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やらかし女神のあとしまつ!  作者: 沖傘
Sword, Sword, Sword, Drop the sky
21/42

蒟蒻畑

「こんなに...こんなに速く動ける!あはは!」

 狂ったように笑いながら続けられるザンセツの攻撃は、なおもその素早さを増していく。

「くっ...反撃を...」

 ゼルベルも攻撃を試みるが、激しい斬撃の嵐に防戦一方で、身動きが取れない。しかし、崩れることのないゼルベルの防御に業を煮やしたのか、ザンセツが忍刀を鋭く煌めかせた。

「楽しいけど、そろそろ他の奴らも殺しに行かなくちゃ...じゃあね、隊長さん!!」

「何ッ...!?」

 一層強い一撃が撃ち込まれ、ゼルベルの体勢が崩れる。しかし、すぐさま続くと思われた攻撃は一呼吸の間だけ留まる。

 不味い、踏み込まれている。

 先程のような軽い連打ではなく、確実に相手を仕留めるための一撃の準備。ヤツの動きは追えている。何とか防御の体勢を整えたいが、間違いなく間に合わない。

「これで終わァぶるるるるるるるるるるるるるるるるッッ」

 ゼルベルが死をも覚悟したその瞬間、ぬるりとした何かを力強く踏み締めたザンセツの体が、宙に浮いたまま超高速で回転し始めた。

「うごっ」

 自らの脚力でしばらくの間回転していたザンセツは、回転力が失われると同時に浮力を失い、顔面から地面にべしゃりと着地する。

「うぐ...くそ...誰がこんな...」

 垂れる汗を拭い、呼吸を整えていると、戦いの傍らで召喚者と女神が何やら騒ぎあっているのが見えた。

「二人共!ここは危ないので早く逃げ...」

 離れた場所にいる召喚者と女神の姿が、黒い影に遮られる。咄嗟に剣を構えて防御の体勢を取ったゼルベルだったが、渾身の一撃をまともに受けた衝撃で、離れた訓練場の壁まで勢いよく吹き飛ばされた。



*****



「ゼルベルーッ!!」

「だからコンニャクじゃ無理だって言ったのに!!」

「だってあんなヤツどうしようもないだろ!ほら...斬れないかもしれないじゃん!!」

「斬らせなかったじゃん!!ぶん投げて踏ませたじゃーんッ!!」

「僕の邪魔をしたのは...君達か」

「「ギャーッッッ!!!」」

 空中大回転を見せてくれたザンセツとやらがこちらに目を付け、ゆっくりと歩いてくる。あの見えない程の速さじゃ逃げても無駄だし、立ち向かおうにも剣の使い方なんてさっき知ったばっかだしどうしようもないッ

「め、女神だろ何とかしろッ!!」

「お前散々我のこと元元いっといてこういう時だけ頼るなッ!!」

「なんだ雑魚か...じゃあ、一瞬で終わらせてあげるよ!」

 少し離れた所まで近づいてきていたザンセツが大地を蹴り、とてつもない勢いでこちらに飛び掛かってくる。

「よし、盾作戦!」

「お前後ろに隠れるんじゃねぇあああああああああああああッッッ!!??」

 元女神と服を掴み合いながら、ぐっと痛みに備える。次の瞬間、すぐ近くで刃同士がかち合う金属音が聞こえる。俺も元女神も、剣なんて構えていない。

 ゆっくりと目を開けると、目の前では見覚えのある甲冑が、ザンセツの刃を受け止めていた。

「ご...五反田ァ...」

「大丈夫でござるか!お二人とも!」

 受け止めていた剣を振り払い、ザンセツごと弾き飛ばす。

「五反田ぁ〜ありがどう〜!!」

「女神殿、拙者がきたからにはもう大丈夫でござるよ!」

『絶対弱いと思ってたけど、お前強かったんだなぁ〜!!』

「ござ...」

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