第十話「怪盗さん、南の窓からお入りください」
ラファエル・シャペロン
レイヴンの南ヨーロッパ地区長。放浪癖があるうえに方向音痴。しかも解析班出身とは思えないほどのイケメン。本当は転職したいのだが周りに止められて渋々今の役職に。そのために悠也に何かあったら琥珀の次に喜ぶ。
特殊能力は『分子崩壊』。設定した範囲に入ったものは全て分子レベルにまで崩壊する。彼の計算しだいなら範囲はどこまでも広げられるため、研究部一の防護壁ともいわれる(しかし分子を振動させて攻撃する佐藤さんの前では無意味)。
「当日来たー―っっ」
さぁさぁみんなお待ちかねの予告日だぁっ!!今回でられない人たちが、ボスをぼこすかしてくれるということで……。殺るぞっ、おーっっ。その前に……
「あーあーマイテスマイテス。みんな聞こえてるー?」
何でマイテスマイテス言わなければならないのだろうか?世界の七不思議だ。
それにしても寒い。夏とはいえども夜は冷えるなぁ。屋根に立っている私がいけないのか?それはないか。主人公の立ち位置に文句言うやつは容赦しないよっ。
「聞こえているよねー。うん、おkみんな聞こえているね。じゃあ今から、ルール説明するね」
無線機を耳につけて、と。これで両手が空いたー。手帳はどこかなー (がさごそ)。あるぇ?見つからない。思い出すんだ、自分。書き終わった後どこに置いた。
「……部屋に置き忘れた」
ヤバッどうしよう。何も書いていないけど、格好がつかないじゃないか!!でも主人公は何をやっても大丈夫か。責任は全て作者に押しつけよう。
「えぇとルールはねぇ。とりあえずぼこすかするだけだよっ。もし殺ったら罰金1000万」
「「「(怖ぁ~~っっ)」」」
殺っちゃったらみんなできないじゃん。みんな平等に、相手によっては本気で殺ってもらう。
「あるぇ?何人か見えないねぇ。アズババァ、タグちゃんはどこにやったぁ」
『ババァとはなんですの。あの子は急に仕事はいっていませんわ』
「うわぁーババァがかわいい子を監禁しましたよー」
『…………(ブチッ)』
あ、切られた。ちょーっとからかっただけなのにー。だってまだ時間まで二十分もあるんだよ。暇じゃん?よし次ーは(無線遊び)
「ハローこちら羅﨑。ボスぼこすか班の様子はどうですか?」
『こっちは大丈……夫あるのか?すごいことなってるある』
「うん。それは大丈夫に入るから。もうちょっと拷問じみたことやっていいって柚乃葉さんに言っといて」
バックで悲鳴が聞こえたけど気にしない。生き残れよ。
さて気分を変えて次!!
「ふわぁ。話すのが疲れてきたなぁ」
でも最後のお楽しみとして取っておいた組があるんだ。ぽちっとな
「あーあー。犬猫コンビ聞こえてるー?」
『…………』
「おーい?」
『…………』
駄目だ。寝てやがる。二人が心配。琥珀低血圧だからちゃんと起きれるかな?
時計を見ると予告時間に迫っていた。
その頃―――
「「…………(すうすう)」」
絶賛爆睡中だった。
「すげー状況によらず寝てる人、初めてみた。良く殺し屋なんてやってられるな」
そういいながらマジックペンを構えているのは、騒動の主犯者―――怪盗ブラッドである。ピエロの仮面をつけていて表情が分からないが、どうやら困惑しているようだ。
「暇つぶしに落書きしてやろうと思ったけど、似合いそうで困るな。××××(ピー)な気分にさせてやるはずなのに俺がなっちゃったし。どうしてくるわけ?そんなオニーサン達はさっさと××××になっちまえ××××共がよぉ」
時間が押し出しているのにもかかわらずぶつぶつ文句言う怪盗ブラッド。ふと時計を見ると予告時間を過ぎようとしていた。
「うわっ、やっベ。ちょーやばい××××級にやばい。うわー書きたいけどネタ思いつかん。××××的なやつ書きたいけど時間がたんねーよ、どうしよう」
怪盗としてのプライドもあるが、遊び心も捨てられない。タイムリミットもあとわずか…。
「そーだっ。あれ使おうっ」
マジックを捨ててどこからか取り出したのはネコミミー。いろいろ疑問点があるかもしれないが気にしないでおこう。
「白髪のニーサンには猫より犬の方がいいかなー」
そう言って取りだしたのはイヌミミー。猫は分かるがなぜ犬を持っているのかは聞かないでおこう。とりあえず準備完了。急いで装着させると怪盗ブラッドは獲物の場所へ行ってしまった。
「もう時間だ」
ひたすらテ○リスしていたら、あっという間に予告時間。えぇーテトリスあと少しでクリアするのに。もうちょっと続けておこう (ピコピコ)。いつもと違って出番奪われたことに腹立ててないことに皆さん疑問ですか?そりゃ私だって毎回そんなことで怒るわけないじゃん。犯人は誰なのか分かっているから。良かったぁー準備しといて。
「みんなまとめて罠にかかってしまえー♪」
「そう簡単にかかってやるかバカ野郎♪」
「「あはははははっっ」」
「…………ッッ!?」
隣にいたのは今回のターゲット、怪盗ブラッドだった。え、えぇ!?なんでお隣にいるわけ!?あとどさくさにまぎれて人のゲーム機とるのやめてよ!!
「獲物ついでにテト○スゲット (タッ)」
「ちょっ!!待ちなさいっ」
人質(ゲーム機)を奪われたままで、絵を警備している建物へGOされてしまった。でも建物周辺には琥珀たちがいるんだからね!!殺し屋の恐ろしさにひれ伏するがいい!!(悪役笑顔)
「「…………」」
「まだ寝てんのかお前らぁーー!!」
しかもなんか装着されとるしっ。カメラっカメラはどこ!?
「あれー?さっき通ったとこじゃん。今日の自分、××××な気分なんだけど」
「何だとっ!?じゃあさっき出番を奪ったのは君だったのか!?」
てっきり悠也君だと思ってた。
「???はぁ、なにそれ。意味分かんねぇ。おばさん頭ん中××××でできてんの?」
指でもくわえて見ときなよ××××野郎、といいながら建物の中へ向かっていく。
「…………バカめ」
どこでここにあることを知ったのかはどうでもいい。もちろんテト○スも××××もどうでもいい。今はお前が地に墜ちることを願うのみ。
『南の窓からお入りください』
「ん?なんだこれ」
悩めなやめ、悩み苦しむが良い。とことん悩んで地に墜ちてしまえ。
「(ふむ、どうしようか。罠があるのは分かった。なので―――)」
「壁突き破って行こう」
そう言って手首を少し振ったその瞬間―――
「こ、壊れた!?」
コンクリで作られているはずの壁が音を立てて崩れてしまった。一体何が起こったの!?防弾機能ばっちりに作ってあったのに。こいつ只者じゃない。でも―――
「何の罠があったのは知んないけど、残念だったね。××××おb――のわっ!?」
中に入った瞬間消えてしまった彼。フフフ……ざまぁ見ろ。これが私がこのまえこっそり作った罠『建物丸ごと落とし穴君』だ。床なんてものはないから着地する事不可能(ちなみには宙づり状態)。あとはじっくり料理するだけ…。まぁ地面までそこそこの高さあるから痛苦しいな感じになっているかもしれない。大丈夫、簡単には死なない程度の高さだし。うまくいけば打撲程度で済むよ♪打撲程度で許してやらないけどな♪
「こっちの勝ちは決まったことだし (スッ)」
携帯で写真撮影でもするか。
「ってぇなぁ~。あのクソババァ、いかれているのにも程があるし」
予想外の落とし穴に奈落の底へ行ったと思われた彼だが、ほとんど無傷の状態でいた。
「自分じゃなかったら絶対死んでいた――と言いたいとこだが、もう一人生還者いるし」
「あはは。奇跡というかまぐれというかぁ」
そう言って彼のあとをついっているのは、影が薄いことで有名な神道あやめだった。無傷な彼と比べ、彼女の方はところどころ焦げ跡が付いている。
「てかなんでこんなとこに倒れてたわけ?マジ××××級にありえないんだけど」
「絵は無事か確認しようと思ったら……どぼん?」
本当は気を失うことなく着地で来たのだが、上から人が降ってきてびっくり。驚きと追加ダメージで意識を失ってしまったわけだが。
「どぼんて……ばかかお前」
ためいきを思わずついてしまう。今になってあの人の気持ちが分かった気がする。今度から迷惑かけないないように生きようかな~、と思いながら出口を求めて歩く。
「「…………」」
話すこともなくひたすら歩き続ける。
「「(ど、どうしよう。話すことない)」」
二人きりで暗い道を歩くことなんて普通に初めてなので緊張する。緊張しすぎたせいか二人の立場を忘れてしまっている。
『あーマイテスマイテス。みんな聞こえてる?』
そんな静寂を破ったのは、あやめが持っていた無線機から聞こえる亜希の声だった。
「「…………っ!?」」
『怪盗ブラッドを発見したよー。そんなわけでいきなりですけどルール変更になりました』
驚く二人にお構いなしに話をつづける亜希。こちらから話せるようにはしていないが、無線機からにじみ出る殺気に声が出せずにいた。
『当初の予定を変更して―――』
『―――怪盗ブラッドを本気で殺れ』
みんな楽しい前夜祭はまだ始まったばっかりだったのだ。
やっと二桁に入りましたよーーっ(いやっほい)。本編じゃなんかやばいけどあとがきはテンションあげあげですっ。
いきなりですが、最近亜希が怖いです。
これからどんどん出番がなくなって行くような感じになるんですけどどうしたらいいでしょう?あまりの恐怖心で「羅」すら書けないと異常事態が起きました。
ホントどうしたらいいんでしょうかねぇ?亜希の復讐劇が怖いです。