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やらかし女神のあとしまつ!  作者: 沖傘
The force cries in alone
11/42

圧倒的破壊力

「と...とにかくオレは治るんだな!良かった...何でもかんでも壊しちまってオレもう...どうしたらいいのかわかんなくて...」

 緑色の肌の青年はそう言いながら、地面に膝をついて震え始めた。制御できない力というものは、時に使用者さえも蝕むことがあるのか...

「安心するでござる!そこにおられる女神殿が、貴殿を元の状態に戻してくださるでござるよ!」

 五反田はそんな啜り泣く青年に歩み寄り、元気付けるようにそっと手を差し出した。

「本当か...ありがとう...本当にありがとう...!!」

 青年は涙を拭い、目の前に差し出された小手の向かって手を伸ばす。

「うむ!では早速ぶあああああああああああああッッッ!!?」

 青年が五反田の手を取った瞬間、その衝撃で五反田の甲冑の体が勢いよく飛び散った。

「「ご、五反田ーーーーッ!!!」」

 思わず叫ぶ俺と元女神、唖然とする伊香保の周りに、バラバラになった五反田のパーツが降り注ぐ。

「いやこれ洒落になら...おっと」

 ぎこちない動きで首をこちらに向けた元女神の手元に、何かがすっぽりと飛び込んでくる。見ると、元女神の両手には弾け飛んだ五反田の頭部が収まっていた。

「おっと!ナイスキャッチでござる女神ど...」

「喋ッ、ギャーッッ!!!!」

「ゴザーーーーーーッッ!!?」

 ビビり散らかした元女神の全力投球。五反田が生きていたことを喜ぶ暇もなく、彼の頭部は大空を舞って消えた。そのうちに首から下のパーツは繋がって立ち上がり、ヨタヨタとどこかに飛んで行った首を探しに行った。

「...アレもしかして五反田生きてた!?」

「は、はい...アーマーガイストはバラバラになったくらいでは死なないので...」

「いや、あれは俺もビビった」

「そ...そうだよな?我、悪くないよな...?」

 オロオロする元女神の奥で、青年が罪を犯した自らの右手を見つめながら、ブルブルと震えていた。

「アーマーガイストがバラバラに...やっぱりオレおかしいんだ...もうどうにもならないんだぁーーっ!!」

 完全に冷静さを失ってしまった青年が、両拳で地面を叩く。巨大な衝撃が大地を揺らし、地割れを起こした。青年を中心に巨大な土の塊がそこかしこに飛んでいく。

「うおお...ヤバい!このままだと本当に死人が出る!」

「い、伊香保!何とかしろーッ!!」

「え、えーと...えーと...えいっ!!」

 伊香保が青年に向けて両手を翳すと、周囲の地面が勢いよく盛り上がり、たちまち巨大な山を形成。暴れる青年を中に閉じ込めることに成功した。

「凄い...けど、これ生き埋めでは?」

「中にちょっとだけ空洞を作っておいたので、少し入っている分には支障ありません...多分」

「多分」

「ま、我が死ぬよりアイツが死んだ方がよい。死体からチートもぎ取って作業完了ってな!」

 鬼畜元女神の言葉も束の間、聳え立つ土の山は突如鳴り響いた轟音と共に砕け散り、砂埃の陰から立ち上がる青年の姿を覗かせた。

「あ、あれ...魔力で強化したからそんな簡単に破れる筈じゃ...!?」

「うわあ...これダメそうだぞ...」

「よーし!我は逃げるッ!!」

「それもダメだッ」

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