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やらかし女神のあとしまつ!  作者: 沖傘
The melancholy of the alchemist
36/42

異世界屋

 研究所までの廊下を歩いていると、ふと見慣れないものが視界の片隅に映った。壁の一部がくり抜かれ、出店...?のようになっている。

「...へぇ」

 急ぐ用事でも無し、寄って品揃えを見てみると、見た事もない物ばかり。素材の検討すら付かないものも大量に積まれている。

「いらっしゃいませー...あっ」

 カウンターの奥から顔を出したのは、先日出会った召喚者の...エイトだったか。

「この前は巻き込んで悪かった。怪我は無かった...んだよな?」

「俺と元女神は伊香保が守ってくれたから一応大丈夫...えーと」

「カイ」

「カイは?」

「アタシも所長が庇ってくれたからノーダメ。残念ながらね。ところでコレ...なんだい?」

「チート能力の練習してたら物が貯まって...魔王に相談したら、ここで店でもやってみろって言うからさ」

「異世界の品物かぁ...通りで」

「良ければ見てってくれ。あとコレお菓子」

「...コレこの前所長が食ってたヤバそうなヤツじゃなかったか?」

「コレは大丈夫な方!!ちゃんとお菓子!チョコレート!」

「うん...うん、美味しい」

 かつてなく甘いお菓子をつまみながら、商品にざっと目を通す。なるほど、面白そうなものが沢山ある。

「...コイツは?」

「それは竹トンボ。こうやって回すと...なんか凄い飛ぶ」

「何というか...古代人のオモチャだな。この武器っぽいヤツは?」

「服の毛玉とか取ってくれるヤツ」

「...それ要るか?」

 蓋を開けてみれば大した事無さそうだと落胆していると、ふと店の奥に目を引くものを発見する。細い棒状の持ち手の先から、何本もの細い針金の様な物が飛び出し、瓜状に形作っている。

「...その、変なヤツは?」

「ああ、コレ。めっっっっちゃ気持ちいいヤツ」

「き...気持ちいいヤツ...!?」

 その極めて細いタコの様な形状からは想像もできなかった言葉に、思わず背筋が震える。

 気持ちいい...あの形状で気持ちよくなるにはどうするんだ!?あの様に巨大な物をこう...まさか、ああする訳にはいくまい...!?

「そうそう。頭に使うんだけどさ」

「あ...頭!?」

 頭にアレを!?という事はなんだその...刺すのかッ!?あの無数に別れた針金の様な物を脳に直接刺して気持ちよく...とかそういうのか!?駄目じゃん、その場はイイけどその後の人生がダメになるじゃん!

「元女神に使ってみたんだけどさぁ...」

「つつつ使った!?」

 こいつ人畜無害そうな唯の人間のフリして、実はとんでもなく猟奇的な...いやまさか、流石に他人の脳を破壊する様な悪人では...

「そしたらアイツ、変な声出してひっくり返っちゃってさ」

「聞いてる方が倒れそうだ...」

 だがしかし......欲しい。何としてでも手に入れたい、ひっくり返るほどの心地良さ。とはいえ、淫魔である事を隠している以上、この場で商品を買う事はできない。替え玉を用意する訳にもいかないし...というかこんな道端でヘンな物を売る方が悪いだろ!

「...」

「...カイ?」

 だったら...アレをするしかない。多少副作用があるものの、アレを使えばどうとでもなるだろう...よし、イケル!待ってろ超快感(スーパーエクスタシー)

 カイの奥底で眠る淫魔の血が、ドンドコドンと騒ぎ始めた。

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