女神召喚
『あの...ごめんなさい、ルヴィルフィール様...割って入るタイミングがなかなか掴めなくて...』
「いや...もう大丈夫だから...」
『えっと〜...あっ、そうだ!異世界人召喚の準備が整ったみたいですよ〜!』
「うん...勝手にやっといて...」
『あ、はい...』
スノアの声が途切れると同時に、元女神のすぐ隣に、再び光の柱が出現した。
『えーと...今回の回収作業にあたり、強力な助っ人となるであろう人物を異世界より召喚します。チート発祥の世界となる、第912世界からの少年で〜す!』
*****
「...あれ?」
何だかよく分からないが、長い夢を見ていたような気がする。...体がふわふわする。もしかしたら、まだ夢でも見ているのかもしれない。
落ち着いて、周りを見回してみよう。間違いなく人間ではない何かが多数と、近くには何やら元気のなさそうな幼女が一人、少し離れたところにバケツ頭の兜を被った世にも恐ろしい巨大な何かが玉座に鎮座している。
「...アッッレェ!?」
『混乱しているみたいですね...まあ無理もないですが...』
「しかも誰も喋ってないのに頭の中に声が聞こえるゥ!!ウワアアよく見たらみんなコワイ!!ドラクエの敵みたいなやつがいっぱいいるゥ!!」
『ルヴィルフィール様ぁ...どうしましょう...』
「我に任せろオラァーーーーッ!!!!」
「ぶはーッ!!?」
突然右頬に強い衝撃を受け、盛大に吹っ飛ばされる。痛む頬を抑えながら見ると、目の前で性格の悪そうな幼女がふんぞり返っていた。
「な、なに...なんだお前!?」
「ぶははーッ!我はルヴィルフィール、世界神である!!我の事務的な申請と承認によって異世界より召喚されし者よ!我に従え!そして我を崇めよーッ!」
「...おい、なんかあの神、急に元気になってないか?」
「確かに、今の今までめっちゃ落ち込んでたのにな」
『ふっふっふ...コイツは我より...弱いっ!!!』
「「「ああ〜」」」
「なに今の声...というかこの子神様?...何で俺殴られたの...??」
『えーと...完全アウェーな空気の中で、自分より弱そうな人が現れたのでイキリ散らかしてるのだと思われます』
「ええ...クソみたいな性格、動物じゃん動物。本当に神様なの...?」
『いえ、さっきクビになってます』
「うるさァい!!」