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やらかし女神のあとしまつ!  作者: 沖傘
The force cries in alone
9/42

青天の屋根

 村の外れに馬車を停めると、確かに何やら騒がしい。四人で顔を見合わせ、喧騒の聞こえる方に走り出した。

「あれ、そう言えば副メイド長って...?」

「ああ、現地で合流すると聞いたでござる!まあ彼女も忙しいでござろうし、今は我らで向かうのが得策でござる!」

「っしゃー!パッパと回収してパッパと帰るぐわァあああああああああッッ!!?」

 息巻いて飛び出した元女神が、突然空から降ってきた民家の屋根に押し潰された。

「女神殿ーッ!?」

「めめめめ女神様っ」

 急いで目の前の瓦礫の山を退かそうと、五反田と伊香保が駆け寄った。

「は...早く助けろーー!!我が死んだらこの世界の重大な損失だぞーーッ!!」

 瓦礫の奥底から、くぐもった怒鳴り声が聞こえてくる。えっさほいさと瓦礫を動かす二人の肩を叩き、一旦ストップのジェスチャーで救助作業を止めさせる。

「遅いぞーーっ!!早くしろバカ者共ーーーーー!!」


 ......


「天罰!早くしないと天罰落とすぞーーーっ!!」


 ......


「あ痛って!痛ってこれ絶対曲がっちゃいけない方に曲がってる!!」


 ......


「ちょ...あの、早く助けて....!」


 ......


「ご...ごべんなさい...助けてくださーーーいっ!!」


 二人は俺の顔をチラリと見たあと、各々の判断で救出作業は再開された。瓦礫のサイズからして人間の俺ではどうしようもなさそうなので、のんびりと側から見守らせてもらう。

「女神殿ーッ!今助けるで...ござるッ!!」

「よい....しょっ、よい....しょっと....!」

「あのぉ...なるべく早くお願いじばずっ...」

「...あーッ!伊香保殿!反重力魔法は!?」

「あっ、わ...忘れてました!んん...えいっ!!」

 伊香保が両手を翳すと、いとも簡単に瓦礫の山は宙に浮かぶ。その下では、潰れた蛙ならぬ潰れた元女神が半ベソで倒れていた。

「に...要救助者発見(252)でござるーッ!!」

「すんっ...あの...ありがとうございばす...」

「お...おお!無事そうで何よりでござる!女神殿、お怪我は?」

「ないです...」

「そうでござるか!でもすぐには動けなさそうでござるな...では!」

 元女神を引き上げた五反田が、ビシッとこちらを指差した。

「...え、俺?」

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