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プロローグ

 彼女を失ってからの毎日は、私にとっての地獄だった――。

 残される人間の気持ち……。それを私は痛いほど実感した。マキナの戦いにより世界はエトランゼより解放され、人々は地球という楽園に降り立っていった。

 ジュデッカによって環境改善された地球はまるで未開の惑星のように変貌を遂げていたが、人々は互いに手を取り合いよりよい地球を作る事を誓い合った……。

 ヴィレッタの手により、蒼穹旅団主導の新たなフェイスが組織され、人々の秩序を護る新たな集団としてそれが機能し、人々は枯渇していた資源と居住区の問題を一気に解決され、争う理由も無くなった。そう、すべてはマキナのお陰……。世界は救われ、そして変革とは遂げられたのだ――。


『ご利用のお客様にお知らせ致します。本艦、連絡船“パーシヴァル”は間もなく第一リングタワーコロニー、“アルティール”にドッキングします。ドッキング予定開始予定時刻は1120、終了時刻は1130となっております。直、各種リングシティへの連絡船への乗り換え時刻は……』


 聞こえてきたアナウンスに私はまどろみの中から急速に覚醒していく。少しばかり……昔の夢を見ていたらしい。深く息をつき、私は窓硝子に映りこんだ自らの姿を凝視する。そこにはあの頃とは少しだけ違う自分の姿があった。

 私の名前はアテナ・ニルギース……。マキナがこの世界から居なくなり、五年の歳月が流れた。大人になった私は結局何をするでもなく、英雄と呼ばれるがまま、言われるがまま、ただ伝説を背負い、ぼんやりと日々を重ねていた。

 時は月と地球とコロニーと、全てが共存の道を歩み、人々が地球の開拓に汗を流し、明日の希望に胸を躍らせた大変革の時代……。私はその日、ある目的の為にアルティールに戻る連絡船の中に座っていた。

 最早ライダーではなくなり、FAに関わらなくなって久しい。どの組織に所属するでもなく、私はただカラーズ時代に稼いだ金を使い、ぼんやりと生きる日々を送っていた。勿論それでいいとは思わない。だが、マキナがいないのだ。そんな世界の中で一体、何をすればいいというのだろうか……。

 連絡船はアルティールへとドッキングし、私は手荷物も持たずこの身一つで五年ぶりにアルティールへと乗り込んでいた。そこからはやはり、昔と変わらず地球がよく見える。以前と違う事を言えば……地球を覆う不可解な光は消え、ただ清清しい蒼だけが星を彩っている事だろうか。


「…………懐かしいわね」


 上着のポケットに両手を突っ込み、私は周囲をぐるりと眺めた。アナザーもいればノーマルの姿もある。今のこの世界にとって、人種など最早関係のないものなのだろう。勿論全ての遺恨が直ぐに消えるわけではない。だが、それを無くそうという動きが活発化しているのは事実だ。

 暫しの間感慨深く周囲を見渡し、それから私は再び歩き出した。するとどうだろうか。正面から一人、女性がこちらに向かって走ってくるのが見える。両手をぶんぶん振り回しながら、なにやら私の名前を叫んでいた。


「アテナ・ニルギースさまぁぁぁぁぁあああああああっ!!!!」


「…………」


「アテナお姉様っ!! お久しぶり……でふぅっ!? もがあっ!!」


「相変わらず元気ね、ノエル」


 飛びついてこようとするノエルの頭を片手で掴み、持ち上げる。ノエルは空中で暫くじたばたしていたが、諦めたのかすぐにぐったりと大人しくなった。

 ノエル・ヒルベルト……。彼女とは実は頻繁に顔をあわせていた。彼女は隠居してしまった私のところに度々顔を出してはなにやら思い出話やら近況報告やらを行っていたのだ。お陰で世界の情勢にも、仲間たちのその後にも不鮮明な部分はない。

 あれから五年が経ち、ノエルもまた大人になった。今では旅団の新生カラーズの一員として、今日も世界中の平和の為に奔走している。今の私とは、偉い違いである。


「……ノエル、貴方何歳になったんだっけ?」


「はい? 二十歳ですよう、お姉様。四歳離れてるんだから、判るでしょう?」


「…………ああ、もうそんなになるんだっけ」


「もう、お姉様ったらボケちゃったんですか?」


「余計なお世話よ」


 ノエルの肩を叩き、一人で先に歩き出す。背後でノエルが何かわめきながら追いかけてくるのを感じつつ、私はこの世界に再び思いを馳せた。

 マキナが消え、ジュデッカも消えた世界で私は何もしてはこなかった。あの戦いでの死者が、マキナたった一人であった事は奇跡以外の何者でもないのだろう。旅団メンバーもアンセム・クラークも、全員重傷ではあったものの一命を取り留めた。

 私にいたっては、確かに一度は生命活動が停止したのである……。それが何故か蘇り、マキナの手の中で眠っていた。もしかしたらマキナは私に新しい命をくれたのかもしれない。そんな事があるのかどうかなんてことはわからないけれど、一応、根拠のようなものだってあるのだ。

 背後から追いついてきたノエルが勝手に人の腕を取り、笑顔で隣を歩いてくる。その笑顔は無邪気で明るく、今の彼女がどれだけ充実しているのかを教えてくれる。髪の毛も伸ばしっぱなし、服装にも気を使わず雑になった私と比べ、偉い違いである。


「お姉様、相変わらず綺麗ですねぇ~、その“蒼い髪”」


 ノエルはそう言って私の長く伸びた髪を指先でなぞり、目をきらきらと輝かせた。そう、私の髪は蒼い……いや、厳密には蒼くなったのだ。

 あの日、マキナが消え、私は気づいたら樂羅のベッドの上に寝かされていた。そうして鏡を見た私は、私がすっかり私ではなくなってしまった事を知ったのだ。

 髪は蒼くなり、目も同じである。私はまるでマキナのように、髪も目も真っ青に変わっていたのである。あの日、マキナは自分の命を私にくれたのかもしれない。だから私は彼女のように変質し……いや、やめておこう。そんな事は考えても誰にも判らない事なのだから。

 もしも私の身の内にまだマキナが生きているのならば、そんなに嬉しい事もないだろう。だが私はマキナのぬくもりが忘れられず、彼女の笑顔を消せないままでいた。生きているのか死んでいるのか判らない日々……。だが、今日でそれを終わりにしようと思う。


「蒼穹旅団に来ないんですか? お姉様だったら、もうバリバリエースライダー級なのに」


「……やる事があるのよ」


「ニートのくせにですか?」


「ニ……。ニートって……うぅ」


「あははっ! そうだ、アンセム先生とナナルゥが研究室で待っているそうですよ。あたしはそのお迎えです。外に車がありますから、一緒に行きましょう」


「ええ、わかったわ。ありがとう」


 世界はもう変わって行く。ならば私も変わらねばならないのかもしれない。

 もう一度やり直す事はきっと出来ないのだろう。彼女を失ってからの日々は、私にとっての地獄だった。だからそれを、どうにか終わらせようと思う。

 マキナの日記と手記が私の家に届いたのは、今から三日前の事である。そこには彼女の知り得た真実と、彼女の願いが記されていた…………。




プロローグ




 とある世界に、一人の少女がいた。少女は一人の女性が生み出した自分のクローンであった。自分と同じ役割を持ち、とある少女を護り導く為に。

 とある世界に、一人の少女がいた。少女は化け物の化身、そして世界の救世主の役割を持っていた。母なる星を救い、そして人々の心を癒す為に。

 とある世界に、二人の少女がいた。二人はまるで鏡写しだった。決して交じり合う事の無い、すれ違い続ける永遠の体現者。罪と罰……そして、人の業そのもの。

 何かを追い求めて何かを失い、追いかける代わりに何かを得るのだ。代償と報酬が無限に繰り返され、目的の中でやがて全てがおかしくなっていく。意味を失っていく。そう、全てに意味を求める方が間違っているのだ。

 その世界の中で少女はもがき、戦った。故にその結末として用意されていた運命は彼女たちの戦いの先にあるものだった。そして、それは選ばれた結末でもある。世界が望み、人が望んだ。だからこそ、その結末があったのだ。

 

「えーん、えーん……っ」


 とあるコロニーのとある公園……。住宅地の中にあるその公園で、一人の少女が膝を抱えて泣いていた。夕暮れ時の日差しが差し込み、少女の寂しい影が独りでに伸びていく。まるで世界の全てが彼女を突き放しているかのようだった。


「わーん、わーん……っ」


 幼い少女に出来ることなど一体何があるというのだろうか? 泣き喚くほかに、無力な彼女に出来る事何もなかった。子は常に何かに護られている。何かを護る立場になれる日が来るまで、それは当然のことなのだ。

 護られた優しい腕の記憶が何かを護る力を人に与える。それは人の成長過程で絶対に無くてはならない保護――。当然、彼女にも親と呼べる人物が居た。蒼い髪に蒼い目をした美しい女性……。一人の子持ちにしては、随分と若く見える。女は泣きじゃくる娘の前に腰を落とし、その頭を優しく撫でた。


「ほら、泣かないの。また、いじめられたの?」


「……うん」


「…………もう、しょうがないわねぇ……。ほら、だっこしてあげる。一緒に帰ろう?」


「…………うん」


 母親に抱き上げられ、少女は涙と泥で滅茶苦茶になった頬を小さな手で拭っていた。母は娘を背負い、作り物の夕暮れの中を歩いていく。娘はきゅっと、母の背中にしっかりと縋り付き、泣くのを堪えていた。


「マキナ、今日は何が食べたい? なんでも好きな物を作ってあげる」


「……ほんとう?」


「ええ、本当よ。わたしが嘘をついたことがある?」


「ない」


「じゃあ、何が食べたい? いってごらん?」


「んっとねぇ……えっとねぇ……。カレー! カレーがいい!」


「……一昨日カレーじゃなかったかな」


「それでもカレーがいい! お母さんのカレー大好き! ねえねえ、カレーがいい! カレーカレー!」


「はいはい、わかったわかった……。それじゃあお家に帰ってカレー作ろうね」


「うんっ!! お母さん、大好きっ」


 母の背中に頬をこすりつけ、一生懸命に愛情を伝えようとする少女。母は優しく微笑み、ただ家路をゆっくりと歩いていた。

 とても、とても穏やかな時間だった。それは永遠に続くのではないかと思えるような、永久に等しい時間……。母にとって、娘との日々は本当に大切なものだった。何よりも、かけがえのないものだった――。


「先生、うちは託児所じゃないんですよ」


 母にはもう一人、娘が居た。紅い髪の、臆病な性格の少女である。母親が大好きで、いつもその傍を離れたがらなかった娘……。最近はもう一つの育児や仕事で忙しく、弟子のアンセムに預ける事が多くなっていた。

 だが、全ては仕方の無いことだったのだ。結果的にこれでよかったのだと、彼女は後に思う事になる。抱き上げる小さな少女は軽く、やはり泣きそうな顔をしている。少しばかり、仕事が長引きすぎたらしい。


「ごめんねぇ。もっと早く迎えに来るつもりだったんだけど」


「……うそつき」


 少女は目に一杯の涙を溜め込み、ほっぺたを膨らませて母を見ていた。


「ママのうそつき……。今日は早く来るってぇ……早く来るってゆったあ……!」


「うん、ごめんね……今度から、気をつけるからね」


「うあーん! うわぁーん!!」


 母の胸に縋り付き、泣きじゃくる娘……。抱き合う二人を弟子は遠巻きに腕を組んで眺めていた。若干不満そうな理由は勿論判っている。だが……今更やめるわけにはいかないのだ。そう、長く長く続いてきた計画を頓挫させるわけには…………。




 研究室に入った私を出迎えてくれたのは、白衣のナナルゥだった。ここは、マリア・ザ・スラッシュエッジ研究室――。メグレズで発見された大量の研究資料が極秘裏に運び込まれ、ここで研究が行われているのだ。

 このことはアンセムが主導で極秘裏に行っており、旅団のメンバーでさえその真実を知る物はいない。ぶかぶかの白衣を着たナナルゥは私の姿を捉えて駆け寄り、それからにっこりと笑顔を作った。


「おっす! アテナ!」


「おっす、ナナルゥ」


「アンセムが奥で待ってるぞう! あ、ノエルはここでもういいよ。ご苦労様」


「ちょ!? あたし除け者ですか!?」


「部外者は普通に邪魔なんだぞう……」


「そりゃないよう!! ねえねえ、いいでしょ? 今日だけ特別! ね? ね!?」


「だーめーだーぞーう」


「そこを何とかっ!!!!」


 二人がなにやらもみ合っている内に私はさっさと扉をくぐり、研究室の中に入る。そこにはごく少数の研究員の姿があり、最奥にはアンセムの姿もあった。

 アンセムが居た部屋からは硝子越しに例の時空跳躍装置が構えている。相変わらずの黒スーツ姿で静かに佇むアンセムの隣に立ち、私も転送装置へと視線を向けた。その装置の中には待機状態になったジークフリートの姿がある。


「――――日記は読んでくれたか?」


「…………ええ」


 私が今日持ってきた荷物は、財布とパスポート、それからこの日記帳だけである。これはあの日、私が彼女に誕生日プレゼントとして送ったものだった。

 結局彼女が使ったのはほんの数ページ。私に当てたメッセージと、その後どうするべきかの指示だけであった。そこには十分に驚愕に値する事実がつらつらと並んでおり、私は当然絶句した。だが、それが彼女の願いだというのならば……是非も無い。


「マキナの遺志を尊重し今日までやってきた。お陰で無事転送装置も起動することが出来たが……いいのか? お前まで再び運命の輪に組み込まれる事になるぞ」


「…………そう、なるんでしょうね」


 目の前の転送装置が過去に近い別次元へと続いている物だという事……。マリア・ザ・スラッシュエッジとは、異世界の危機を救う為に現れた別世界の人間だという事。そしてジークフリートとブリュンヒルデが二つ存在する意味……。

 考えればそう難しいことではなかった。元々私のこの力はその為にあったのかもしれない。今となってはマキナの力を受け継ぎ、人間離れした身体能力に加え、剣を扱う力……ジークフリートに対する高い適性……そして、無限の命がある。

 己の掌をじっと見つめ、私は目を細めた。そう、全てはこの瞬間の為にあったのだ。私は私であり、私以外の何者でもない。だが今私は私を捨てる……そうする事で、私はもう一つの可能性に賭けたいと思うのだ。


「――――もう、決めた事よ。アテナ・ニルギースは死んだ……。私は今日から……“マリア・ザ・スラッシュエッジ”を名乗る」


 強く拳を握り締める。そんな私をアンセムは寂しげに見つめていた。思えばどうしようもない人生だった。いい所なんてなくて。殆どマキナに活躍はとられてしまった。

 最後、あの時彼女が私を生かし、死ぬなといった意味……。泣きながら私に謝った意味……。全てのことには意味があったのだ。私だけに与えられた不死の力にも、勿論意味がある。私以外に完遂出来る人間はいないだろう。恐らく、この世界のどこにも……一人として。


「あー! いたいた! お姉様! アンセム先生っ!!」


「ノエル……? 何故ここに?」


「……強引に腕力で押し通られたんだぞう」


 ふてくされた様子で部屋に入ってくるナナルゥ。それとは対照的にノエルはブイサインを作って楽しそうに笑っていた。アンセムとアテナは顔を見合わせ、それから苦笑を浮かべるしかなかった。

 計画が始まろうとしていた。それはとても壮大な、歴史をなぞり、そして歴史を変える物語。そこが“過去”ではなく、“良く似た別のどこか”なら……。今度こそ、今度こそ救えるかもしれない。護れるかもしれない…………。


「早速始めるぞ。全員、装置の作動準備に取り掛かれ――!」


 世界が、再び変わっていく。

 星は生まれ変わり、また人の歴史が築かれ、時にはどうしようもない争いや悲しい出来事が世界を飲み込んでいくだろう。

 だがそれでも、人はまた受け継ぎ護っていく。この蒼い星を愛する心を失わない限り、お互いがお互いを想いあう限り、世界は終わる事無く続いていく。それは永遠にループする物語……。滅びさえしなければ、人は何度でもやり直せる。

 地球に降り立ったシュトックハウゼンの隣、腰を下ろしたローエングリンの足元でオルドが煙草をふかしていた。ふと、空を見上げる。傍らにはリンレイの姿があり、二人は共に空を見上げていた。

 月のジェネシスの社長室、椅子の上で眠っていたサイが目を覚ました。どこか遠く、誰かが呼んでいる気がしたのだ。ネクタイを緩めつつ、ムーンシティを見下ろす。声は世界に響いている。

 アルティールの再建、そしてフェイスの再編と派遣にいそしむ旅団の中、指示を出すヴィレッタの姿があった。ふと、振り返って空を見上げる。誰もが何となく、空を見上げていた。そして誰もが思うのだ。ああ、平和だなあ……と。

 今日もいい天気だ。争いもなく、平和が続いている。苦しい事は沢山ある。それでも、人々は今日生きている事に感謝していた。その願いを思いと祈りを引っさげて、アテナはその長く伸びすぎた髪を切り整え、カラーオブブルーの装束を身にまとう。

 蒼い装束は責務と罪を意味している。彼女と同じ髪と目の色を背負い、己の名前を私情は全て捨て去る――。自分は一振りの刃となり、未来という静かな湖面に投げ込まれた一粒の石ころとなろう。

 その波紋が折り重なり、いつかの世界、どこかの未来、こことは違う可能性を切開けると信じている。もしもまた、マキナが笑って過ごせる世界が作れるのならば……その為に命を投げ出そう。


「――――行くわよマリア。もう一度、彼女に出会う為に」


 見上げる転送装置が開かれ、ジークフリートが姿を現す。オリジナルは消滅してしまったが、この模造品は無事に修理され、そして最先端の技術で強化が施されている。

 過去の世界にとっては余りにも特殊すぎる、オーバーテクノロジーにも近かったこの機体の意味が今なら判る。未来から持ち込まれた奇跡の力……そして、かつて一人の少女が世界を救う為に揮った刃。

 コックピットが開き、そこからは白いうさぎが飛び降りてくる。慌ててそれを抱きとめたアテナの腕の中、うさぎは耳をパタパタさせつつ目を丸く輝かせていた。


「アポロも一緒に行きたいそうだ」


「え? ま、まさかこのうさぎ……不死身なの?」


「…………らしいな。下手をするともう、いくつ次元を超えてきたか判らない」


 アンセムの言葉に唖然とするアテナ。アポロは自らの意思でアテナの頭の上によじ登り、鎮座する。それはアポロが彼女を主と認めた瞬間であり、彼女がアテナではなくマリアとなった瞬間だった。

 マキナもよく、こうしてうさぎを頭の上に乗せていた。もこもこしたものが頭の上にある……。奇妙な感覚だった。だが、これがマキナの気持ち。彼女の想い……。

 振り返るとそこにはごく少数の研究員とアンセム、ノエル、ナナルゥの姿だけがあった。大規模な見送りは必要なかったし、秘密裏の計画なのだ。他世界の歴史を変えるなど、本来あってはならない事である。

 それは罪以外の何者でもなく、須らくアテナは罰を受けるだろう。アテナだけではない、この計画に関わった誰もが罪人となり、それを墓まで持っていかねばならない。己の中の善悪の葛藤と共に。


「お姉様、本当に行っちゃうんですかぁ……?」


「ええ、もう決めた事だから」


「アテナ、がんばるんだぞうっ!!」


「任せなさい!」


「アテナ……その……。向こうに着いたら、向こうの私をこきつかってやってくれ。それがそいつにとって一番いい事だ」


「ええ、判ったわ。頼りにしてるわね……兄さん」


 それぞれに別れを告げ、アテナはジークフリートに乗り込む。ニーベルングシステムが作動し、時空跳躍に備える。

 アポロの力は時空跳躍にも対応している。莫大な情報処理を行うニーベルングシステムは、もしかしたら本来これがあるべき役割なのかもしれない。

 コックピットの中、光が満ちていく、アテナはそっと目を閉じ、深く息を吸い込んだ。心を穏やかに……彼女への思いを募らせる。

 さあ、全ての物語に終わりを告げ、次の物語を始めよう。今度こそ、彼女を救い護れるように……。もう、弱い自分には別れを告げるのだ。ザ・スラッシュエッジの名の下に。それに相応しく生きていく為に――――。


 ――蒼い光が、世界を導いていく。

 ――変わっていく世界と、変わらない想い。

 ――受け継ぎし者と、受け継がれし者。

 ――世界の未来がどこに続くのか、それは誰にも判らない。

 ――しかし、その未来の中で人は選択し、また違った景色を見るのだろう。

 ――世界を包み込む愛の光は永久に枯れず。

 ――そしてそれはまた、愛する人への邂逅へと繋がっていく…………。




 とある日の午後、マキナは入院した母の見舞いにやってきていた。母はベッドの上、ぼんやりと窓の向こうを眺めている。マキナは母の手を握り締め、そっと声をかけた。


「お母さん……今日は、調子いい?」


「……ええ、大丈夫よ。マキナも毎日お見舞いに来なくていいから、ちゃんと勉強頑張るのよ」


「うぐぐ……っ!? 勉強は……に、苦手なの……」


「こら……。ちゃんと宿題やりなさいよ? 勉強はねえ、しておかないと貴方後で大変なんだから」


「……どういう意味?」


「そのまんまの意味よ。大人の忠告……」


 マキナの柔らかい手を握り締め、母は静かに目を瞑る。その時彼女が何を考えているのか、マキナには理解出来なかった。出来るはずもない。そう、それは決して悟られてはならない真実。

 思い切り全てを打ち明けて、マキナの身体を強く抱きしめる事が出来たらどれだけ幸せだろうか。だが、自分の身体は度重なる戦い、そして人を超えた力を受け入れた事により滅ぼうとしている。自分が居なくなった後……それで彼女は幸せになれるのだろうか?

 マキナはきっと、この世界でも一人で頑張っていくのだろう。何度でも、何度でも……。彼女の幸せを祈り、願い、しかし傍に居る事は叶わない。それは酷いジレンマだった。だが、やれる事は全てやった。あとはこの世界の、紅の少女に任せるとしよう。きっと彼女なら、またマキナの為に奔走してくれる事だろうから。


「アポロの調子はどう?」


「うん、すっごく元気だよ! アポロ、なんだか自立してるよね……」


「…………知能が高いのよ、宇宙うさぎは」


「お母さん、宇宙うさぎってなに?」


「…………」


 それは自分の方が聞きたい、といいたかった。だが成る程、マキナとて知らないわけだ。何せ……教えられていないのだから。

 今は全てが穏やかに感じる。マキナと過ごした十年以上の時間はとても幸せで満ち足りていた。彼女にして上げられる事はもう残り僅かだ。しかし……それでも構わない。あとは、もう一人の自分との出会いに任せるとしよう。

 母は娘の手を握り、そっとその目をのぞきこむ。きらきらと輝く、優しい眼差し……。自分も彼女のように笑えたのだろうか? 出来る限りマキナに近づけるように振舞ってきたつもりだ。だが、果たしてどうだったのか……それは第三者にしか判断できない事だ。


「マキナ……。色々大変な事があるだろうけど……絶対に負けちゃだめよ? 頑張って頑張って、あがいてあがいて……それで最後まで諦めちゃ駄目だからね」


「どうしたの、お母さん? 急にそんな事……」


「…………マキナの事が心配なのよ。ね、約束して? ゆびきりげんまん――。真っ直ぐに……生きていくって」


「……うん、わかった。お母さんの言った事は忘れないよ。ずっと覚えてるから」


 二人はそっと、指と指を絡めて笑いあった。マキナが去った病室で、母は一人で佇んでいた。その時である。突然の発作、そして身体が光となって砕け始めたのである。

 いよいよやってきた終わりの時に母は――マリアは――静かに涙を流した。まだ、死にたくない……。まだ死にたくない。何度も心の中で願った。まだ、マキナの傍に居てあげたい。一人ぼっちにしたくない。

 残される悲しみは痛いほど知っているから。だからどうか、誰でもいい。もう少しだけ命を下さい。そうしたら彼女にお別れを言えるのに。去ってしまった背中……手を伸ばしても、もう届かない。


「マキ……ナ……! う、うぅ……っ」


 泣きながら手を伸ばした。その時扉が開き、そこからアンセムが姿を現した。アンセムは師の死に際に驚き、駆け寄ってその手を握り締める。


「先生!! 先生ッ!!!! しっかりしてください!! 誰かっ!!!! 誰かいないのかっ!?」


「アン、セム……」


「は、はい!!」


「マキ、ナ……を……。まも……って……」


「は……?」


 この時アンセムはマキナの存在を知らなかった。当然の事である。だが、全てはこうなる前に準備は済ませてある。

 アンセムへの指示はメールで送られる手はずになっているし、やるべき事は済ませてある。あとは……マキナの頑張り次第。


「先生! 先生っ!!!!」


「………………アテナ、を……彼女……に……」


 それ以上、意識は保てなかった。身体が光になって朽ちていく……。マキナは……これからどうなってしまうのだろうか?

 泣き虫で、へこたれで、それでも明るく笑顔で過ごしてきたマキナ。マキナとアテナが再び出会う時、歴史は変わるのだろうか? それともまた、同じ事の繰り返しになるのだろうか……。それは、判らない。

 だが、再びめぐり合えた。彼女との約束を果たすことが出来た。彼女は最後、笑顔でまた会いたいと言っていた。だから――だからそうだろう? 当然の笑顔で……死んでいこうではないか。

 笑顔を作り、涙を流しながらマリアは消滅した。アンセムの腕の中、彼女の服だけが残される……。マリア・ザ・スラッシュエッジの最期――。こうして物語は本当の終わりを迎える。そして、また始まりを告げるのだ――。

 マキナとアテナ、二人の心は決して同時に存在し得ない。愛はすれ違い、すれ違ったままで永遠に行き続けるのだろう。だが……もしも、ほんの少しずつ。ほんの少しずつでも、未来が変わっていくのならば……。


「…………うきゃっ!? す、すいません!!」


 病院から出た広々とした花壇の中、二人の少女が肩をぶつけて振り返っていた。一人の少女が慌てて頭をぺこぺこと下げながら慌て、そのまま転倒する。

 もう一人の少女はそんな少女にそっと手を差し伸べた。二人の指先がふれあい、そして二人はお互いの存在を認識する――。


「貴方……」


「ふえ?」


「どこかで……会った事が……?」


「え? な、ないと思いますけど……あれ? でもなんか、わたしも……」


 二人は手を握り合い、お互いの顔を見つめ続ける。時計の針が進む音が聞こえる。カチンと、どこかの歯車がかみ合ったような……。そんな音が、世界に響き渡った――――。




蒼海のアルティール




 まだ、この地球に大地と海があった頃――。この星に、“フォゾン”が存在しなかった頃。宇宙から星を見たとても偉大な人は言ったそうです。“地球はやっぱり青かった”、と。

 その言葉の意味も、その人が見た景色も、今はもう全ては遠い遠い星の記憶の中に消えてしまいました。時は西暦2088年。宇宙から星を見下ろす事は全く珍しくもなんとも無い事になり、そのとても偉大な人が見下ろした地球の姿は今はもうどこにもありません。

 宇宙に浮かぶ無数のスペースコロニーに人々が移り住み、生活居住区は今や宇宙にまで拡大、地球を取り囲むように浮かんでいる七つのスペースコロニーと月のルナ・シティからは結構普通に地球を見る事が出来るようになりました。

 かくいうわたしも宇宙から何度も地球を眺めましたが、地球は毎日色が違ってとても大変です。地球は今、とても凄い事になっているのです。その凄い事になっている地球に、わたしマキナ・レンブラントはこれから向かう事になりました。

 何故わたしが地球に行く事になったのか、それはまた色々とややこしいので端折る事にしますが、連絡船の中から眺める地球は今日は緑っぽく見えます。昨日は黄色っぽかったのに、気紛れな物です。


「アポロ、もう直ぐ地球だね」


「むきゅー」


 座席のシートに固定されたまま、膝の上には旅のお供が一匹。名前はアポロ――宇宙うさぎの一種で、とってももこもこしていてふかふかしていて、ぐにぐにしていて可愛いのです。宇宙うさぎの寿命はおよそ三十年と言われていて、実はアポロはわたしより年上なのです。

 膝の上でもぞもぞしているアポロの耳を引っ張って伸ばしたりしながら地球を眺めます。あんまりにも大きすぎて逆にスケール感がないです。地球はやっぱりまんまるくて、きらきらしていて、黄色だろうが緑だろうが、青だろうがやっぱり綺麗です。


『ご利用のお客様にお知らせ致します。本艦、連絡船“パーシヴァル”は間もなく第一リングタワーコロニー、“アルティール”にドッキングします。ドッキング予定開始予定時刻は1120、終了時刻は1130となっております。直、各種リングシティへの連絡船への乗り換え時刻は……』


 アナウンスが聞こえる中、わたしは周囲を眺めます。周りには勿論、沢山の人が乗っていました。わたしの暮らしていたコロニー、“アリオト”から直接アルティールに運んでくれるこの連絡船は、まさに都会へ続く夢と希望がいっぱい詰め込まれた船なのです。

 大丈夫、乗り換えはばっちりのはずです。昨日の夜何回も連絡船の時刻表とにらめっこしたのだから、これで間違っていたら泣くしかありません。やがてわたしたちを乗せた連絡船はアルティールへとドッキング。殆ど揺れもないまま、船内に少しだけ緩んだ空気が流れます。皆長旅お疲れ様でした。わたしも、お疲れ様です。


「アポロもお疲れ様」


「むきゅ」


「えへへ……。それじゃ、行こうか。“アルティール”に」


 アポロを抱きかかえるわたしの正面、合い向かいの席で眠っている人の姿がありました。紅い髪に、紅い瞳の綺麗なおねえさんです。

 なんでもわたしのお姉ちゃんなんだとか……。よくわからないけど、そんな人だそうです。お姉ちゃんは疲れているのか、腕を組んだまま眠っていました。わたしはそんなお姉ちゃんの隣に座り、そのほっぺたにそっとキスをします。

 くすぐったそうに悶え、お姉ちゃんは夢の中でなにやらごにょごにょ言っていました。そんな可愛い人なのです。この日記帳も、お姉ちゃんからプレゼントされたもので……。


「むっきゅ!」


「あ、そうだった! お姉ちゃん、起きて! おきてようっ!! アルティールに着いたよ!!」


「う、うーん……マキナが……マキナの髪が蒼く……」


 何を意味不明なことでうなされているのでしょうか――。兎に角この人を起さないことにはどうにもなりません。何故ならばそう、わたしは今日からフェイスの一員となるからです。

 なんでもカラーオブレッドだとかいうお姉ちゃんが一緒にわたしを鍛えてくれるそうなので、これからの事に不安はありません。フェイスという仕事にも、誇りを持てると思います。何故ならばわたしは――。このおねえちゃんの事が大好きだからです。

 あの日、手が触れ合った瞬間から、何故か運命めいたものを感じていました。そして今日からまた新しい日々が始まるのです。


 そう、この蒼い光の海の上で――――。



~ねっけつ! アルティール劇場Z~


*これにて完結*


マキナ「ほけー」


ノエル「ふお!? ど、どうしたんですかお姉様……」


マキナ「オワタ」


アテナ「こらこらこらこら」


マキナ「だって終わっちゃったんだよう? うぐぐ……寂しいようぅううう!! びえええええええっ!!!!」


ノエル「なんと言う子供泣き……」


アテナ「…………」


マキナ「今日まで……ひぐっ……ありがとうございましたぁ……っ」


アテナ「無事、蒼海のアルティールはこれにて完結です」


ノエル「応援どうもありがとうございました!!」


マキナ「うわーん! 皆とお別れしたくないよーーーーう!!」


アテナ「それは、私だって……」


ノエル「勿論あたしだってそうですよ」


三人「「「 ………… 」」」


ノエル「ア、アテナお姉様泣いてるんじゃないですか?」


アテナ「な、泣いてないわよ!」


マキナ「びえーん!! びぇえええええん!!!!」


アテナ「……貴方は泣きすぎ」




小休止




マキナ「うぐぐ……。まあ、細かい作者のあとがきは活動報告のほうでやるからいいとして……」


アテナ「今回は、アンケートの投票結果の発表とピックアップを行って最期のシメとしたいと思います」


ノエル「まあ、結果は判りきってるんですけどね!」


アテナ「直、結果は三部~四部までのものとなりますので、どうぞご了承ください。それではスタート!」



~アンケート投票結果~


【第一位】 アテナ/16票



マキナ「一位はアテナさんでしたー!!」


アテナ「私なんかの何がよかったのかしら」


ノエル「その辺も含め、コメントを見ていきましょう」


【結構エロいとこ】


アテナ「…………」


ノエル「激しく同意!!!!」


マキナ「アテナさん、挙動がえっちぃんですよう」


アテナ「誤解だわ!!!!!!」


【ツンデレツンデレ】

【ツンデレは至高。】

【ツンデレだけでなく、ヤンデレ要素も持ち合わせてるとか最高です。】


ノエル「まあ、ツンデレってことなんでしょうね」


マキナ「ツンデレ……? ヤンデレじゃなくって?」


アテナ「誤解よぉおおおおおおっ!!!!」


【マキナにデレデレ(≧З≦)  いやぁ~本当に可愛いですなぁ~(*^о^*) 一生ついていきますよ 】


アテナ「私についてきたら別世界行きだけど……いいの?」


【ヤンデレお姉さん!(殴  なんか爆死したような感じですが……ぜひ生きてて欲しいです】


アテナ「ヤンデレヤンデレって、そもそもヤンデレってなんなのかしらね」


【過保護過ぎると嫌われるよ。 でも、そんなアテナも 可愛いです。】


アテナ「…………別に過保護じゃないもん」


ノエル「はいはい、ツンデレ乙」


アテナ「なっ!?」


マキナ「第二位発表ー!!」


アテナ「ちょ……人の話を聞きなさいよ!」



【第二位】 マキナ/15票



マキナ「みんなありがとー!! みんなの主人公マキナ! マキナに清き一票を!!」


アテナ「全然清くないわよね」


ノエル「でも上位争いは接戦だったみたいですね!」


アテナ「そんなへこたれマキナへのコメントよ」


【今の状態の絵も見てみたいです。】


マキナ「書いたよーっ!!」


【アテナと百合百合しとけば良いと思います。】


マキナ「お姉ちゃん大好き♪」


【可愛いっす(>_<)】


マキナ「えへへ、照れるなあ~」


【likeじゃなくてloveですw 】


マキナ「愛!!!!」


【もぅ可愛いから何でも許すっ!】


マキナ「アテナさんに問題丸投げだけどそれも許してね!」


ノエル「…………物凄い勢いで返信しましたね」


アテナ「ええ……」


マキナ「テンションあがってきたああああっ!!!!」


アテナ「何で!?」


ノエル「……えーと、次は第三位……だけど三位は三人います」


アテナ「ナナルゥとアポロ、それからリリアね」


マキナ「…………。票がいかに偏ったか、だよね」


ノエル「三人とも紹介するのはめんどくさいので飛ばして~! ここからは面白そうなコメントに返信しちゃうぞお!!」


マキナ「え……なにそれ超テキトー」



~アンケートコメント返信~



【これからもお体に気をつけて頑張ってください。 狂気更新で(笑)】


マキナ「どうしろと!」


アテナ「なんだかよくわからないけど、お体に気をつけてっていうコメントはわんさかくるわよね」


マキナ「作者、脆いと思われてるんだろうね」


ノエル「それか更新しすぎて体壊れるんじゃないかと思われてるんじゃないですか?」



【アポロに投票したかった!(笑) 狂気更新、楽しみにしてます。】


マキナ「アポロに投票したいって声は結構あったよね」


アテナ「結局三票だったけどね」


ノエル「しー!! しいーっ!!」


アテナ「ていうかさっきから狂気更新狂気更新って……狂気更新って言葉を普通に使ってるけどこれ他の作者さんに伝わるのかしらね」


マキナ「流行らせよう! 狂気の渦!」


ノエル「え……?」



【誤字脱字の修正の方もたまにお願いします。】


三人「「「 すいませんでしたあ!!!! 」」」



【アテナさんもっとエロく  神宮寺さんもっと狂気更新を】


ノエル「この人、“漢”ですよね」


マキナ「公表されるアンケートでこの一言……がんばったね!」


アテナ「何が……?」


マキナ「そんな貴方の為に十八禁小説をプレゼント! マキナ×アテナで!!」


二人「 え? 」



【狂気更新じゃなくてもいいので、ゆっくりとノエルを可愛く書いて下さい。】


ノエル「あんまり出番なくてごめんねー。でも続編があるとしたら主人公だから大丈夫だよ!」


二人「 え? 」



【ボーダーブレイクの小説……良いと思いますよ?】


マキナ「あ、ボーダーブレイクの小説をなろうで書いてる人をこの間みかけたよ」


ノエル「どんだけマイナージャンルなんですかねえ」


アテナ「……いや、人の事いえないでしょ? わかってるの?」


マキナ「活動報告で連載中! よろしくね♪」



【ラストが近いのが寂しかったりワクワクしたりで複雑です。】


マキナ「わたしも寂しいよーう!! びえええええん!! 皆大好きーっ!!」


ノエル「…………」


マキナ「……なんだか、やっぱり寂しいわね」



【読んでみて 大変おもしろかったですが なぜか・・・ 「兎に角」 が頭にこびりつきましたw 】


三人「「「 え? 」」」


マキナ「あはははははっ! そういえば一杯出てくるよね、兎に角」


ノエル「えーと、うさぎにつの……?」


アテナ「……アポロに角……」


マキナ「あははははははは!!」




小休止




マキナ「続いて人気FAについて! こちらはジークフリートとブリュンヒルデが同列でぶっちぎり人気、続いて斑鳩という結果でした」


ノエル「まあこれはコメントも何もないからね」


アテナ「やっぱり主人公機が人気って事なのかしらね」


ノエル「斑鳩ももっと出番があれば、お姉様たちに追いつけたのになあ」


アテナ「うぐ……視線が胸に突き刺さるわ」


マキナ「そういえばジークフリートって種類ありすぎだから、統合すると結局ジークフリートなんじゃないかな?」


アテナ「かもしれないわね」


ノエル「というか、機体多すぎて多分みんな覚えてないですよ」


二人「「 それはいわないお約束だから 」」




小休止




マキナ「アンケートはまさかこんなにくると思って居なかったので限界受付数を100にしてしまって、気づくまでの間に結構コメントが流れてしまったようで、取りこぼしがあって申し訳ありません」


ノエル「まさか100超えるとはね!」


アテナ「本当にありがたいことね……」


マキナ「さて、アンケートの返信も終わってしまいました」


アテナ「いよいよ本当にお別れね……」


ノエル「長々と続きましたが、蒼海のアルティールにお付き合いいただいてありがとうございました!」


マキナ「ここまで頑張って読んでくれた皆さん!! 本当にありがとうっ!! みーんな大好きだよーっ!!」


アテナ「至らぬところも多々あった事かと思いますが、見守ってくれてありがとうございます」


マキナ「それじゃあ、寂しいけど……うぐぐ……」


ノエル「またねぇーっ!!」


アテナ「また、どこかで」


三人「「「 応援ありがとうございましたっ!!!! 」」」


マキナ「ぐすん……寂しいよう……」


アテナ「よしよし」


ノエル「あー、終わった終わったっと!」


マキナ「うええん! びえーん!!」


ノエル「あ、なんか食べて帰ります?」


アテナ「そうね……。ほらマキナ、泣かないの」


マキナ「マーマーッ!!」


アテナ「まだ二十代だからっ!!!!」


ノエル「お後がよろしいようで」


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