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第17話 素敵な井戸の中。(最終話)

「義父上…」


いや、お前に父上と呼ばれる日が来るとはな…。そう呼ばれるたびに、レイモンは娘婿のディーをまじまじと見てしまう。


俺が18歳でブリアのアカデミアに入ったときに、12歳で入学して来た同級生。いわゆる、神童、と呼ばれていたディーデリヒ。現国王になった当時の王太子とは15歳も年が離れていた。


そのディーがおろおろと歩き回っている。アンの産室から出てきた俺の妻もあきれていた。初産は時間がかかるものらしい。


「ど、どうしよう?女の子だったら…ねえ、レイモン…」

「ああ?いいじゃないか。うちの国は女の子でも王位継承権があるのは知っているだろう?」

「いや、そうだけど…娘が…僕と同じ年位の旦那さんを選んだら?僕は耐えられるだろうか?」

「……」


…いや、そこ?何イッテルノオマエ?



***


ベル国はここ数年で随分と変わった。

特に何を壊して何か作った、とか、そう言うことではなく、あるものを上手に使って動き出した感じかな。


今までは漁港でしかなかった港を整備して、外洋船が入れるようにした。

海につながる運河を利用して、荷物は船で運ぶ。


フールとブリアの荷物のほとんどはこの国を通過していくので、今までは通行関税ぐらいだったのを、一部加工し手を加えた形で流通させるものも増えてきた。

例えば…スペーナ国から宝石の裸石を輸入して、自国で加工して、加工した石をブリアとフールに卸している。そんな風に、この国の手先の器用さを良い感じで利用できている。

もちろんベル国のレースは大陸内でも高い評価を得ている。何百年も続くように丁寧に作っているので、流通量は多くはないが。

名物のチョコレートもそうだ。多分この後100年たっても変わらない味だろう。


古い建物は補修しながら大事に残している。南部の渓谷や森林も、王家管理下に置いて大事に残している。娘のお気に入りの高台から見える景色は、多分昔とさほど変わっていない。ブリアやイングはここ数年で工業化を加速させているので、古き良き時代の風景を求めて、観光客も多くなってきた。


新しいものは、ディーが作った大学。建物は古い教会を補修して使っている。うちの婿が顔の広さを利用して、大陸中から埋もれている若い研究者を集めてきた。学閥や既成概念にとらわれない新しい大学らしい。それこそ大陸中から若い学生が集まってきている。



…そうして、うちのカエルの姫様は、クジラと幸せに暮らしている。







三寒四温、とはこんな感じなんだろうという気候ですね。コートを脱いだり、着てみたり。

皆様、体調はいかがでしょうか?



さて、私事ですが、【白い結婚?白いどころか、真っ白です!!】がミーティアノベルス様より、

【貧乏領の天然令嬢は白い結婚に納得していたのに、不貞を働いてしまいました】

のタイトルで3月5日に発売の運びとなりました!皆様のおかげです、いつもありがとうございます!


なろう様掲載時よりも読みやすい文体になっていると思います。


真っすぐ前しか向いていないクリスティーナとやや途方に暮れるウィルマーの素敵なイラストは、日比谷様が描いてくださいました!


電子書籍限定書下ろしといたしまして、ウィルマーの父と母の恋物語が収録されています。お義母様は公爵令嬢だったのになぜボタン付けまでできるのか?などが明かされます。お楽しみください!!


今後とも、よろしくお願いいたします。


いつも感想・誤字脱字修正ありがとうございます!



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