表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

シンクロ

作者: 沖田 楽十

「好き、貴方あなたが好きよ…」

 ギュッと抱締だきしめられ、耳元でそうささやかれたら、抵抗ていこううしなってしまう。別嬪べっぴんさんな、見知みしらぬ女の子。僕は、思わず「僕も…」と答えた。

 女の子はうれしそうな反応をしめし、「じゃあ、一緒いっしょようね」と意味深いみふかげな言葉をのこし、其処そこで目がめた。日が僕をらし、今日も朝をげる。

「……なんだぁ夢かァ…」

 かたすくませ、何気無なにげな天井てんじょう視線しせんうつすと、さっきの女の子が居た。…え?いてる。しかも、かげが無いし、まさか…。女の子はゆっくりとまぶたけ、「おはよう」と挨拶あいさつしてきた。



 巴戸ともえど中学校にかよ浅倉あさくら楓斗ふうとは、特異体質とくいたいしつになってしまった。理由は、上記じょうきに出てきた女の子、蘭子らんこのせいである。

 蘭子はすでに亡くなっており、現在げんざいは幽霊である。の彼女が見えるようになってからというもの、楓斗は幽霊が見えるようになった。勿論もちろんれいから話掛はなしかけられる事もよくある。

 御蔭おかげで、楓斗の目にはくまがくっきりとかんでいた。授業にもついていけず、よく保健室でサボる日々(ひび)。そんな彼に、蘭子は「義務教育ぎむきょういくだからって、あまえちゃダメよ!」と注意したが、無視むしされた。蘭子はムッとした顔で楓斗を見る。

「…誰のせいで、寝不足ねぶそくだと思ってんだよ?」

「何それ!?私のせいだって言うの?だったら、あんな奴等やつら(蘭子以外(いがい)の霊)無視すればいじゃん!」

「……其れが出来たら苦労くろうしねぇーよ」

 蘭子にける様に寝返ねがえりをち、楓斗は窓越まどごしにうつそと風景ふうけいを見た。同学年の男子達が、下心したごころ丸出まるだしで女子じょしたちに一緒に遊ぼうとさそっている。なかに、楓斗がひそかに思いをせている天蔵あまくら彩愛あやめも居た。

「…彩愛ちゃん……っ」

 蘭子に聞えない様につぶやいたつもりだったが、彼女にはまるぎこえだったらしく、「サイッテー!」と罵声ばせいびせられた。楓斗は、今迄いままでたまっていたいかりが爆発ばくはつし、上体じょうたいおこすと蘭子のほう向直むきなおる。


「あのなぁ…、僕は、君よりもずっと前から、好きな子がるんだよっ!君みたいな幽霊なんかじゃない!ちゃんときた女の子だ!…もう、まとわないでくれっ!」

「な、何よ!貴方あなたが、私の告白をオッケーしてくれたんじゃない!!そんなの勝手かってぎるわッ!」

「だ・か・らぁ、れは誤解ごかいなんだよ!まさか、其れが現実げんじつになるなんて思いもしなかったし、其れに、ノリでオッケーする事だってあるだろ」

「じゃあなに?私の告白も、ノリでオッケーしたの?あんなに必死ひっしで言ったのに、すべてがノリ?」

「あぁそうだよ」楓斗がチラッと蘭子のほうを見ると、蘭子は今にも泣出なきだしそうな顔でうつむいていた。楓斗の中で罪悪感ざいあくかんむねいたんだが、ぐに其の感情をはらった。

「…わかったら、もう僕のまえあらわれるな。迷惑めいわくだ」突放つきはなように言ったあとはなすする音がきこえた。「御免ごめんね…」と言うこえが聞えてから、蘭子の気配けはいがしなくなった。

「蘭子…?」

 振返ふりかえったが、彼女はすでに居なかった。楓斗はこしげると、保健室を飛出とびだし、蘭子をさがす。だが、いく校舎こうしゃなかそとを捜しても見付みつからない。――と、すると、校内こうないからった事になる。自分から突放つきはなしたくせに、彼女が見えなくなると捜すおのれに、楓斗は何故なぜ可笑おかしくなった。うしなってから気付きづく事があると、誰かが言った。多分、いまの彼みたいな状況じょうきょうった瞬間しゅんかん、初めてものの大切さをもっる事だろう。


「…浅倉君?こんなところで何してるの?」

 今は、丁度ちょうど昼休み。彩愛は不思議そうな顔で、楓斗の事を見ている。楓斗は「いやぁ~ハハッ…」と笑って誤魔化ごまかしたが、彩愛はワザとらしく溜息ためいきき、「なに、笑ってるの?」とおこってしまった。

いく義務教育ぎむきょういくだからって、授業じゅぎょうないのは如何どうかと思うけど?」台詞せりふは、さっきもた様な事で注意ちゅういされた気がする。楓斗は少し考え、蘭子の顔がよぎった。

「……蘭子!?」

「えっ?」

「天蔵っ!アンタが、蘭子なのか?」

 乱暴らんぼうに彩愛のかたつかみ、楓斗は何度も「蘭子なのか?」と同じ事をく。普通ふつう、彩愛の立場たちばだったら場合ばあい、楓斗を突飛つきとばしげるようるのだが、何故なぜか彩愛はこばまなかった。どころか彩愛はなみだながし、楓斗を自身じしんむねなかおさめ、彼のうでまわした。






 ―――――どのぐらいの時間がったのだろう。授業がはじまるチャイムがり、校内こうないしずけさにつつまれる。



 楓斗がハッとわれかえり、彩愛からはなれようとしたが「ダメ!…まだ、ままさせて…」と言われ、動きをめた。ふと、彩愛に対し疑問ぎもんを思った。

「…何で、“蘭子”って名前に、泣いたの?」

 なんだか聞いてはならないとはわかっていたが、如何どうしても気になってしまい、ついくちすべらす。すると、彩愛はゆっくりと顔をげ、「私の、双子ふたごのお姉ちゃん、だったひとだから…」と答えてくれた。


 ――「だった」つまり、過去形かこけい。三年前、蘭子が亡くなった。理由は居眠いねむり運転中の車と衝突しょうとつし、即死だったそうだ。仲が良かった双子の姉妹しまいである片割かたわれ、彩愛はショックのあまり感情をおもてさなくなった。

 そんな彼女を面白おもしろ半分はんぶんいじめるやからあらわれた。彩愛は不登校ふとうこうになり、外出がいしゅつもしなくなった。そんなある何時いつものようおそい時間にき、テレビを見ようとリモコンにれた瞬間しゅんかん、ブラウンかんに蘭子がうつったのだ。しかも、生前せいぜんころと変らない笑顔えがおで「なんって顔してるのよ!」と言ってきた。

 当然とうぜんおどろいた彩愛だったが、一歩いっぽずつテレビに近付ちかづき、不思議と冷静れいせい状況じょうきょう受入うけいれた。蘭子にすがようにテレビにき、声をし殺して涙をながす。

 蘭子はこう言ったそうだ。「もし、つらい事や悲しい事、こわい事があったら私が貴女あなたを守ってあげる」と。れっきり、彩愛は蘭子に会っていない。


「……でも、今日お姉ちゃんに会えたの…。浅倉君、貴方アナタ御蔭おかげよ」

「……………」

 無邪気むじゃきに、そして何処どこせつなげにわらう彩愛。はじめて見た表情かおに、楓斗はギュッと心臓をつかまれる感覚かんかくおちいった。そして、心の奥底おくそこから彼女を守りたいと思った。


「天蔵」

「…なぁに浅倉君?」

「僕は君を守りたい。もしよろしければ、三年後、僕と結婚して下さい」

 晴天せいてんなか突然とつぜん雪がった。一組ひとくみの男女をつつように。少年は真直まっすぐ少女を見詰みつめ、少女は茹蛸ゆでだこ状態じょうたい。そんな二人をとおくで微笑ほほえみながら見詰る優しい光。


「彩愛を宜しくね、楓斗」
















後書き

切な系を書きたかったのですが、話がグダグダに…(>_<)



初出【2011年2月16日】をほんの少しだけ加執筆修正する際に読み直して、、、


当時、恋愛系をめちゃくちゃ上手くえがける様になりたい‼️と書いた作品だと思います。(u_u)

そして玉砕ぎょくさい…。。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ