営してもいいんじゃないか?


殺さず、盗まず、犯さずが、我が国の基本原則。

これを守らない集団は、我が国では生存権を与えないと、私は既に宣言済みだ。

そして、文句があるなら、国を出て行けとも言ってある。


闇ギルドにもまぁもしかしたら言い分はあるかもしれぬ。

しかし、田舎の土人国家をなめくさり、用心を怠って、女王の情実による裁定を警戒しなかった連中の判断ミスがあるんじゃないかと私は思う。


よく、犯罪組織の人達が言うじゃん?

この世は弱肉強食だって。

実は私も同感なんだよね。


「私は独裁者になります。オスカー、コレット。最大限の戦力をもって、この非合法集団の根を断ちなさい」


「流石エリザだ。話がわかる」


オスカーもコレットもにっこり嗤って行動を開始した。


こうして戦いの幕が切って落とされた。


まずオスカーは彼が代表となっているPMC(民間軍事企業)の構成員に召集をかけた。

国軍を、海外へ派兵するとなると外交的に手続きがめんどうだったりする

それを回避するために、傭兵業を隠れ蓑にして、彼が自由に動ける体制をとっている。


皇帝陛下からは喜ばれた措置だ。

オスカーが知恵を出し、私が手配して動ける体制を整えた。

こういうことになると知恵が回る男だ。


兵力は千人ちょっと、ほとんどが元帝国兵。

お見合いパーティーで仲良くなった軍人さんが、王国への引っ越しを希望したりなんかして形成された集団である。

熟練兵だ。


オスカーは暇に飽かせて東部国境地帯の山岳で、高地順応演習なんかも施してるので、今や特殊部隊みたいになっている。

現在待機中の七百余りが集合した。


同時に、コレット率いる情報部隊が、この闇ギルド血のなんちゃら団の関係施設を洗い出した。

都市計画科に、周辺街区の情報を提出させ、地上と地下の侵入経路を確定する。


その情報に基づいて、オスカー直卒の戦闘集団が、即日作戦を立案、その日の夕刻に行動を開始した。


彼等は、敵の施設三つが位置する街区を、市街戦の要領で物理的に封鎖した。

魔導車をごろごろ転がして、バリケードにしてしまったのである。


通行人は任意(強制)で同行してもらい全員一時的に捕まった。

夕食と、手当金が出るよと誘ったところ、ほとんどの王国人はただ飯が食えると嬉々として同行してくれた。


奴らはタダという言葉に弱い。

将来が心配だ。


こうして敵施設は完全な包囲下に置かれ、誰も逃げ出せなくなった。


突然の降伏勧告が行われ、「身に憶えが無い」という当然の返答を待ってから、オスカーが攻撃を指示する。

武装解除して出頭しろと言われたら一般人はびびって出てくる。

建物に立て籠もった時点でギルティーだ。


という暴論だった。

まぁ、もうすでに賽は投げられたのだ。

闇ギルド(推定)の一番でかい本拠地に彼が率いる二個大隊が、他の施設には一個中隊ずつが振り向けられ突入。


彼等は黒だった。


黒曜の剣士と謳われる、剣客がいたらしい。

王国軍特殊部隊の面々は、重弩弓による多重斉射によって、この剣士を蜂の巣にした。

剣は抜かせなかったという。


貴石のジェミニなる異名を持つ双子のイケメン暗殺者がいたらしい。


「兄さん、お馬鹿さん達がきたよ。僕たち」


「ふふ、楽しみだね。今夜はパーティーだ」


彼等は通路の暗がりにひそんでいたが、オスカーは存在を察知した。

面倒なので、一人囮になってとことこ進み出るオスカー。

おそいかかる双子。ふるわれる毒入りダガー。

しかし、オスカーさんのハードスキンには短刀の刃が通らず、両者とも顔面をマスターキーで叩き潰されて御用となった。


「馬鹿な、僕たちの牙が届かないなんて……!」


「馬鹿が、都市破壊戦装備の重装歩兵に短刀なんぞが効くものか」


オスカー先生のお言葉であった。


私はこのジェミニ君達の言葉を聞いて、サブイボがたくさんできた。

黒歴史っぽくて、ゾクゾクしちゃう。


ていうか、オスカーはスカしたトリックスターっぽい感じの相手があまりお好きでないっぽい?

オスカーも中二病わずらってるから同族嫌悪かもしれぬ。


彼はいつも以上の容赦無さで、その双子を初めとした暗殺者を処理してしまった。


まぁ、彼等が生きている世界は弱肉強食なのだ。

このジェミニ君達は、オスカーみたいに好き勝手生きるだけのパワーを持ち合わせていなかったのだろう。

彼等は、かっこつけるより、頑張って体を鍛えておくべきだった。


なむなむ、である。


他にもこの闇ギルドには、黒豹とか山猫とかオオトカゲとか異名をとる人達がいたらしい。

全滅した。


うーん。


「なんか、動物園みたいだね。ちょっと楽しそう」


「やっぱ、エリザの感想聞くとほっとするわ」


「ありがと」


褒められたので、私は素直にお礼を言った。


豪華メンバーを従えた闇ギルド、血のなんちゃら団。

彼等は、帝国で猛威をふるっていたらしいのだが、女王の専権を後ろ盾にした軍隊の攻撃にさらされて、あっさり壊滅してしまったのだ。


戦闘開始から約四時間後、抵抗した人間はそう多くは無かったため、存外多くの人間を私達は重要参考人として確保した。


そして私達は、彼等一味に対して徹底的な弾圧を加えた。

一番偉い、ギルドマスターとか言う人も捕まったそうで、彼には念入りに取り調べが行われた。


「べ、弁護士を呼べ」


「良い事を教えてやる。この国では、エリザベート陛下が法だ。陛下は貴様ら畜生共は犬だと仰った。犬に権利は認めない」


私はそこまで言ってない。


まぁ、一罰百戒。

この際、王国を嘗めてる連中にもおもいしらせてくれようと、張り切った治安当局者は、とても人には言えない方法を駆使して頑張った。


余罪は沢山出てきた。


帝国からも治安当局の人が呼ばれてきて、余罪も含めて沢山の情報を吐き出させることに成功。

それを手土産に、国際的な犯罪に手を染める、一部の組織が帝国でも検挙される事になったそうだ。


こうして、王国の闇は一つ取り払われた。



私はこの事件で一つの知見を得た。


結局、非合法組織と言う奴は、国の制度に守られているからこそ存在できる集団なのだ。

言ってしまえば、国の法によって守られている存在なのである。


逆に言えば、法が、恣意的に変えられるような国家だと、すごく生きにくい。

つまりうちの国だと生きにくい。


そしてもう一点。


弱い。


人類が築き上げた一番強力な権力機構が国家だ。

そして、それが抱える最強の暴力組織が軍隊だ。

もし闇ギルドなる組織が絶対的な強さを持つのなら、各国の軍組織は闇ギルドと同じ形態をとるだろう。

だが、そんな国は存在しない。


つまり闇ギルドって弱いのだ。


まぁ、強くなると、だんだん軍隊に近い性質を帯びてくるらしいけどね。

マフィアとかが国の統治機構に食い込むと、すごい重武装で軍隊みたいになるとは聞いている。


私は、作戦成功の報を、クリスとにらめっこしている最中に受けた。

私は、キリッとした顔で報告を受け、満足している旨の返事を返し、それから慨嘆した。


「今日、私は、独裁者になった。我が専権が王国を支配するようになった、これは記念日だ」


クリスは私のキメ顔を見て、大笑いしてしまい、私は三連勝を決めたのだった。


私は女王だ。

専制君主だ。

武力の裏付けをもつ絶対的な支配者。

私は、子育てをしつつ、行政のおっさん達とやりあってるうちに、こお王国でそういう存在になっちゃったのだ。


まぁ、それでも良いかなぁ。


妙に納得してしまた私は、子供達をシッター代わりの廷臣共に押しつけると、お茶を一杯飲んでから、執務室へと向かった。


この闇ギルドに限らない。

企業体に対する規制の改正案に王印を押し、我が独裁権をさらに強化したのである。


それは、遡及法禁止の原則をこっそり無視した法案だった。

王国民の身柄を守るため、裏稼業を営む組織を合法的に粉砕する許可を、行政機構と女王が承認した軍事組織に与えたのだ。


この王国で好き勝手やれるのは私一人だけでいい。

あとは私がしっかりするだけだ。


非合法の組織は許さない。

非合法っぽい組織も許さない。

みな「私の常識」に配慮して暮らしなさい。


私は常々こう考えていた。


足るを知り足らざるを知れ、と。


今ある事で満足することを知りなさい、人間の欲望には際限は無くゆえに欲しいものを全て得る事はできないことを知りなさい。


そこそこの暮らしをするのであれば、王国は良い国です。

そこで他人の生活をおびやかしたりしないよう、則を守って生きるのです。


できなきゃ私がお仕置きします。


一通りの仕事を終えた私をコレットが評していった。


「なんか、最近エリザが頼もしいわ」


「開き直りよ。それに終わりも見えてるしね」


コレットの言葉に私は愛想良く頷いた。


まぁ、あれだ。

私だって危うさには気付いていた。

でも平気。


繰り返しになるけれど、王国は、帝国に吸収される予定だったから。

なら、それまで、好き放題にやってやろうと私は決めたのである。

開き直りである。


こんなやり方は、私が腐敗したら一発で破綻する。

自分が腐敗しないなんて自信は無い。

終わりが見えているからこそ、逆に大胆に動けるのだ。


私の果断な行動は、国民と多くの外国企業から絶大な支持を受けた。

帝国の企業にしてみれば、おかしな活動をする企業体が増えてしまうと、現地民からの信用を無くしてしまう。

厳罰をもってあたってくれというのが彼等の希望であったらしい。

あの女王様も案外やるものだと、私の支持はとてもあつくなったのだった。


私はとりあえずの人気に満足し、この事件は幕を閉じたのだった。


さて、後の影響だ。


私の「すぐに退位するから好き勝手やっても大丈夫」という思惑は外れた。

私の独裁政権がひっじょーに長続きしたからだ。


私はええかっこしいの見栄っ張りだ。

子供にもみんなにも、良い女王様だねって言ってもらいたい。

それ以上に自分で言い女王様だなって納得できる生き方をしたい。


私は、クリス、ティリー、それから連続して生まれてきた三人の息子と息子と息子に監視され、しかも国民からの支持率が高止まりしちゃった私は、我が本性に支えられてなかなか腐敗しなかった。


あと適度に適当に仕事をしていたのも良かったらしい。


のんべんだらりとした女王の独裁政権は長続き。

結果的に「国民の国民のための女王による専制」なる謎の政体が構築されることになったのだ。


なかなかに興味深い政治形態だと、帝国の政治学会から注目をされた。

そして「おもしろそうだから、もうちょっとお前女王やれ」と、皇帝陛下からお墨付きまでもらってしまい、私の存命中、王国は帝国に吸収されずに終わってしまったのである。


聖女エリザベート。

独裁者エリザベート。


後世、私はいろんなあだ名を私はつけられて女傑だ、聖人だといろんな評価をもらってしまうのだが、これは、その原因となる事件であった。




さて、最後に今回の事件の発端となった、メアリーちゃんについても語っておこう。


事件後、彼女は晴れて自由の身となった。

彼女が課せられた契約は不当な物として、棄却された。

しかし、彼女に金が無い状況は変わらない。

見舞金が国からちょびっと出たけれど、燃え続ける台所の状況を考えると焼け石に水である。

金が必要なメアリーは、ちょっとだけ迷った末に、またしても行政府に泣き付いた。


「だって、お役人さん達は、みんな親身に私の話をきいてくれたのだもの!」


大ピンチを助けられ、味をしめてしまったらしい。


しかしヤクザにすごまれてもへこたれず、厚顔にも何度も国に縋り付く彼女の神経の太さをコレットは高く評価した。

結果メアリーは、社会秩序維持局の職員に雇われる事になったのだ。

町娘から諜報員への大抜擢。


これでいいのかとも思うけれど、田舎女王のエリザベートが独裁者になれたのだからきっとどうとでもなるのだろう。


その後、メアリーは優秀な潜入捜査官へと成長した。


彼女は、どういうわけだかすごい勢いで悪の組織につかまったり、凶悪事件に巻き込まれたりを繰り返した。

メアリ-は、とても便利な疑似餌兼鉄砲玉として重宝され、上司のコレットにならってお気に入りの情夫を囲いつつ、刺激的ながらも、けっこう幸せな一生を送り、ベッドの上で穏やかに一生を終えたそうである。


彼女の働きにより、王国の基盤は少しだけ強固になった。


同時に、王国の裏にひそむ闇は、若干深まりつつも、とりあえず私に取っては都合が良い感じの方向にすすみ、王国の歴史にもまた新たな一ページが加えられたのだった。



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