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聖都とわたし

私は王国の外に出た事がない。

国内引きこもり歴二十七年。

ドメスティック・クィーンのエリザベートである。


そんな私は今、聖国の首都ルミエーネを丘の上から見下ろしていた。

馬車時々戦車の旅程を果てに、私達は、この遠征の目的地へとたどりついたのだ。


聖都ルミエーネは、城外市も含めるとおよそ二十万の人口を誇る大都市だ。

そのきらびやかな名に劣らず、どことなく女性的な美しい外観の街だった。


白亜の鋭角的な尖塔が、その頂を天の高みへと伸ばす様は遠目にも壮麗。

その表面に施された精緻な立体彫刻までを遠望する事は適わないが、陽光を受けて淡く白く輝く教会群は、近くで見る者に聖地の荘厳さを感じさせることだろう。


聖都はまた水の街でもある。

大河ロナウから引き込んだ運河が街の隅々まで行き渡り、街の物流を支えている。

ゴンドラに揺られて眺める聖都の姿は、またひと味違う趣を感じさせるものであるらしい。


以上が、聖国の観光案内書による情報である。


いつかは私もこの目で見てみたいものだなぁ。。

一昔前に発行されたその情報誌を、私は感嘆半分、羨望半分で眺めたものだった。


それがこんな形で実現する事になろうとは。


「美しい、街ですわね。オスカー」


私の横に立つオスカーは、しかめ面で顎を撫でた。


「石造りの街だ。火を放っても燃え広ったりはせんだろう。厄介な」


「オスカー、風情。風情」


「馬鹿者。そんなものを求めるな」


今回の旅の目的は観光ではなく侵略だった。

教皇猊下の家の戸を、城門破砕用の鉄槌でもってノックする。

完全武装の重騎兵に鉄張りの戦車に乗って押しかけながら風情を求める方が間違ってる。


わかってはいるさ。

でも、私は、普通の観光旅行にも憧れがあるのである。




さてさて、皆さんこんにちは。

王国を発った私達は、およそ一月の旅程を経て、ついに聖都までたどり着きました。


勝手知ったる都市攻撃。

侵略戦争常連の帝国軍は、流れるように、攻城戦へと移行します。


設営組が慌ただしく陣幕をたて、防柵の手配をするわきで、今日の突撃当番が襲撃の手はずについてお話しを進めていた。


今回は破城槌型の戦車? いや戦車型の破城槌か? が実戦投入されることが決まっていた。

戦務からコンバットプルーフを求められているとのこと。


「戦車も元は破城槌だ。攻城兵器として使うという名目で予算を取った。実戦証明の機会を逃すわけにはいかん」


オスカーの言葉だ。


攻城兵器でもって、聖都の城門をなぐるらしい。

聖都外壁の門扉を見る。


分厚い木製の扉を金属で補強した上に鉄の格子戸を取り付けた二重構造。

これを上からぶち抜くのは、物理的に無理だと思う。


少なくとも鉄塊をたたき込んだぐらいで、鉄格子の落とし戸は抜けないだろう


「成算はあるんですか」


「まぁ、破砕突破は無理だろうな。正面に展開する部隊は貧乏くじだ」


「指揮官がそれ言っちゃ駄目でしょ」


オスカーの無責任な発言が伝わったわけでもないだろうが、城門突撃班は押し付け合いになった。

最終的には、当番だったらしい、第四連隊がこの任にあたることになる。


「しかし、閣下。小官は持病の水虫が酷くてですね……」


ここで連隊長、自爆覚悟のカミングアウト。

いやだ、よりによってこんな作戦したくないと、彼は正論を交えて駄々をこねる。

最終的に宥め約の私が駆り出され、臨時で診療する事になり、ようやく勘気をおさめた彼は無事出撃した。


まぁ、私にも水虫は治せない。

一応、気休めに消毒薬を塗ってあげたら嬉しそうな顔をされたのでそれだけだ。


オスカーが殺意を漲らせていたので、作戦が無事に終わっても、連隊長が無事故国の土を踏めるかは不分明だ。


破壊兵装備に切り替えた帝国兵が縦列を形成する。

かれらは先頭に戦車を押し出して、城門へと進軍を開始した。


突撃隊は、千名弱の重装歩兵隊によって構成される。

残り約九千の人員は後方待機。


たった千名足らずの攻撃隊は、聖都の巨大さと比較するといかにも頼りなく見えた。

少なくないかって?

その通りである。


「陽動が主な任務だ。新兵器の稼働について確認ができれば戦略的な目標は達成しえたといえるだろう。」


「新兵器……。なんとかバンチャー? でしたっけ」


うろ覚えの私の言葉に、オスカは眉を上げた。


「パイルバンカーだ」


なんでも火薬の爆発力を用いて、杭やら鉄塊やらの剛体を高速で打ち出す機構らしい。


一発だけ撃つところを見せてもらった。

爆音と衝突音が馬鹿みたいなうるささだったのを記憶している。


オスカーはじめ、軍人さん達はめを輝かせていたが、私は「これ、多分、趣味装備だぞ」と直感したものだ。


すごい勢いで打ち出された鉄食いが城門を模した金属合板を粉砕する姿は、なかなかすごいものだった。

だが、一発ぶち込むのにかかる手間が馬鹿みたいに大きい。

しかも、その時の実権では三発撃った時点で支持体が衝撃で歪んでしまい、連続発射ができなくなっていた。


果たして、あの不具合は解消できたのか。

わくわくした顔で観戦するオスカーの横顔を見るに、私には不安しか残っていない。


「使い物になるんですよね、オスカー」


「俺はそう信じている」


「希望的観測であるように聞こえますが」


「……荒ぶるボビンよりは活躍をしてくれるはずだ」


荒ぶるボビンとはなんなのか。

比較対象の兵器? が欠陥品なだけじゃないのか。


私は疑問に思ったが、敗北主義的な思考に流れるのもどうかと思ったので、そこで考えるのを止めた。

結局のところ、聖国軍は城門外へと展開することができないのだ。

援軍の予定も無い以上、聖都陥落は時間の問題。


攻勢をかける私達には余裕が有る以上、ここで技術検証を行おうというオスカーの方針には正当性があった。


城門からの攻撃圏内に入ったのだろう。


外壁に取り付かんとする帝国軍に、まばらな迎撃が始まっていた。

その微弱な抵抗を意に介さず、破砕装備の鉄の群れが城門に張り付く。


うーん。


流石に遠くからでは戦いの様子はよく見えないな。

できれば、犠牲少なく戦いを終えてくれ。


私がそう願っていると、「バッカーン」と大きな衝撃音が城門から鳴り響いた。

およそ、人力では起こしえない轟音だ。

近くで聞いていた兵士さんの鼓膜が心配になる。

運用には耳栓必須だろう。

いやしかし、それでは命令の伝達に不都合があるのでは。


止めどなく湧き出る疑問に内心で唸る私の横で、オスカーが一つ頷いた。

戦況の推移を見ていたオスカーが頷く。


「どうやら、稼働はしているようだ。正直、不発も心配していたが、ロイシュナー(第四連隊長のこと)はついていたな。俺も出ることとしよう」


「はい、オスカー、どうかご武運を」


城壁や城門は物理的な外部からの攻撃には強い。

兵がおらずとも鉄の門扉を抜くのにはたいそう骨が折れる。

暴力期間と功利主義と効率主義の三位一体からうまれた帝国軍が、そんな馬鹿な真似で時間を浪費するはずがない。


聖国の守備隊はずたずたになっていると情報を得ていた。

ならば、弱点を突くのが正道だろう。


人手不足と士気の低下で、二重にザル化した警戒網を城門への正面攻撃を偽装してさらに撹乱。

そのすきに、オスカー率いる突撃隊が城壁内に進入し、内部から制圧する手はずになっていた。




「実は、聖都の防壁には弱点がございます。侵入用の秘密通路があるのです」


聖堂騎士団の団長から、私達はそんな情報を受け取っていた。


聖都の歴史は古い。

こういう古い都市には珍しい事ではないのだが、時代が経つにつれて人口が増加すると、必然の帰結として、城壁外に十人が押し出される。

そんな彼等も歴とした文明人であるので、最低限文化的な生活を維持しようと城壁の外にも市街地を形成するのである。

いわゆる城外市だ。


聖都も例外では無かった。

むしろその歴史に相応しい広さを聖都の城外市は誇る。


まぁ、聖都は外敵に攻囲された経験が一度も無いからね。

寺前の門前町のごとく、市が並んでいたのが一昔。

最初はあばら屋だった建物が、石造りなり、今は頑強な構造体が城壁近くにも立ち並んでいるのである。


そして、そのうちの一つ。

城壁にほど近い教会の鐘楼が、聖都城壁にびったりと張り付いていて、空中の通路になっているのだとか。

城門の鍵の代わりに鈎付きロープを使えば、身分、職業に関わりなく、城壁内への出入りは自由なのだそうである。

宗教的な戒律から、よっぽど入城がむずかしいといわれていた聖都であるが、わが王国もびっくりのガバガバ入国審査である。


ヤモリの生まれ変わりであるオスカーなら、壁伝いの侵入も難なくこなせるだろう。

城門付近で陽動をかけ、その隙に彼が抜け穴から侵入する。

他にもその手の作戦を得意とする兵士二個中隊が彼に随伴することが決定した。


その兵士さん達も、オスカーと同じく夜這いの常連であるのだろうか。

まぁ、深くは追求すまい。


致命的な弱点を暴露してくれた騎士団長はこうも付け加えた。


「ここに限りません。私が知る限り、他にもそういった場所がございます。地図に記載しておきましょう」


地図上に致命的な弱点が増えた。

オスカーが苦笑する。


「攻め手の我らにしてみれば、ありがたい事だ。しかし、なぜ貴様らはそのねずみの穴を塞がなかったのだ? 有事となれば致命的な結果をもたらすだろう」


彼は自嘲げに笑う。


「我らにとっては、百年後にあるかもしれない戦争より、今日の仕事を円滑に処理することのほうがよほど重大事でありました。城門の出入りは官僚機構の肥大化で申請に時間がかかる。需要があったのです」


信仰と教義を守る正義の騎士団。

その大幹部の台詞がこれであった。


私としても身につまされる話しだ。

王国の城壁に秘密の進入路など断じて許さぬ。

そのためには、入城時の審査も効率的にぱっぱと進められるようにしなくては。


だって、穴が無くてさえ、オスカーが這いずり込んでくるのだ。

これ以上気軽にほいほい不審者に来られてはたまったものでは無かった。



さて、攻城戦の短期決着は私達の望むところだ。

聖都に到着したオスカーは、早速斥候を放ち、進入路の確認に向かわせた。

結果はオールグリーン。


十分に実用に耐えるとの事で、騎士団長の証言の正しさがが実地で確認される。


「外観から確認した限りですが、およそ大隊規模の襲撃路としてであれば利用可能かと思われます。どうやら、教会の人間にも話はついているようで、向こうから赦免を条件に協力の申し出を受けました」


「まったく、至れり尽くせりだな」


私の脳裏をピンクブロンドの聖女の姿がちらついた。


「彼等も、ルチアの手下でしょうか」


「ありうる話だ」


オスカーは忌々しげに呟いたが、信用できるのか、とは問わなかった。

少なくとも聖都攻略に関する利害関係では、私達、侵略軍の多国籍チームは鉄の結束を誇る。


疑う理由は存在せず、オスカーは出撃。

指揮官が司令部を離れることについては「よくあること」として受け入れられているのは、よく考えると異常だが、私はもはやそのことには突っ込もうとは思わなかった。


日没間際の時間帯を待ち、彼の突入作戦は決行された。




さて、その晩だ。


私は、その日も、救護所で兵士さんの健康維持のために軍医の活動をしていた。

いや、実は遠征中の日課なのだ。


兵の士気も上がるということで、オスカーはじめ帝国軍の将兵のみなさんからもからもご好評頂いている。

基本褒められたがりの私は、その手の機会を逃しはしない。


がんがんお仕事しちゃう。


まぁ、馬車の中で籠もっているよりも、苦悶の呻きをあげる兵隊さんの傷口を針でちくちくしているほうが性に合っているのだよね。

なんか微妙に気持ちが良いらしく、あっあっあっ、とか兵士さんは変なあえぎ声を上げてくれる。


楽しい。

なんか目覚めそう。


その日も、陽動にあたった第四連隊の人たちを中心に負傷者がかなり発生していた。


矢傷が多いかと思いきや、むしろ打撲や骨折の方が多い

密集隊形が上手く機能した相で頭上からの弓攻撃は裁けたが、かわりにボコスカ味方の鎧や盾に体をぶつける羽目になったらしい。

大変である。


私は、今日五人目になる患者さんの打撲に薬液をしみこませた湿布を貼っていた。

意図せず視線がまた上へと上がる。


「陛下も、やはり気になりますか」


あっ、気付かれてしまった。


「……失礼しました、どうしても作戦中のオスカーのことが気になってしまって」


私は頭を掻く。


「首尾良く行けばオスカーが信号弾を上げてくれる手はずになっているんですけど……。どうも待つのは苦手な性分で。うまく行けば青、不測の事態が黄、救援要請が赤。何度確認した事やら」


苦笑する私に、右腕をあざだらけにした彼は頷いた。


「ええ、そういう取り決めになっていす。まぁ、自分は隊長の上げる信号弾は青以外見た事がありません。どうせ今回も今回も青でしょう。ご心配にはおよびませんよ」


「なら安心して待っておきます」


彼と死線を潜り抜けてきた将兵の言葉だ。

これを疑うのは失礼という物だろう。


わたしは素直に頷いた。




ところがどっこい、この時は違った。


なんと空には見間違いようもない、真っ黄色の信号弾が上がってしまう。


不測の事態。


これに、帝国軍陣地は一瞬で騒然となった。


野営地の明かりが一気に増量され、陣地はにわかに喧噪に包まれる。

テントから部隊指揮官、部隊に非常呼集がかけられた。


ああ、この人達も動揺することがあるんだな。

私はちょっと感心したものだ。


夜陰にまじって、声が伝わってくる


「状況はどうなっている? 作戦部隊からの伝令はあったのか?」


「詳しくは不明です。なんでも、余計なものが引っかかったらしいですが……」


どうも、失敗したってわけでは無さそうだな。


いざとなったら、退却戦だと皆緊張を漲っていたが少し肩の力が抜けた。

そんな中、一人だけ平然とした顔をしていた、コレット。


「大丈夫よ。オスカー様なら殺しても死にそうにないわ。あの人間災害ならやり過ぎることはあっても、そうそう危機にはならないわ」


「一応、コレットもオスカーの事、信用はしてるんだね」


「まぁね。信頼はしてないけど」


はっきり言う女である。


「エリザだって、彼がどうこうなるとは思ってないんでしょ?」


「うん」


だが、だからこそ、彼の考える不測の事態とやらが気になるのだ。

正直見当が付かない。だからこそ落ち着かない。


私がやきもきしていると、夜半さらなる動きがあった。

にわかに本営が騒がしくなる。


私が天幕の中で心拍数を上げていると、訪問客。


すわ何事かと身構えてみれば、オスカーその人がやってきた。

大慌てで駆け寄って私は彼に抱きついた。

彼の体からは戦いの臭いがした。


具体的に言うと生臭い。


でも、良かった!

無事だった。

そしてこの匂いは間違いなく現実のものである。


お疲れ様の意味を込めて私が腕に力を込めると、オスカーはびっくりしたように身を強ばらせた。


「エリザ、その、なんだ。こんな格好ですまん」


「気にしないでください、慣れてますから」


自慢じゃないが、臭いには耐性がある。

こういう時に鈍感力を発揮するのは得意なのだ。

暑さ寒さにはめっぽう弱いが。


「オスカー、無事でなによりです。黄色の信号弾が上がったから気を揉んでいたんです」


オスカーは莞爾として微笑んだ。


「ありがとう。だが、心配は無用だ。作戦については問題無く完了した。城壁内の通路も閉鎖したうえで、城門は開放済みだ」


「良かったです。戦死者は?」


「ゼロだ。守備兵のほとんどは現場を放棄して退却した。教皇猊下は、将兵にも素晴らしく慕われているらしい。王国軍相手だとこうはいかんだろうな」


聖国軍は、酷い言われようだ。

だが、結果だけ見れば、戦意むき出しにしてオスカーにつっかかり、死体の山を築くよりもよほどましだろう。


私が破顔すると、オスカーは頭を掻いた。

帰ってきた感じがするな、と彼が笑った。


「それで、信号弾はなんだったんですか。打ち上げミスとかでは無いんですよね?」


「流石にそんな初歩的なミスはしない。捕虜をとったのだ」


「それは小耳に挟みました。誰を捕らえたんですか?」


オスカーは少し疲れた顔をしてからため息を吐く。

なんだ、疲れるような事なのか?


「……リンディだ。リンディを捕らえた」


「……リンディって、あのリンディですか? 前王妃で現教皇の愛人で、ランスロットのシングルマザーをしていたあのリンディ?」


「ああ、そのリンディだ」


おっとー。


ここで戦犯の登場だった。

しかし、私のこころに沸き起こったのは個人的な復讐心では無かった。


私は思い出したのだ。

そういや、奴の身柄を欲しがってた子がいたな、と。


彼女は、リンディの身柄に狂おしいほどの執着を見せていた。


奴の腹にグーパンで全開のビートを刻んでやる。

泣いて謝るまで殴るのを止めないぞ。


彼女は酒が入った瞬間に、人目も憚らぬキレ芸も披露してくれた。


聖女ルチア。

暴行予告犯のお名前だ。


リンディを怨敵と恨む彼女は、奴との対決を熱望していたはずなのだ。

絶対に許さねぇ案件らしい。


まあ国を滅ぼされかけた上、変な男をあてがわれかけたのだ。

その思いには同意しよう。


「オスカー、奴の身柄を帝国軍は望みますか?」


「要らん、要るわけがない」


「私も不要です。では、一番高値をつけてくれる子に譲りましょう」


「そうだな。まぁここは市場原理に従おうか」


私は伝令を走らせた。

ルチアがいろいろ放り出してすっ飛んできた。

ルチアが目に涙の膜を浮かべながらお辞儀する。


「ありがとうございます。このご恩は一生涯忘れませんわ」


「お、おう。そうか。喜んでもらえたなら重畳だ」


素直にお礼をされたオスカーが驚いている。

思わぬ効果に私もびっくりだが、ルチアはそんな小さなことには拘ったりしなかった。


「それで、奴は今どこに?」


「囚人用の護送馬車に放り込んである」


「了解です。今から接見を求めますね」


返事を待たずに馬車へと向かうルチア。

その片手には、見えない棍棒が握られていた。


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― 新着の感想 ―
面白かったですが誤字が多くて読む気が失せました。
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