三角百合 トリナグーラリレート ~あたしと私とボクの明るい三角関係
「ひるんだっ。 決めるよ野々村、遙!」
「ええ!」
「う、うんっ!」
これで仕留める!
「武装選択、ブリードロック!」
遙の掛け声と共に足元から鎖が飛び出して絡みつき敵の動きを止める。
鎖のチェーン一つ一つがハート型をしているのはもう今更なのでスルーする。
「よし、グラーボエッジ!」
あたしの発言に合わせて、何もない所から剣が現れる。
音声認証って便利。
「リーリオ機関、高出力で安定!」
「いけるよ、理緒ちゃん」
一緒に乗っている2人に背中を押されて突撃。
鎖に絡めとられ身動きのとれない敵に切りかかる。
「必殺!」
切る、切る、切る、切る切る切る切る切る切る切る切る切る切る切る!
そしてその斬撃の軌跡は、魔法陣になる。
「これでトドメ!」
「「「リレートソヴァーガフィーノ!」」」
魔法陣の中心にグラーボエッジを突き刺し、背後に飛びのく。
「消去します」
リレートに搭載されているサポートAIのRENの言葉に共に魔法陣を刻まれた敵は塵になって消えていく。
あたし達の勝ちだ!
「どう野々村、今日もバッチリ決まったでしょ。 惚れてもいいんだよ?」
「何言ってるのよ、そんなの谷本さんのサポートがあってのことでしょ。 谷本さん、今日も完璧な支援だったわ」
「う、ううん。 それでも最後にカッコ良く決めたのはボクじゃなくて理緒ちゃんだから」
しばしコックピット内に沈黙が降りて。
「「「ぐぬぬ……」」」
あたしを含め3人から同じ声が漏れる。
このどこか噛み合わない3人でリレートに乗り、戦い始めたのは。
あの日。
あたしが野々村に告白してフられた日からだった。
「好きです、付き合ってください!」
クラスメイトでありあたしの片想いの相手でもある野々村瞳を屋上に連れ出し、一世一代の告白をする。
現代文の成績があまり良くないあたしが睡眠時間を削って考えてもオシャレなワードは思いつかなかったので、結局直球勝負をすることにした。
「椿さん……」
本校1の美少女と称されながら告白は全て断っていると噂の野々村瞳。
その真相は謎だけどあたしの勘が告げている、断っている理由は女の子が好きだからであると!
だったらあたしならイケるハズ!
「ごめんなさい」
しかし返ってくたのはそんな断りの言葉だった。
「そんな、野々村は女の子が好きじゃなかったの!?」
それはあたしの勝手な憶測だったんだけど、つい言葉に出てしまう。
「椿さんの言う通りよ、私も貴女と同じで恋愛対象は女性」
でも、と続けて。
「椿さん以外に、好きな女性がいるの」
「そ、そんな……」
告白の後そのままベッドインしてもOKなように一番お気に入りの下着を上下セットで身に着けてきたのに……。
身体からチカラが抜けて、座り込みそうになする
でもその直前に大きな音がして。
「理緒ちゃん、ダメー!」
「え、遙?」
ビックリした勢いに押されて体制を立て直し、声がした方を向く。
「小学生の頃から理緒ちゃんのこと好きだったボクが先だもん、だから盗らないで!」
「違うの谷本さん。 私が好きなのは谷本さんだもの、ちゃんと断ったわよ!」
なんて?
「えっ?」
「あれれ?」
どうやら2人とも、何かすれ違いがあることに気が付いたらしい。
「話を纏めると、野々村があたしの告白を断ったのは遙が好きだからで」
「谷本さんは、椿さんのことが幼い頃から好きで」
「理緒ちゃんが野々村さんのことを好きだったなんてぇ……」
何この三角関係!?
「谷本さんと椿さんは幼馴染なの? 小学生の頃からって言ってたけど」
「そうだよ、恋愛感情持たれてるのは今知ったけど」
「だって理緒ちゃんはボクが困ってるといつも助けてくれて、カッコイイんだもん」
うん、確かに色々助けた覚えはある。
でもまさか惚れられてるとは……。
「この展開、どうしたらいいと思う?」
「どうしたらって言われても、私は椿さんと付き合う気は無いわよ」
「ねえ理緒ちゃん、ボクを選んでよ」
ダメだ、3人全員譲る気が一切ない。
そして、どうしたもんかと頭を抱えていたら遙に袖を引かれた。
「どうしたの?」
「あれ、何かな?」
遙の指す上空を見上げる。
「ホントだ、なんか飛んでるっていうか落ちてる?」
「おかしいわね、今日探査機や役目を終えた衛星が帰還する予定なんてなかったと思うんだけど」
ももも、もしかして……。
「理緒ちゃん、あれもしかして隕石……じゃないよね?」
うん、あたしも今同じこと考えた。
「私の勘違いならいいんだけど、どんどんこっちに近づいて来てるような……」
うん、あたしにもそう見える。
「うわああああ。 告白してフられた直後に隕石が頭上に落ちて死ぬなんて嫌あああああ!」
「私だって谷本さんから色良い返事貰えてないのに、誰か助けて!」
「こんなことだったら理緒ちゃんにもっと早く打ち明けてれば良かった……」
何も実らないで死ぬならせめて、と2人をまとめて抱きしめる。
そうしたら同じことを考えたのか両名から抱きしめ返された。
ああ、制服越しでも女の子を抱きしめる感覚気持ちいい。
「ってあれ?」
しばらく時間が経っても何も起こらない。
もしかして何も感じずに死んでもうあの世?
目を開けてみる。
「あれって、隕石じゃないの?」
「空中で止まってるわね」
死なずに済んだのは良かったけど、わけがわからない。
しばらくソレをぼけーっと3人で眺めていたら、また出入口のドアが開く音がした。
「貴女達、ここにいたのね!」
「「「理事長先生!?」」」
あんなモノが降ってきたらそりゃあ校内の生徒を早く帰らせようとするだろうけど。
まさか理事長先生直々とは。
「ウチの理事長先生、若くて美人だよね」
「理緒ちゃん、理事長先生にも気があるの?」
「大丈夫よ谷本さん、私年上は好みじゃないから」」
しまった、余計なこと言っちゃった。
気を取り直そう。
「ごめんなさい、すぐ帰ります」
「違うのよ椿ちゃん、アレはお家に帰ってもどうしようもないから」
「「「え?」」」
見事にハモる。
理事長先生はアレがなんなのか知ってるの?
「3人共、ついてらっしゃい」
「ウチの学校に地下室があるなんて」
暗くてよくわからないけど、凄く広そう。
「今明かりつけるわね」
その言葉の直後。
「な、なにアレ?」
野々村が困惑するのも無理はない。
明かりがついたあたし達の視界に飛び込んできたのは、とんでもなく大きい人型ロボットだった。
「これがあの敵に対抗できる唯一の手段、リレートよ」
「リレート……」
「いやなんでこんなモノが学校の地下にあるのよ、おかしいでしょ」
「おかしくないわ、こんなこともあろうかとワタシが私財で建造したんだもの」
「ボク聞いたことあるよ、理事長先生がすっごいお金持ちだって噂」
大金持ちが私財で建造した巨大ロボット、兄貴が見てたアニメの中にそんなのあったような気がする。
ここまで来たならこの後どうなるか、というか何をさせられるかは大体予想がつく。
「あの、この状況でコレをあたし達に見せたのはただの自慢とかじゃなくて……」
「勿論、リレートに乗って戦ってもらうためよ!」
ああ、やっぱり。
「なんでそうなるんです、そんなの自衛隊に任せれば!」
野々村が至極まっとうなことを言うけどこういうのって基本的に、ねぇ。
「確かに、自衛隊でもアレを撃破できるかもしれないわ」
「だったら!」
「でも瞳ちゃん、貴女それでどれくらいの犠牲が出るか考えたの?」
「えっ」
「確かに自衛隊でもアレを倒せるかもしれない、でも『全員無事』で『周囲にいる人や建造物を一切巻き込まず』なんてことが可能だと思っているの?」
キツイ言いようだ、確かにそんな完全勝利は夢物語かもしれない。
でも。
「理事長先生がそこまで言うってことは、このリレートなら完全勝利が可能なんですか?」
「話が早くて助かるわ。 理緒ちゃんの言う通り、貴女達3人がリレートに乗って戦ってくれれば犠牲の出ない完全勝利も夢じゃないのよ!」
やっぱり。
含みのある言い方するからそうだと思った。
「でも、なんでボク達3人じゃなきゃいけないんですか?」
「それはね、生徒教職員その他ウチの学校関係者全員の中でリレートを動かせるのが貴女達だけだからよ」
「「「えっ?」」」
また見事にハモる。
でもそんなこと言われたら意味わからなくて誰でも同じ反応しちゃうでしょ。
「このリレートはね、女の子が恋愛対象な女の子が乗らないと一切動かないのよ」
「そんな滅茶苦茶な!?」
「ごめんね瞳ちゃん、冗談とかじゃくて本当に本当なの。 屋上で告白大会してくれてて助かっちゃった!」
なんか都合が良過ぎる気がするけど今は考えないようにしよう。
それよりも、大事なことがあるから。
「だったら、あたしは乗ります!」
一歩前へ出て宣言する。
理事長先生の言うことが全部本当なら、やるしかない。
「良かったわ、じゃあ頼んだわよ椿さん」
「待って帰らないで瞳ちゃん、さっきも言った通りリレートは3人で乗らないとダメなのよ!」
「そんな!?」
野々村の悲鳴に近い声色から察するに、嫌なんじゃなくて怖いんだな。
うんうん、そんなところも可愛い。
「ボ、ボクも乗る!」
「谷本さんまで!?」
「ボクだって理緒ちゃんに守られてばかりじゃ嫌だもん、一緒に並びたいよ!」
「遙……」
昔はあたしの後ろをついてばかりだったのに、立派になったなぁ。
じゃあ、あとは。
「野々村」
「野々村さん」
あたしと遙で、手を差し出す。
ついでにダメ押しもしておこう。
「ここで逃げたら、一生遙に好きになってもらえないよ」
「ああもうわかったわよ、私も一緒に乗るわ!」
手を握る。
「話はまとまったわね、出動よ!」
その言葉と共に地下室が光に包まれる。
目を開けると。
「ここは、リレートの中?」
兄貴が見ていたアニメでもあったような操縦席っぽい場所。
本物もこんな感じなんだ。
「ようこそ。 椿理緒、野々村瞳、谷本遙」
「な、なによ今の声!?」
「これから貴女方のサポートをします搭載AIの『REN』です、よろしくお願いします」
「あ、これはどうもご丁寧に」
AIに挨拶する遙とそれを見てニヤついてる野々村。
なんか面白くないな。
「ねえRENちゃん、リレートはどうやって動かすの?」
あ、そういえば。
操縦方法何もわからないわ。
「それでしたら、これで」
「「「わ!?」」」
本日3度目のハモり。
けど無理はない。
「すごい、全部わかる!」
なぜか一瞬でリレートの機能や操縦方法を全て把握できてしまった。
多分、野々村と遙も。
これならいける!
「じゃあ、ハッチ開くわよ」
足元にいる理事長先生の発言と共に、天井が開く。
よし、いこう!
「リレート、出撃」
飛び上がって外に出る。
そこは学校のグラウンドだった。
「プールじゃないんだ」
「何よそれ?」
「どうでもいいことだから、気にしないで」
気を取り直して理事長先生が敵だと言っていた浮遊体へまっすぐに向かう。
でも、言われなくたってアレは地球を侵略しに来た敵に見えるよね。
兄貴と一緒に見てたアニメでよくあったヤツっぽい。
周りには誰もいない、自衛隊もまだ到着していないらしい。
間に合った。
「目標を補足、フィールドを形成します」
次の瞬間、文字通り世界が変わった。
何も無いように見えて足は着くし、明かりがないのに相手がハッキリ見える。
不思議な空間。
「ここが、戦闘フィールド?」
「はい、この中ならば周囲の生き物や建造物の被害を気にせず戦えます」
「ありがとREN、じゃあ」
大きく息を吸い込む。
「「「リレート、バトルモードスタートアップ!」」」
「これ本当に言わなきゃダメなの?」
「仕方ないよ野々村さん、音声認証なんだから」
「谷本さんにそう言われたら、しょうがないわね」
あたしの説得じゃダメなの!?
「理緒ちゃん見て、アイツに動きが!」
遙に促されて視線を戻してみれば、元々丸っこかった浮遊物が変形を始めている。
あたしにはよくわからない動きをガチャガチャした後、最終的には人型になった。
「どうやら向こうも我々を敵と認識したようです、あれがヤツのバトルモードかと」
「うん」
人型に変形した直後からなんか嫌な感じがする、RENの言う通りなんだろう。
「それと生命反応はありません、おそらくは自律回路で動く機械でしょう」
「なら遠慮はいらないね!」
まずはこっちから仕掛ける、この距離でも使える武器は。
「遙!」
「う、うん。 武装選択、ホーミングクグーロ!」
リレートの周囲に光の弾が多数生成され敵に向かって飛んで行く。
ホーミングの名の通り相手を自動で追尾して飛んで行くから素人のあたし達でも気軽に使えて便利!
光の弾を次々と命中していく、っていうか最初から全然動いてない。
もしかしてこれ楽勝なんじゃ。
「ってあれ?」
全弾命中したハズなのに平然と立っている。
「もしかして、全然効いてない?」
「ちょっと、突っ込んできたわよ!」
野々村の言う通り、敵はまっすぐにこっちへ突っ込んでくる。
ええっと、この場合迎撃と回避、どっちを選べばいいの?
「うわぁ!?」
結局身体が引いてしまい、タックルから逃げるカタチになる。
情けない。
相手は武器らしい武器を使ってこないけど、多分パワー自慢なんだろう。
そしてこっちの遠くからの攻撃は威力不足。
なら有効打を与えるには相手の間合いに入るしかないのか。
「ねえREN、アレに接近戦を挑んで勝てると思う?」
「さっきのタックルの受け止めることを言っているのなら、このリレートのパワーなら可能です」
「いけるんだ」
なら、やるっきゃない!
敵がこっちを向く。
「椿さん、本当に大丈夫なの?」
「遠くからチマチマやってもダメージが入らないならこれしかないよ、多分」
「多分って……」
「あたしが何かの格闘技や剣道とかやってたら違ったのかもしれないけど、素人だから」
再びタックルが来る。
「それより任せたよ、リーリオ機関の出力調整は野々村の仕事なんだから」
「うう……」
「来るよ!」
タックルを正面から受け止める。
REN曰く、パワー負けはしないハズ。
今、ってあれ?
「「「きゃあああああああ!?」」」
強い衝撃が操縦室を揺らす
完全に押されてる。
マズイ、受け止めきれない。
リーリオ機関の出力が足りないんだ。
「野々村、どうしたの?」
「怖いの……」
「えっ?」
「怖くてチカラが入らないのよ、もうやだ帰りたい……」
「!?」
怯える野々村も可愛いけど今はそんなこと言ってる場合じゃない。
このままじゃ、負ける。
「ふーん、野々村さんって案外ヘタレだったんだね」
「遙、何言ってるの!?」
「そんな頼りがいのない顔だけの女の子なんてボクは好きにならないよーだ」
「ダメ遙、昔からそうやって毒を吐くクセがあるからケンカになってあたしが納めなきゃいけなくなるんでしょ!」
ほらリーリオ機関の出力がもっと下がって、ってあれ?
逆に上がってきてる?
「フ、フフ……」
「どうしたの野々村?」
「片想いしてる相手にココまでdisられて、黙ってなんかいられないわよ!」
凄い、タックルの勢いが落ちてきた。
これならいける!
「遙、この至近距離からドカンと大きいのいくよ!」
「うん。 武装選択、リレートブルストシュート!」
遙の言葉に呼応してリレート胸部の宝石の様な部分が輝き、光線を打ち出す。
密着してる至近距離で防御も回避も不可能なまま直撃し、吹っ飛ばすことに成功した。
「ナイス野々村、後でキスしてあげる!」
「嫌よ、私がキスしてほしいのは谷本さんだけだわ」
「ボクは理緒ちゃんとしかキスしたくないよ」
ちぇ、このノリならイケると思ったのに。
と。
さっきの興奮はどこえやら、野々村と遙が急に黙る。
「ねえ、谷本さんあれ……」
「起き上がってきた、ね……」
あたしも視線を戻してみれば、戦闘を続行しようとする敵の姿があった。
機械だから引き際なんて考えないで壊れるまで戦うつもりなんだろうか。
あちこちヒビが入ってもうボロボロなのに。
だったら、せめてあと一撃で。
「終わらせるよ、2人共!」
「ええ」
「うん」
必殺技だ!
「武装選択、ブリードロック!」
遙の掛け声と共に足元から鎖が飛び出して絡みつき敵の動きを止める。
んだけど、鎖のチェーン一つ一つがハート型をしているのは一体なぜ?
いや、今は気にしない。
「来て、グラーボエッジ!」
あたしの発言に合わせて、何もない所から剣が現れる。
「リーリオ機関、高出力で安定!」
「いけるよ、理緒ちゃん」
野々村と遙のGOサインと共に突撃。
鎖に絡めとられ身動きのとれない敵に切りかかる。
「必殺!」
切る、切る、切る、切る切る切る切る切る切る切る切る切る切る切る!
そしてその斬撃の軌跡は、魔法陣になる。
「これでトドメ!」
「「「リレートソヴァーガフィーノ!」」」
魔法陣の中心にグラーボエッジを突き刺し、背後に飛びのく」
「消去します」
RENの言葉に共に魔法陣を刻まれた敵は塵になって消えていく。
「やった?」
「はい、敵の存在は完全に消滅しました」
「「「…………」」」
「「「はあ~」」」
力が抜ける、野々村と遙も同様みたい。
理事長先生の言う通り、一切の被害を出さずに撃退することができたんだ。
「勝利の余韻に浸っているところ申し訳ないのですが」
「え、なに?」
「戦闘フィールドを解除したので早く戻りましょう、このままでは公権力に補足されてしまいます」
RENに急かされて素早く学校の地下に帰還する。
結局この日の1体だけでなく、仲間っぽいのが次から次へと現れ。
あたし達3人のリレートに乗って戦う日々が始まったのだった。
そして、今日も。
「くっ、コイツてごわい」
「マズイわよ、これ」
「うう、ボクどうしたらいいかわからないよう……」
「そんな皆さんに朗報です、マザー……ではなく理事長から合体の承認が降りました」
「やった」
今はあたしが1人で乗るリレート、それから野々村と遙がそれぞれ別に乗る理事長先生が新たに建造した新型2機のチカラをひとつにする。
「またアレを叫ばなきゃいけないの、私恥ずかしいんだけど」
「まあまあ瞳ちゃん、聴いてるのボクと理緒ちゃんだけだからさ」
「それでもよ」
ねえ、野々村と遙の仲進展してない?
あたしピンチ?
「理緒さんどうしたの、貴女が音頭をとるんでしょ」
「あ、うん」
あたしだって呼び方変わってるし、まだチャンスはあるある!
「じゃあ、いくよ!」
「「「トリナグーラリレート、三角百合合体!」」」
あたし達3人はこれからも戦い続ける。
地球の平和と、それぞれの恋愛成就のために。