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勇者に困っている魔王の話

掲載日:2025/03/16

ドーン!!

「魔王今日も来たぞ!!」

あ〜また勇者が来やがった

まあいつものくだりやっとくか

「わーはっはっは勇者よ、はるばるこの魔界の王である魔王ありゅてな……アルテナの城までたどり着いた!! がしかし貴様の命運ここで尽きたり!!」

「魔王今噛んだな、そして本当にかわいいな!!」

「我はかっ噛んでなどいない!!」

「いや絶対噛んだぞ!!」

「噛んでない」

「噛んだ」

「噛んでない!!」

我と勇者はその後十分間このやり取りを繰り返した。

この女毎回毎回我をおちょくってないか!?

「はあ、はあ……そもそも貴様一体何年我に付き纏う気なんじゃほんと!?」

「何年と言われても……一万年を超えたあたりからあまり数えてないからな!!」

この勇者……我に相当な恨みでもあるのか何万年も魔王城(我が家)に押しかけてきて迷惑している。

今までの勇者は一番長くて二千年ぐらいだった。

こいつは異常だ

「貴様我にそんなに感情があるのか!?」

あれ? 今何か一つ付け忘れたような

「魔王に感情か? あるぞものすごく!! そのおかげで私(勇者)の固有能力"夢想転生(むそうてんせい)"が発動してそのままの姿で転生を繰り返せているんだ!!」

「まさかそれって……パーティーメンバーも」

「そうだ道連れ……パーティーメンバーとは来世も一緒と約束してるから偶然だ!!」

「今貴様道連れって言っただろ!!」

「言ってない!!」

我どれだけこいつに恨まれてるんだ

我ただ仕事してるだけなのに毎度毎度人間の王は勇者を送り込んできやがって……その度その度……労災の処理に死んだ部下の蘇生に役職者、一般兵へのボーナス・休暇付与諸々の処理が大変なんだよ〜!!

本当たまにでいいから我を休ませてくれ〜!!

我が百面相しているとふと疑問に思った

「なあ勇者が死んで転生する時パーティーメンバーも道連れって言ったって死んだのは貴様だけなのにどうやって貴様以外は転生するんだ?」

すると勇者が

「私が死んだ時パーティーメンバーも私と同じタイミングで死ぬから安心してくれ!!」

あん……しん何が?

「あっあ〜パーティーメンバーに痛みとかはないやつかそれならあんし……」

「うん? パーティーメンバーも痛みあるぞしかも私の二倍」

「よくそれであいつらあんな何万年もまともそうに振る舞ってたな!?」

我は驚きを隠せなかった

勇者は表情を変えず

「あいつら別にまともじゃないぞ」と言い放ち我は思わず「貴様仲間にまともじゃないってよく言えるな!?」と叫んでしまった。

すると勇者はパーティーメンバーがまともじゃない理由を語り始めた。

「痛めつけるのも痛めつけられるのも好きなシスターのジェシカ、道連れで死にすぎて目覚め始めている戦士のクロウ、道連れで死にすぎて痛みに耐えきれず狂戦士の人格が生まれたアーチャーのメアリー……まともじゃないでしょ?」

「うんうんそうだね、まともじゃないね……貴様がな!! 全て貴様のせいじゃないか!! そりゃあ何十万回以上苦痛で死んでたら狂ったりもするわ!! 我だったら『もう殺してくれ!!』って自殺するか精神と記憶を破壊してもらってただの人形みたいな状態になってでも解放してもらうぞ!!」

すると勇者が

「ねえ魔王今までの勇者ってどうなったと思う?」と話をすり替えてきた。

と思い我は声を荒くし「話をすり替えるな!! やはり貴様の方がまともじゃない!!」と叫んでしまった。

その瞬間我はハッとなり「すまん勇者我は……我は貴様を侮辱する言葉を……申し訳ない!!」と謝った。

すると顔を赤らめた勇者が

「魔王のそういうところが私は好きだ!!」と城中に響く声で叫んだ

キィィィィン

「みっ耳が逝った、今絶対耳逝った!! それに頭が割れるほど痛い!!」

ていうか勇者なんて叫んだんだ?

声の大きさが衝撃的すぎて内容が頭に入らなかった。

「勇者さっきなんて言った?」

勇者は口をパクパクさせて何か言っている

「なんて?」

あ〜こりゃあ確実に耳逝った

回復させないと"リカバリー"

ヒュラララン

「魔王様何事ですか!!」

「あっ魔王の右腕さん」

「また来たのか勇者……じゃっ頑張れよ」

「ありがとう」

「なあ勇者がさっきなんて言ったのかって我は聞いたんだけど?」

「ああそのことか誰か走ってきてるよって教えただけだ」

「なんだそれだけか。それで貴様今日はなんの用で来たんだ? 昨日は『魔王に会いたいからだ!!』とか言ってたよな……嘘つくならもう少しマシなものにしろよ勇者。本当我を殺しに来たんだろ"勇者"というものはいつも我を殺すためにだけに王国から無限に来るから、ほんと鬱陶しい」

我がムカムカしていると勇者は提案してきた

「だったらいつも通り殺し合おうか!!」と

なので我は頷き始まって秒で勇者を殺した。

勇者の死体はいつも通り教会へ転送された。

「魔王様……そろそろ勇者の気持ちに気づいてください」

「気づいているぞ!! 我を恨んでいるんだろ」

「魔王がこういうのに疎いの忘れてました。(毎回魔王様はご自身への好意を恨みだと思われて……いやなんで!? 普通気づくだろ!! そうだった魔王様初恋もまだだし人間たちから恨まれてばかりで幼い頃先代魔王様に『どうして人間は我たちを恨むの? 我はただ仲良くなりたいだけなのに。もう殺したくたいよ』って言ってたな……懐かしい)魔王様この後お忍びで人間界に行ってみませんか?」

「人間界に……行きたいけど……でも我人間に恨まれてるし……」

本当は我だって人間と殺し合いたくない

停戦協定は結んでいるが、我は早く終戦して人間界と魔界の人たちが仲良くしてる光景が見たい

「魔王様変装して向かえばいいんですよ。魔王変装さえすれば人間たちから見ればただの美少女ですから」

「グッじゃない……でもまあそういうことなら」

そして我と我の右腕であるロザリーは人間界に向かった

十六分支度を整えて転移陣で転移した。

シュゥゥン

「覚えてますかここの商店街でイレイス様(先代)にアルテナ様がお菓子を買ってもらうため駄々をこねたこと……ふふっあの頃から変わらずアルテナ様はかわいいですよ」

「ロザリー何十万年前の話をしている!! 我だってこれだけ時間が経てば成長ぐらいするぞ!! だがあの頃はあの頃で楽しかった……それに親には甘えられるうちに甘えておこうと思ってな、我だって気づく母上が毎日あれだけ血だらけで帰ってきたら長くないことぐらい幼い我でも予想ぐらいできる」

「そうですね、イレイス様は戦闘に向いておられる方ではありませんでしたから。すみませんアルテナ様私たちがもっと護れていれば……」

「ロザリーたちのせいじゃない……とせっかくの人間界なんだ楽しまきゃ損だろロザリー!!」

我はロザリーを楽しませるために色んなお店に向かったそして気づいた

「なあロザリー我がお金持ってないせいで結局ロザリーに出してもらって……我って主としてダメダメだな」

「そんなことありませんよ!! 私(部下)が辛そうだから楽しませようとしてくれるだけで私としては嬉しいです。それに私はアルテナ様だから仕えているんですから!!」

我が感極まって泣いていると遠くの方から『アルテナぁぁぁぁぁ』と聞き覚えのある耳が逝かれるような声が聞こえてきた。

そして我が声の方を振り向くと

「あっははやっぱり貴様か勇者ぁぁぁ」と心の中で思った

「アルテナ様声に出てます」

「どうして分かったんだロザリー?」

「アルテナ様は顔にも声にも出やすいですから分かりやすいんです」

「今後のために治すよ。とそれはそうとして勇者、貴様どうして今我の名前をそんな大声で呼んだ、絶対貴様の近くにいたやつ耳逝かれたぞ!! 治してくるから貴様はすぐ謝ってこい分かったな!!」

「分かった」

「さっき勇者が我のことを名前で呼んだ普段は魔王と呼ぶくせに我たちの格好が違うのを見てお忍びだと思って変えてくれたのか?

もしそうなら……いやそうだとしてもそうじゃなくとも本当いつもいつも我の心をかき乱すやつじゃ貴様は……クソックソッ最近貴様が来ることを楽しみにしている我がいるのはなぜだ」我は治している時の考えごとが全て声に出ていることに気づいたが時すでに遅し勇者に聞かれていた。

そして勇者が叫びそうになったことに気づいた我はやつの口を塞ぐための方法を考え二つ思い浮かんだ

一つ目が手でやつの口を塞ぐ方法

二つ目がくちづけでやつの口を塞ぐ方法

我は恥ずかしいが二つ目を選んだ。

理由は簡単我は単純な力では、やつに負けるからだ不甲斐ないがな。

身体強化魔法を使えば勇者に力で勝てるが、最小限で使っても近所の山が吹き飛ぶ威力になるからこんな街中で使ったら街を破壊してしまう

なので我は二つ目のくちづけを選んだ

「んぐっ」

「アルテナ様!?!?」

「プハッ」

ネチョ

「あっアルテナいっいきなりどうしたんだぁぁ!!」

「きっ貴様がまた叫びそうになったからどうにかして口を塞がねばと思って思いついたのがアレだったんだよ身体強化魔法で塞ごうと思ったが街を壊してしまうのだから仕方ないだろうが、バカ!!」

するとロザリーが勇者を見て満面の笑みでグッと親指を立てていた。

周囲の人々は我と勇者の方を見て赤らめている者や手で顔を隠しながらも指の隙間からのぞいている者様々だ。

だがこれなら我が魔王だとは思われずに済む……とは思う

しかしこいつにわっ我の初めてのくちづけを……やっぱりやめておけばよかったかも。

「アルテナキスしたんだしもう私と結婚するということでいいよね、よし教会行こう」

「待て勇者教会には貴様の仲間が……待て待て待て待て……あばばばばばば」

ダダダピューン

我は勇者に無理矢理手を引かれ教会まで連れて行かれた

「アルテナ様楽しんでくださいね〜私は先に帰ってますよ〜!! ってこの距離だったらさすがに聞こえてませんよね、あはは」

教会にて

「ユウカのやつまた死にやがって……最高の痛みじゃねえかよ本当」

バーン

「おっユウカさっきぶりだ……な!? (なんで魔王連れてきてんだよこいつは!! ここ私の職場の教会だぞ、魔王と繋がりがあるなんて思われでもしたらクビになっちまうだろうがよ!! ここは冷静、そう冷静に対応するんだジェシカ私なら出来る)ユ・ウ・カさ〜んこの方はだ〜れ〜か〜な〜? 答えてもらえるかな?(範囲音響遮断魔法を私たちの周りに使おう……そうすりゃ、じ〜くり聞いても問題ないからなぁ)」

この勇者の仲間のシスター……ジェシカだったか? こいつ絶対我に気づいたな。

「アルテナ、私の嫁」

「は? はぁ〜〜!! 何言ってんの勇者!? ちっ違うからな勇者の仲間のシスター」

「私の名前は勇者の仲間のシスターじゃなくて『ジェシカ』だ。というかそんなことよりなんだなんだお前らいつのまにそんな仲になったんだよしかし幸せそうで良かった良かった……って良くねえよ!! お前たちの幸せは私に迷惑だとっとと別れろ!!」

ズキン

なんで別れろと言われて心が痛くなるんだ? 我と勇者別に付き合ったわけでもないのに。

あぁそうか鬱陶しいやつがいなくなって静かになるから寂しくなったのか

まさか我にもこんな気持ちがあったのか、ここまで鬱陶しいやつは勇者だけだったから気づかなかったのか。

「何を言うジェシカ私とアルテナは誓いのキスまでしたんだからなさっき!!」

「してない!!」

「したぞ!!」

「して〜な〜い〜!!」

「うるっさい!! そんなことどうでもいいのよお前たちが結婚するとかそんなもんこの国から出てって魔界とかやっとけ……まあ出来るもんならなぁ、あ〜はっはっは!!」

待ってくれ勇者にこんなこと言ったら……

「分かった魔界で、やってくる」

ほらやっぱり〜〜〜!!

「勇者式空間断絶!!」

ズバン!!

「行ってくる!!」

そして我は勇者に魔界に連れて行かれた。

ふっふっふここまでくれば

「勇者よ我と結婚したくば我を倒してからにしろ!! と言いたいところだが我が家(魔王城)の近所の山に住んでいる龍王を倒してからにしろ。一応あいつが今の我にとっての父親代わりだからな、人間の父親はよく言うんだろ『娘と結婚したくば俺を倒してからにしろ〜!!』ってそれを習って我の父親代わりを倒してみせろ(もし倒したとしてもあいつのことだ断り続けてくれることを……願うしかないよな。断ってくれよ本当)」

「分かった魔力を頼りに探してみる」

「さあ行った行った」

そして一時間三十四分後

「お〜いアルテナ〜龍王を倒してきたぞ〜!! 許可も貰ったブイブイ!!」

「そうかそうか勝ったのか勇者……勝ったのか!? しかも許可を貰ったって言ったか!?

聞き間違いだろうな……もう一回言ってみてくれ」

「龍王を倒した、許可も貰った!!」

「転移」

シュゥゥン

「アルテナ!?」

ドン!!

「おい龍王、本当に勇者に我との結婚を許可したと言うのは!!」

「うん、したぞ。勇者が勝ったら結婚を許可すると言ったらあいつ自らの限界を超えて自分より遥かに強い俺に向かってきてな、愛する者のために限界を超えて自分より強いやつに戦いを挑めるやつに会ったのは久しいかったからな思わず、わざと負けて許可をした」

「やっぱり……あいつが龍王に勝てるわけがないと思ったんだよ。わざと負けたんだよな龍王よ」

「ああそうだ」

「だったら結婚は無しだな!!」

「それはいいがアルテナは勇者といる時が一番楽しそうだから別にいいんじゃないかぁ〜、このこの」

「ふざけるのはよせ龍王よ」

「そろそろお義父と呼んでくれよ……アルテナにとって"父上"は特別でもう心の中にいるんだもんな、だから俺は……せめてお義父って呼んでく〜れ〜よ〜お〜ね〜が〜い〜」

「それは……もう少し待ってくれ……恥ずかしい」

「はぁ〜、本当照れてるアルテナは特段かわいいな」

「もう、うっさい……お、おと……あぁ〜もううるさいぞ龍王!!」

「おっしい!!」

「しかしこんな楽しそうなアルテナを見ればイレイスも喜ぶんじゃないか?」

『私は常にアルテナの幸せを願っているからねでもね泣きたい時は泣きなさい我慢しなくていいから全部自分一人で抱え込まないでそれで私の死なんて気にしないでいいから……ずっと一緒……だ……から』これが母上の最期の言葉……本当に振り絞ってくれたんだな母上

「母上我は我は……もっと、もっと……あっあぁぁああぁあ」

「よしよし俺の前で我慢すんな、泣いて泣いて叫べ、辛いなら口に出したっていいんだ。たとえお義父と呼ばれなくてもアルテナが俺の側に居てくれるだけでいい。アルテナはいつもよく頑張ってるなこんな時ぐらい休んでくれ…………」

我は龍王…………お義父の胸の中で号泣した後寝てしまった。

二時間後

「勇者ちゃんありがとね。アルテナがこんな生き生きしてるのは君の前だけだから、これからもアルテナをよろしくね」

「私こそありがとう龍王結婚を認めてくれて……本当は私負けてたのに」

「ありゃ気づいてたかぁ〜」

「……んっんん…………お義父? さっきはありがとね」

ズッキューン

「アルテナお義父嬉しいぞぉ〜〜こっちこそありがとな、このこの」

「…………はっ!? 我今なんて言った!? 取り消す取り消すから聞かなかったことにしてぇ〜!!」

「アルテナはかわいいだろ勇者」

「うんうんうんうんうんうんうん!!!」

「首を激しく縦に振るな勇者ぁ〜!!」

そして我は勇者に

「恥ずかしいから一度しか言わないからな勇者……けっ結婚してやってもいいぞ……貴様のためじゃない母上のためだからな、それだけは覚えとけよ!!」

「もう素直じゃないなぁアルテナは……なぁ勇者」

「アルテナのそういうところが好き、それだけじゃなくて全部好き……初めて会った時から。結婚受け入れてくれてありがとう」

そして我は勇者と……ユウカと式の準備を進めた。

しかし今回の式は一般のやつよりだいぶこじんまりしたやつにした。

知り合いを数人呼んで魔王城でやることに。

魔王と勇者の結婚だから本当は盛大に祝った方がいいんだろうが、まだ人間界と魔界は戦争中だから式の後に終戦協定を必ず結ぶ

それで今度こそ人間と魔族の笑顔が見られるようになったらいいな

そして我と勇者は結婚をし、人間界と魔界の戦争は終結した。

「母上我は今幸せだよ。それともうすぐ母上も見たがっていた光景が見られそうだよ。これからも見ていてくれ」


おしまい


見つけて読んでいただきありがとうございます!!

魔王と勇者の話が思い浮かんだので書きました

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