No.1 オタク同好会創部宣言!!
「ねえねえ、この間のドラマ見た?」
「あー、あの恋愛物ね。見たよ。」
「おい、ここ最近異世界系のアニメハマってて」
「ああ、今再放送してるやつだろ?俺もう3周くらい見てるよ。」
「あのさ、ここの譜面ってどういう運指でやってる?」
「そこね。自分はこうやってるよ。」
教室中に響き渡る会話。自分には何も縁もゆかりもないものばかり。一語一句分かりもしない。なに異世界系って。なに譜面とか運指って。ピアノとかでもやるのかな。
「そういえば、二条さん。今度のテスト範囲ってどの辺出そう?」
「えっとね、この辺かな?」
私、二条優夢は市立第一高校に通う高校2年生。自分で言うのもあれだけど、成績は学年トップ、運動神経抜群な高校生である。しかし、唯一欠けているところがある。それは何かというと、(趣味というものを持っていない!)というか、あまり興味がない。じゃあ、普段何をしてるかっていうと勉強くらいしか思い浮かばないんだよね。こんな感じに私は学業一筋に生活してるってわけです。
ある日の全校集会。何やら新部活を設立することになったらしい。前に男子生徒が出てきて説明を始めた。
「みなさんこんにちは!この度、オタク同好会を設立することになりました!」
私に縁のなさそうな部活の説明が始まった。例え、興味のある部活でも入る気はないけどね。
数日後…
「なんで、私こんなところにいるのだろう…」
そうなのだ。オタク同好会の活動部屋にいるのである。
「あ、二条さん。副部長にさせてもらうから、よろしくね。」
「え…?」
彼の名前は大崎龍之。私と同じ高校2年生であり、オタク同好会の部長。
「え、いやちょっと待って。そんな急に言われても…。ていうか、まだ私入部するなんて一言も言ってないんだけど。」
「え、そうなの?確か前の集会の時、私入りたい!みたいな鋭い視線感じたんだけど。」
「そんな視線送ってないです。」
こんな彼なんだけど、成績は私に次いで2番目に良い。だから何も言うことがない。
「ま、まあ、事情は分かりました。どのみち部活は何も入ってないから。少し考えさせてほしいな。」
まあ、入る気など一切なかったんだけどね。
その帰り、いつもと変わらない帰り道を歩いていると後ろから大崎が来た。
「二条さん。お疲れ様!ちょうどこれから同好会の活動をするんだけど、見学してく?」
「あれ、他に部員なんかいた?」
「自分1人だけど?」
1人で活動って何をするのかさっぱりわからない。まあ気になってるし…
「見学だけだったら。」
「おっけー!じゃあ活動に行きますか!」
随分と張り切ってる大崎。私はそのテンションにはついていけない。
「で、活動って何をするの?」
「それはね、(音ゲーの練習)だよ!」
それって活動なの?個人的にはただ単にゲームセンターに遊びに行ってるようにしか見えないんだけど…
「今、遊びに行ってるようにしか見えないって思ったよね?」
やば、心の中読まれてた!
「実はね、音楽ゲームはゲームなんだけど、成績みたいなものが存在するんだ。」
「ゲームに成績?」
「成績って呼び方ではないんだけど、ランクと言って実力でどんどん上げていくものなんだ。学校のテストと同じでしょ?」
確かに、私は成績という言葉に敏感だ。少し気になる。
「ちょうど、今からランクバトルやるから、ぜひ見てよ。きっと面白そうって感じると思うよ。」
そして、私たちはゲームセンターの目当ての音楽ゲームのところまで行く。そして大崎は手袋とイヤホンを取り出した。
「それって何のためにするの?」
「ああ、まず手袋はね滑りやすかなるから結構音楽ゲーム全体で使われてるんだ。そしてイヤホンは音を聞こえやすくするためのもの。」
それなりの理由があって使っているんだ。よくゲームセンターとかでこういうものを使う人たち見てきたから理由がわかってスッキリした。
そして、大崎がプレイを進めていく。
「わ、みんな強そう…」
「自分でいうのもあれだけど自己ランク結構高いからね。」
そして、プレイを始めていく。楽しそう。みんな上手いし、負けたくないという気持ちが画面越しに伝わってくる。
「て、感じだったんだけど、どうだった?」
「すごく楽しそう。みんな。わ、私もやってみたい。」
「お、本当に!?じゃあ、色々と教えていくよ!」
すごくテンションが上がった大崎に、色々と学んだ。こういうものとは縁がないと思ってたけど、いざ目の前で見てみると楽しそう。そしてやってみたらめっちゃ楽しい。こんな楽しいの久しぶりかもしれない。
「あ、あの部長?」
「どうした?二条さん。」
この言葉をまさか言うことになるなんて思ってなかったけど、、
「私をここに入部させてください!」
2話へ続く
皆さん、こんにちは!旭野ヒカリと申します!この名前で活動するのが、すごく久しぶりになります。それと最後の作品を書いて1年以上経ってるかと思います。新たなチャレンジをしたいと思い、この「OTAKU START!!」の執筆に至りました。この作品の主人公二条優夢は実は自分と同じような成り立ちをしています。自分が学生の時は残念ながらオタク同好会というものはなかったのでその辺は架空で作りましたが、音楽ゲームというところは結構当てはまってたりしてます。1話目はめちゃくちゃ短く執筆しており、結構物語のスピードが早く感じたかもしれません。2話目からは本格的に執筆できたら良いなと思います。
最後にはなりますが今後はこの作品のみ執筆していく予定です。2話目、そして旭野ヒカリをどうぞよろしくお願いします!!