労働組合は中小企業を潰すのか?
どうも、リュークです。
今回のネタは、以前働いておりました場所で聞いた言葉を考えたものです。
それは「こんな中小企業では労働組合なんて作られたら潰れてしまう」というものでした。
私はこれを聞いた瞬間「え? それ逆なんじゃね?」と思ったのを覚えています。←2017年の話ですけど
では、なぜ潰れると言えるのでしょうか?
まず最初に私が思ったのは、労組が組まれた瞬間発生する懸念がある「団体行動権」通称ストライキです。
確かにこれが起った場合、中小企業は潰れるでしょう。
ですが、現状とはそんなに性急に進むのでしょうか?
この疑問は一旦置いといて、次に私が考えた問題は、「団体交渉権」です。
これ、実は中小企業にとって意外ときついんです。
まず、人員が居ないので交渉に際して人員を割けないという所です。
個別交渉すら危ういのに団体交渉権なんてやられて長引けば、恐らく事務機能がマヒするでしょう。
まぁ、マヒしない程度に事務所機能を充実させれば良いのですけどね。
さて、この二つが潰す原因ではないかと私は推測しました。
ですが、これどう考えても違う気がするんです。
まず第一にストライキですが、団体交渉が決裂して初めて行使できる権利です。
となると、まずは交渉しなければならないので、あくまで最終兵器として取っておくのが得策です。
次に団体交渉ですが、互いに人員を制限すれば良いのではないかと思うのです。
例えば、労組に対して意見の異なる3勢力を同時にごちゃ混ぜに放り込む。
すると、意見の対立が起るので、誰もがそう過激な行動に出れません。
これは何も意見の違う人だけでなく、部署の違う人間を入れても良いのです。
例えば、外回り営業部と事務部と実働部隊となる部が入れば、意見調整は恐らく揉めます。
なぜなら、契約を取りたい営業部は実働部隊に無理を言います。
実働部隊はあまり無茶苦茶な意見は飲めないので、事務部に対して意見を言います。
事務部は実働部隊から文句を言われると客との間で板挟みになるので営業部を抑えようとします。
この様に相互に牽制し合う状況ができ上がると、意見はまとまりません。
で経営陣が彼ら3部署の代表者を呼んで交渉すると、あら不思議、経営陣にとってあまりマイナスにならない結果が出ます。
だって、実働部隊には36協定範囲内の無理を、営業部には少し抑えめに動く事を、事務部には両者が無理をしない様に監視をお願いすれば経営陣は楽ができます。
また、労働者と経営者の間に労組がある時と無い時では、恐らく経営陣のストレスも変わってくるでしょう。
まず、無い時ですが労働者は自分たちの待遇改善を訴えて行こうとすると、直接経営陣に言わなければなりません。
それも個別にです。
となると、50人労働者が居る会社では50回は最低交渉を行うことになりかねません。
ですが、労組があると、50人の労働者が居ようと、居まいと代表者と話すだけでいけます。
特に代表者が先の様に違う部署の人間を選出すると、お互い牽制して恐らく無理は言えないでしょう。
そして、不満の矛先は経営者よりも労組に向きます。
こうする事で、経営陣はストレスを少なく労働者の不満をコントロールできるのです。
で、ストライキに戻りますが、現状では恐らくできないでしょう。
中小企業はストライキを起こされればその時点で死滅します。
それはどんな業種でも同じでしょう。
そして、労働者も潰れる事を願っては居ません。
潰れてしまっては、自分たちの食い扶持が無くなるのです。
そんな事になっては意味が無いでしょう。
となると、ストライキはやらないのではなく「できない」になるのです。
さぁ、これでも中小企業の経営者の方は労組が要らないと言うのでしょうか?
もちろんこれは全て私の経験測と推測によるものですので、正解とは言えません。
ですが、一概に間違いとも言えないのではないかと思っております。
戯言に最後までお付き合いいただきありがとうございます。