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オーバー・ドライブ(2)


「――ニア、ちょっといいかな?」


 機体に乗り込もうとしているニアを呼び止めたのには勿論理由がありました。この戦い、殲滅戦のその名の通り、恐らく彼ら七星を全て滅ぼすまで争いの火は止むことはないでしょう。それはきっとニアにはつらい事だと思ったのです。

 先日のクラスアップ試験の事もありますし、ニアはアナザーの問題には敏感なはずです。彼女の生い立ちを考えればそれも仕方のないことだと思うし、それを割り切れなんていえる資格はわたしには無いのです。どんな言葉をかければいいのかわからずに黙り込んでいるわたしを見てニアは逆に笑ってくれました。そして言うのです。


「マキナ、ボクのことなら気にしないで。ボクは大丈夫だから」


「でも……」


「戦うって決めたんだ。それに、彼らのやっている事は同じアナザーだからこそ止めなきゃならないと思う。銃を向けてする話はもう話なんかじゃない。ただの争いなんだ」


 ニアは決意に満ちた瞳でオレンジの愛機を眺めていました。それから優しく微笑み、わたしの前でヘルメットを抱えて自らの胸を軽く叩きます。


「彼らの気持ちはわかるよ。でもわかるこそ戦わなきゃいけない。ノーマルとアナザーが絶対に分かり合えないなんてボクは思わない。ボクがマキナや、旅団の皆と共にあるように……。ノーマルとかアナザーってさ、全体で考えると人はいがみ合うけど。でも、個人個人でならちゃんと話が出来ると思うんだ。そしてその種族という隔たりは、殺戮の大義名分にはならない」


「……うん、わかるよ。ニアのいう事、わかる」


 そう、全体で見るから争いになるのです。人間には色々な人がいて、それでいいんじゃないでしょうか? ノーマルにだって嫌な人は居ます。アナザーにだって、ニアみたいな人がいるのです。それぞれの大切な物が違って、それぞれの愛する人が違って、それぞれが掲げる剣の形も旗の色も違って、それでいいのではないでしょうか。

 だからこそ、そう。全てを一緒くたにしてしまう旗は折らねばならないのです。誰もが己の声と己の目で世界と向かい合う為に必要な手を血で汚すというその行為を、わたしは喜んで引き受けましょう。アナザーとノーマル、二つの血と魂が交じり合う日は遠く彼方にあるのかもしれません。それでも確かに今、わたしたちは分かり合っていけるのです。


「ボクは姉さんのような立派なライダーになる。姉さんは憎しみで戦ったりなんかしていなかった。ボクも憎しみではなく、誰かを愛で殺したい」


「……そっか。余計な心配、しちゃったかな。うん、だってニアだもんね。ニアはそんなに弱くない。ニアはやっぱり強いよ」


「ボクがボクでいられるのは君のお陰だよ。だから君と共に行く……。戦いを終わらせるんだ。そして話し合いのテーブルに着かせる。あの化け物だって、次は落として見せるさ」


 わたしたちは頷きあい、それから握手を交わしました。スーツ越しに触れるニアの手、伝わらないはずのぬくもりを確かに感じていました。そう、ニアの言うとおりなのです。わたしたちは迷うのではなく、成す為に成さねばならない。

 ニアが機体に乗り込んでいくのを見送り、わたしは頭の上に乗っていたアポロをひっぺがして降ろします。既に重力は消滅しており、アポロの身体はふわふわと浮かんでいきます。そのアポロを出口の方に押し出してわたしもコックピットへと急ぎました。

 七星と呼ばれる勢力が占拠するミザールはもう直ぐです。そこに着けば、またあの神風とやりあう事になるかもしれません。でも今度こそ負けるわけには行かないのです。戦う為にここに居るのだから。力を示す為にここに居るのだから。そして誰かを守る為に戦うのだから。

 カナードのコックピットの中は暖かいのか寒いのか良く判りませんでした。光に満ち溢れたその空間の中、目を閉じて出撃を待ちます。ミザールさえ奪還すれば、敵は総崩れになるはずです。それで戦いは終わる……わたしはそう信じました。

 マキナ・レンブラント、戦争の日の日記より――――。




オーバー・ドライブ(2)




「神風の修理はどうなっている?」


「――勇士ユーゼル。修理は完了しています。メインカメラおよびアンチフォゾンフィールド発生装置、共に万全です」


 ミザール内、宇宙ドッグに停泊する宇宙空母“天土”の艦首へと続く扉を潜り、ユーゼル・ブラハイトはコンソールの前で端末を操作している一人の女性の下へと移動する。重力制御が低くなっており、ユーゼルの姿はふわりと飛ぶようにして女性の元まで辿りついた。白髪交じりの黒髪がふわりと靡き、椅子ごと振り返った女性はユーゼルに敬礼する。


「戦況はどうなっている?」


「相手はフェイスです。特にアルティール、ベガからの戦力が集結しつつあります」


「ベガの連中には何度も煮え湯を呑まされたな」


「アルティール軍勢にはデネヴのカラーオブホワイトが合流しています。かなりの強敵ですね」


「実際に見たが、フォゾンフィールドがあればヤツの特殊能力は軽減出来る。俺が相手をしよう」


 七星の状況は決して良いとは言えなかった。ミザール、ベネトナシュ以外に派遣したコロニー占領戦力は全てフェイスにより撃退。ムーンシティ襲撃に向かったメンバーはカラーオブグリーンに壊滅させられたとの連絡が入っている。カラーズ一機落とすだけでも大事だというのに、戦線には既に四人のカラーズが投入されているのである。地上の樂羅の被害も甚大であり、戦況は圧倒的不利であると言えた。

 だがしかしそれでもユーゼルの目に迷いはなかった。敗北ムードの色濃いこの戦場の中、強い目をしているのはユーゼルだけではない。天土にいるメンバー、そして今この瞬間も戦場で時間を稼いでくれている勇士なかまたち、その誰もが勝利の為に全力を尽くしている。己の誇りの為に散っていく戦場へと嬉々として向かっていく。ミザールは艦首の向こうに見える出撃していく仲間の九十九を見送りながら頭が下がる思いだった。

 このコロニー占拠部隊に投入された初期戦力は九十九三十機に神風一機のみであった。その三十機いた仲間の殆どは撃墜され、今戦っているのは地上から送られてきている増援たちである。これだけ大規模な数のFAを運用した作戦は始めてであり、それが七星の最後の力を振り絞った作戦である事は疑いようもなかった。

 そもそも七星とは七つのコロニーを占領するために結成した組織である。であると同時に、七つの巨大な反ノーマル組織が結託して成立している組織でもある。彼らは悲願であるアナザーの楽園を生み出す為に手を取り合い、そして今こうして命をかけて戦っている。

 勇士とは彼らが仲間を呼ぶ時に使う名称である。そしてそれは死に行く者であることを意味している。ユーゼルはこの作戦に当初反対していた。しかし、彼はこの作戦に賭けざるを得なくなった。そこにはフェイスとの確執、そして切迫するアナザーのノーマルに対する反感があった。

 フェイスはマキナたちがクラスアップ試験で戦った組織を含め、反ノーマル組織を次々に襲撃して金を得ている。その事実に反ノーマル組織の多くは反感を覚えているのである。そしてアナザーたちは自治区に容赦なくフェイスを送り込んでくるノーマルに対し、憎悪を日々募らせていた。

 最早限界は近い。このままではノーマルとアナザー、その両方がどちらかが全滅するまでの殺し合いを始めるかもしれない。何より反ノーマル組織の存在はノーマルとうまくやっているアナザーまで悪い目で見させる結果になり、戦えば戦うほど状況は悪化の一途を辿る。それをユーゼルは常に憂いていた。

 彼の頭には、エーテル外部呼吸器など存在しない。髪色もただの黒、目も黒である。そう――“彼はアナザーではない”のだ。彼が戦う理由、それはアナザーとノーマルとの憎しみの連鎖を断ち切る為であった。

 この荒れ果てた世界の中、彼はフェイスの傭兵として若き時代をすごした。そこで目にしたのは虐げられ、そしてノーマルに殺されていくアナザーの姿である。彼もまた金を受け取りアナザーを殺し、それで食いつないでいた。その事実に彼は常々疑問を感じていた。

 ある日、ユーゼルは若きアナザーの女戦士と出会った。彼女はオレンジ色の九十九に乗り、格闘武装のみで戦うという変わった趣向のライダーであった。美しい、金髪の女性である。Aクラスの傭兵であったユーゼルの機体を機能停止にまで追いやったその美しいアナザーは、あろう事かユーゼルを殺さずにかくまったのである。

 そこでユーゼルは彼女と数日間を共に過ごした。彼女には一人、歳の離れた妹が居た。妹は無垢であり、アナザーの憎しみに染まっていなかった。ユーゼルは妹を可愛がったし、そんなユーゼルに妹も懐いていた。

 ユーゼルはそこで荒れ果てたスラムのようなアナザーの暮らしを見た。アナザーの現実を見た。自分たちが踏みにじってきたその薄汚れた世界の中、それでも笑って無邪気に生きる子供たちの姿を見た。カナルの上、いつ滅びるかもわからないような楽園……。まるで夢のような日々だった。

 彼がノーマルでありながらアナザーの為に戦うきっかけとなったのは、その都市があるカラーズによって滅ぼされたからである。その時機体が壊れていたユーゼルは戦う事が出来ず、彼女の妹を連れてアルティールへと逃れたのだ。彼は今でも最後まで妹の為に戦った若い戦士の事を覚えている。それを思い出し、ユーゼルは胸元のロケットを開いた。そこには金髪のアナザーの女と照れくさそうに肩を並べる自分、そしてその足元で二人の手を結んでいる少女の姿があった。


「…………。フェイスは間違っている。アナザーがノーマルを殺すのも間違いだ。だが、ノーマルがアナザーを殺していい道理もない」


「ユーゼル……」


「ティリア、済まないな。こんな負け戦に付き合わせてしまった」


「いえ、自分で望んだ事ですから。それに――ネリーの仇を討つまでは死ねません」


「彼女とは親しかったそうだな」


「はい。子供の頃から共に育ちました。気高く、美しい女性だったんです。なのに……」


 ティリアは目を伏せ、そして小さく溜息を漏らしました。この船に乗っている人々の誰もが疲れ、もう戦い抜く事も出来ないほどに心を痛めつけられていた。大切なものを余りにも多く失いすぎたのだ。もうこれ以上、争いを長引かせてはならない。

 ユーゼルは最後の賭けに出た。自ら道を切り開き、そして楽園を手にするのだと――。出来るだけ急がねばならなかった。早く、アナザーたちを幸せにしてやらねばならない。そうしなければ結局、ノーマルとアナザーの争いは激化してしまう。それを阻止するのは、元フェイスの自分の役目だと信じた。

 だがそれで本当に良かったのだろうか。誰もがユーゼルをエースとして敬い、期待している。ノーマルの自分を信じてくれる仲間の為にも逃げるわけにはいかない。だが、争いに争いで報いる事……恐らくそれは間違いなのだろう。それでも、アナザーを生かす為に手段を選べなかった。そう、この非人道的とも言える戦いに望むのも――自らの意思である。


「そんなに気を落とすなんて貴方らしくありませんよ。それにまだ、負けたわけではないのですから。準備は整いつつあります。交渉はお任せ下さい」


「ああ……。それまで、あともう少し……もう少し持ちこたえて貰わねばな……」


「子供たちの未来の為です」


「……そうだな。血を見るのは大人だけでいい。せめて子供たちだけは……何も心配要らず、幸せに生きさせてやりたい」


 思い返すのはあの日、泣きじゃくる彼女の妹の姿である。自分が傍に居て守ることも出来た。だが、結局あの戦士の為に弔い続ける事を選んでしまったのだ。所詮はフェイスの血に汚れた戦士の腕。無垢な少女に触れる勇気など、あるはずもなかった。

 あの子は今でも元気だろうか? アルティールに行けば、少しはましな暮らしが出来ていると信じたい。胸の中に決意を改め、ユーゼルは瞳を開く。


「もう、後戻りは出来ない――。見ていてくれ、ネリー。これが俺の、君への弔いだ……」




 宇宙空間に一斉に放たれるミサイルの雨はまるで花火のようだった。断続的に続く爆発の中、マキナは蒼いカナードを駆り空を駆け抜けていく。その視線の先、建造途中のコロニー“ミザール”が姿を現していた。その装甲の後ろ半分はいまだ骨組みの状態である。しかしマキナたちはそれを見て明らかにコロニーとは違う印象を受けた。まるでそう――それは巨大な鉄槌。


『全機聞こえるか!? 大変な事が判った!!』


「ヴィレッタ先輩!?」


 ミサイルの雨をかいくぐりながら九十九と戦闘を続けるフェイス部隊。聞こえてきた通信に耳を傾けながらマキナは剣を振るう。


『連中、とんでもない事を考える……! コロニーに増設されている大型のバーニアが見えるか? 奴ら、コロニーを動かすつもりだ』


「コロニーを動かす!?」


 元々コロニーには軌道修正用のスラスターが無数に取り付けられている。緊急時に移動出来るようになっているのは、かつてのオペレーションメテオストライク時に飛来する無数の小隕石を回避する為に設置されたことに起因している。七星は更にそれに戦艦用の大型ブースターを増設し、通常の数倍の速度でコロニーを動かす仕掛けを施していたのである。

 最初はゆっくりと。しかし徐々にコロニーの加速は増していく。そしてそれらはやがてFAでも追いつく事が出来ないような速さで移動を開始するだろう。それこそが七星の最大の狙いだったのだ。


『連中はコロニーを地球に落とすつもりらしい……! 目標は判らないが……それを脅しにコロニーへの移民権を求めてきている!』


「そんな……!? コロニーを落とすって……えっ!?」


『そんな事になったらどうなるのか、ボクにだってわかるよ……!』


『とんでもない事考えやがる……ッ!!』


『現在月政府とリングタワーコロニーの責任者が交渉中だが……恐らく十中八九連中は要求を拒否するだろう。手遅れになる前にブースターを破壊する!』


「破壊するって……!? 近づくだけでもこれなのに――ッ!!」


 コロニーの前にはズラリと並んだ天土艦隊が断続的にビームやミサイルを連射してきている。文字通り、取り付く島もない。メグレズで取り残した戦力、更にミザールの防衛艦隊、そしてベネトナシュからの増援。更に各地で逃走した戦力がここに集結しつつあるのだ。正に壮絶、最後の砦である。見れば九十九や天土には今にも爆発してしまいそうなボロボロのものまで混じっている。文字通りの総力戦であった。

 フェイスのFA隊は完全に押されており、次々に仲間が撃墜されていく。出撃直後からこの混乱でマキナたちも攻め込む事が出来ずに居た。飛来するビームを回避しながらマキナはコロニーを睨む。ここでコロニーを止められなければ、地球に大質量の物体が落下することになる。文字通りのオペレーションメテオストライクの再来となるだろう。


『ナナルゥ、援護してくれ! 連携で何とか突破する……!! 悪いが皆の命を預かるぞ!!』


『なんだ、先輩もたまにはかっこいい事言えるんスね』


『ボクたちがやらなきゃ……! これ以上、人が死ぬようなことにしちゃいけない!』


「うん……! 行こう!! ミザールを止めるッ!!」


 四機が同時に動き出す。それに続いて後方でタンホイザーがエーテルパルスを放出し戦場にジャミングをかける。直接戦闘、防御能力に関しては劣るタンホイザーは現在はあまり前に出すぎる事が出来ずに居た。


『ブースターの位置は教えるから、ナナにしたがって!』


「うんっ!! 行くぞぉおおおおおおおおッ!!!!」


 マキナの蒼いカナードが一気にブースターを吹かし、急加速する。それに続いてフェイスのカナードたちが一斉に前進を開始。マキナは近づく九十九を薙ぎ払いながら真っ直ぐにコロニー目掛けて接近していく。それを阻止するかのようにコロニーから煌くシルエットが迫りつつあった。タンホイザーのパルスがマキナに高度な反応を齎し、真上からの突撃を剣で受けて防御する。戦域を自由に飛び回る風――神風の姿がそこにはあった。


『また会ったな、若すぎるフェイス!!』


「邪魔をしないでくださいッ!!」


『そういうわけにはいかんなっ!!』


「寄らば斬ります――ッ!!!! うわあああああッ!!!!」


 銀色の剣を両手で構え、マキナが急加速する。正面から突っ込んでくる神風の繰り出すアームとぶつかり合い、ブレードが一撃で粉砕される。二機が衝突する度に衝撃が走り、マキナは四方八方から飛んでくる神風の攻撃に対応するだけで一杯一杯であった。


『マキナ!』


「ヴィレッタ先輩たちは先に行って下さい!! この人はわたしが相手をしますっ!!」


『……。わかった、任せる。死ぬなよ、マキナ――!』


 ヴィレッタがビームライフルを放ちながら一瞬振り返り、反転してコロニーへと飛んでいく。それを背後でERSを使って認識しながらマキナは正面を見据えた。タンホイザーの感応効果があるからこそなんとか追いつけるが――まともにやりあえば最初の接触で倒されていた。長い戦いの経験と専用機への理解、つまりそれは圧倒的な自信――。エースが放つ威圧感を前にマキナは全身汗だくになっていた。


『マキナ、落ち着いて反応して!』


「判ってる!」


 傍らに浮かぶナナルゥの幻影と共に感覚を研ぎ澄ます。カナードの瞳が蒼く輝き、マキナの周囲に巨大なEGR領域が広がっていく。音のあるはずのない空でも音が聞こえる。聞こえるはずのない声が聞こえる。きりきりと、無の世界が軋むかのようなエーテルの迸り――。マキナは咄嗟に右目の眼帯を引き剥がし、蒼く輝く瞳で神風を見た。


「コロニーなんか落としたらどうなるのか、貴方だって判っているはずでしょうッ!? 取り返しのつかない数の人間が死ぬんですよ!!」


『汚名なら幾らでも被ろう! この戦場で散るが本望――! 我が切望を叶えさせ給え、蒼き騎士よッ!!!!』


「この判らずやあああああああああああああッ!!!!」


 カナードが剣を抜き、空を翔る。同時に神風も動き出した。二機は交互に何度か衝突する。超スピードで交差する度に互いの機体が軋んだ。ブレードは罅割れ、装甲が削られて行く。ダメージは明らかにマキナの方が上だった。余りにも機体の性能が違いすぎる――。


『フェイスは血に塗れ過ぎている! 人は人の血を浴びすぎたのだっ!! このまま永久に争いの歴史を繰り返すか!?』


「生きる為の戦いです!」


『人は人である限り必要以上を求める! もっと! もっと! もっと!! 人がそうして要らぬ命を屠り! 差別を生み! 格差を生み! 憎しみに憎しみで応じ! それを良しとして! それで哂う者がいる!! “生きる為の戦い”などと、それはノーマルの恵まれた人間の言い訳なのだよっ!!』


「うあっ!?」


 二本目の剣がへし折られ、同時にビームの雨が降り注ぐ。背中に携えていたフォゾンビームソードを取り出し、巨大な剣を振るってビームを薙ぎ払う。焼け付く装甲と前回の戦闘で与えられたダメージは確実に蓄積されていく。


『引き返せ!! 子供の命を奪いたくはない!!』


「一人の人間です!!」


『その思い上がりと自分勝手な感情で人を殺す!! 嫌な世の中だ――!! せめて子供には戦わせたくはないのだがなっ!!』


「その子供が生きる未来を――!! 貴方たち大人は、血に塗れたその両手で作り上げるというのですか!? それが貴方たちの信じる理想郷なんですかッ!!!!」


 マキナの言葉に一瞬、ユーゼルの脳裏にかつての日々が過ぎる。その一瞬の隙を突いてマキナが剣を繰り出した。一瞬の出来事であった。神風の装甲下部が大きく削られていた。しかし、撃墜には至らない。すぐさま反転し、カナードを背後からアームで捕獲する。ぎりぎりと万力のように締め付ける力でカナードの全身が軋んでいく。


『……確かに君の言うとおりだ。だがいずれは己の行いが正しかったのだと胸を張れる日が来ると信じている。その日の為に今日は戦う……それだけだ』


「死んで――! 死ぬまで戦って! それで、後で正しかったかどうかなんてどうやって確かめるんですか!? 大人なら――! 大人ならちゃんと生きて、ちゃんと見届けてください!! 目を逸らしているだけじゃないですか!!」


 目が覚めるような思いだった。あの日、彼女の妹をアルティールに残して去ったのは何故だったのだろう。それは本当に、弔いの戦いを続ける為だったのだろうか――?

 そこでフェイスを止め、ひっそりと暮らしていく事も出来たはずだ。確かにそれでは全てのアナザーを救う事など出来なかっただろう。だがしかし、たった一人の小さな少女の笑顔を守る事が出来たかもしれないではないか。

 それを止めてしまったのは、ただ自分に勇気がなかっただけではないか。あの少女を育て。守り。共に生き――。それで正しかったのだと、彼女を見送る事が出来る日が来たかもしれない。それが正しかったのかもしれない。

 戦う事でしか何かを解決できないと思ってしまうのは、ユーゼルが根っからの戦士だからなのかもしれない。この子供は、この小さな少女は、真っ直ぐな言葉で、真っ直ぐな心で、この世界を見ている。正しいことも間違いもわからない。常に迷い、ブレているだろう。だがそれでも、正しいことを選ぼうと必死なのだ。

 もがき続けることを止めなかった子供の頃。正しい事をするんだと理想に燃えていた日々。ユーゼルはコックピットの中、目を伏せていた。自分にもフェイスでこうして戦っていた日々があった。今はそれを忘れ、こうして真の争いの中に身を窶している。これもまた、奇妙なめぐり合わせなのかもしれない。

 止めを刺す事は躊躇われた。この子は剥き出しのままの理想を抱いて戦っている。いつかそれが壁にぶつかるかもしれない。それでも――今はこの蒼い鳥を羽ばたかせるべきなのかも知れない。そっと、手を離そうとした――その時であった。


『マキナ――――――ッッ!!!!』


 後方から、声が聞こえた。猛スピードで突っ込んでくるのはオレンジのカナード、そしてその隣を進む白銀の騎士である。ラグナの操るトリスタンが手にしていたのは巨大な槍のような武器であった。それを構え、ラグナは目を細めトリガーを引く。放たれたのは閃光の矢であった。内蔵されたビームライフルが火を噴き、後方から神風に直撃する。その威力は小型にも関わらずヴィレッタの放つ大型ビームライフルに匹敵する出力である。フィールドが弾かれ、神風が吹き飛ぶ。同時にマキナはその手の中から開放されていた。


「ニア……! ラグナ君ッ!!」


『遅くなってごめん。ブースターにはヴィレッタとオルドが行ったから……! 今は彼を!』


『マキナをやらせない――!! こんのおおおおおおおおおおッ!!!!』


 ニアが放ったワイヤーナックルが神風の頭部を鷲掴みにする。そしてワイヤーを引っ張る要領で一気に加速したニアは勢い良く神風へと突撃する。激突の衝撃が二人を襲う。その最中、ニアは金色の髪を揺らして神風の装甲へと拳を叩き付けた。

 トリガーを引くと同時に腕に内蔵されたパイルバンカーが発動する。ギミックが駆動し、内蔵されていた鉄杭が勢い良く射出され火花と共に装甲を食い破る。ニアは雄叫びを上げながらトリガーを連射し、鉄杭を何発も打ち込んでいく。衝撃はフィールドも装甲を着きぬけ、神風の全身を滅茶苦茶に引き裂いていく。


『く――ッ!? オレンジの、カナード……だと……!?』


 ユーゼルの脳裏、一人の女性の姿が過ぎる。かつてあるシティを守り戦い、そして自分が敗れた障害唯一の女――。その姿がオレンジの機体にダブる。コックピットの中、かつて無邪気に笑っていた少女は汗を迸らせながら蹴りを繰り出していた。


『マキナ、ラグナッ!!!!』


『行くよ、マキナ!』


「うわあああああああああッ!!!!」


 接近したカナードとトリスタンが同時に得物を振るう。巨大な槍が神風を貫き、内部でビームを放出する。光の矢が神風を射抜き――そして上から大剣を振り上げて落ちる蒼い影があった。

 振り下ろされた剣の一撃は神風を両断する。一撃の元に風を薙ぎ払い、蒼い騎士は剣の光を閉じ、振り返る。真っ二つにされた神風のコックピットの中、ユーゼルは胸元のロケットを握り締め微笑んでいた。

 機体が内部から光を放ち、爆発する。神風の爆発に呑まれて消えていく意識の中、ユーゼルは確かに彼女の姿を見た。あの日見た夕焼けの光の中で手を伸ばし、微笑んでいる。


「もしもボクに何かあったら――。その時は、ニアのことをお願いしてもいいかな?」


 金色の髪のアナザーはそう言ってユーゼルの手を握り締めた。とても暖かかった。その優しい笑顔を守ってあげたいと思った。そう、結局は――自分の為に戦っていたのだ。こんな最期の最期になって、それに気づくなんて――。

 復讐を理由に戦っていた自分に、あの少女の行く先を見届ける資格はないのだろう。ユーゼルは納得し、目を瞑った。背後で光の中、あの日の姉妹が自分を呼んでいた。ユーゼルは振り返り、無邪気に笑いながら歩いていく――。

 闇の中、炎が瞬いた。それを見上げながらマキナは何故か涙を流していた。散っていく命が絶え間なく感じ取れる。ERSの中――もしかしたら彼の気持ちを知ったのかもしれない。

 その日、闇の中で一人のエースが堕ちた。しかし、それでもまだ戦いは止まらない。動き出したコロニーを見上げ、マキナは涙を拭い、空を翔る――。


〜ショートシナリオを書いてみよう企画第一弾〜


『カレーが美味しく作れたから変な自信が付いてしまってみんなにも食べて貰をうと思ってしまったマキナ(ファニー・ライトニング(3)続)しかし時間軸的には本編より少し後』



「いや〜、しかしあのマキナが料理上手だったとは思わなかったなあ〜」


 それはとある日のお昼時の事であった。蒼穹旅団のギルドルーム内にある小さなキッチンにエプロンをつけて立つマキナの姿があった。アンセムが忘れていった眼鏡をかけ、鼻歌を歌いながら料理をしている。

 テーブルに着いて話をしているのはサイ、オルド、ヴィレッタの三名である。三人はマキナが日ごろの感謝を込めて料理を作ってあげると言い出したのでそれに付き合い、お昼を食べずに待っていたのである。


「しかし、なんで眼鏡……?」


「可愛いからいいじゃないか。私は似合っていると思うよ」


「なんかよくわかんねーけど、マキナって先生ごっこするの好きみたいだなー」


 サイの発言の真意についてヴィレッタとオルドは全く理解していなかったがそれも無理はない。マキナはあの日、アンセムが置いていった眼鏡を大事に持ち歩いていた。それが何を意味するのかはマキナにもわからない。ただこうして時々眼鏡をかけては上機嫌になっているだけであった。


「しかし、あののんきな後姿を見ていると無性に不安になるぜ……。先輩、マキナが料理出来るって本当なんスか……?」


「ん? ああ、そのはずだ。この間料理をご馳走したアテナとアンセム先生には好評だったらしい。マキナ本人もちゃんと食べたが、おいしかったそうだよ」


「そうか……。なら人死にはないか」


「オルド君、心配しすぎじゃないかね〜? てか、どんなへたくそでも人は死なねーだろ、フツー」


「相手はあのへこたれマキナだぞ……? もしかしたらもしかするかもしれねえだろが……」


 三人はお互いを見つめあい、暫く固まった。それからふと同時に振り返り、マキナの背中を見つめる。マキナは右手で握り締めた包丁で物凄い勢いで野菜を滅多斬りにしていた。


「……ザ・スラッシュエッジと呼ばれる日は近いな」


 オルドがそんな事を呟きながら冷や汗を流していたその時であった。旅団の扉を潜り、ナナルゥとラグナが姿を現したのである。二人は入るなり見えたマキナが料理している姿を見つめ、それから目を輝かせた。


「おぉおおお〜〜っ! マキナ、かっこいいぞう♪ マキナ、マキナ♪」


「あ、ナナルゥ〜! ラグナ君もこんにちは。今料理作ってるんだけどね、一緒に食べる?」


「食べる食べる、食べるぞーう!! ナナルゥも手伝うっ」


「うん! 一緒にお料理しようね〜♪」


 マキナはナナルゥにエプロンをつけている。その傍らを歩き、ラグナはテーブルに着いた。そこには何故か不穏な空気が広がっている。


「なあラグナ……? ナナルゥって、料理出来るんかな〜……?」


「うん? さあ、どうだろうね。ナナルゥはアイドルだから、そんな事をしているのは見たことが無いけど……あの様子じゃ出来るんじゃないかな?」


「テメエのその命知らずなポジティブさはどっから来てるんだ……?」


「アハハッ! 大げさだなあ、オルドは。まあ強いて言えばイマジネーションから来てるかな。女の子の手料理だもん、男の子なら期待しちゃうものさ。多少まずかったとしても、それは愛情でカバー出来ると僕は信じているんだ」


 遠くを眺めながらさわやかな笑顔で語るラグナ。それを見て残り三人は更に気まずい空気になっていた。多少――“多少”で済むならそれに越した事はないが……。


「ま、まあ……皆落ち着こう。ナナルゥが一緒になったからといって、マキナは料理が出来るんだ。変な事にはならないだろう?」


 ヴィレッタの一言で四人は同時に振り返った。背後では包丁を振り回しているマキナの隣、ナナルゥがおしりを横に振りながら踊るように何かを無造作に鍋に放り込みまくっていた。四人の間に衝撃が走る――!


「今何入れやがったあいつ……」


「僕にはクッキーに見えたね」


「そういえば、私が作ったのをあのへんに置いてあったような……」


「み、見間違いだろ? 鍋にクッキーって……流石にないだろ〜」


 何度目か判らない沈黙。それは祈りにも似ていた。ふと、四人は溜息を漏らしながらテーブルの中心を見つめた。そこには口からよだれをたらしながらガクガクと震え続けているアポロの姿があった。何故アポロがこんなにも何かを恐れ震えているのか――それが判らず同時に首をかしげた。もしもこの時その真実に気づけていたのならば、あんな悲劇は起こらなかっただろう――。


「皆さんおはようございます」


 その時、更に声が聞こえた。やってきたのはリンレイとニアである。旅団に必要な備品の買出しに出たリンレイにニアが付き合っていたのである。二人は紙袋を両手に抱えたまま入り口で固まっていた。その視線の先にはマキナの後姿がある。


「ヴぃ、ヴィレッタ先輩……? あれは……あれはなにを錬成中……?」


「ん? ああ、皆に日頃の感謝を込めて料理を振舞うってマキナが……」


「「 料理ッ!? 」」


 リンレイとニアが同時に声を上げた。次の瞬間二人の両手からするりと紙袋が落ちて床の上に落ちた。見る見る青ざめていく二人の表情にヴィレッタは首をかしげる。


「ど、どうした?」


「ちょ……っ! 早く止めなきゃ!!」


「ヴィレッタ先輩、話は後です! 今は彼女の練成を中断させないと――ッ!?」


 その時であった。


「できたあーっ! むふふ、あとは盛り付けるだけだよう〜♪」


 そんなマキナの嬉しそうな声が聞こえてきたのである。しかし料理らしいものは何一つ見えていない。あるのはただ、巨大な鍋が一つ――。練成とはよく言ったものである。鍋に何でもかんでも突っ込んであり、中にはなにやら赤黒くてドロドロした軟体がこんもりと盛られていた。


「お、おそかったあああああっ!?」


「ど、どういう事なんだ!?」


「先輩……。実は私とニアは、彼女の料理を一度だけ食べた事があるんです……」


 それはアテナとアンセムを家に招待する前日の事である。全く料理がわからず、一度もやった事もないというマキナに何か料理を教えて欲しいと頼まれ、二人が協力した時のことである。

 厳密にはニアも料理は出来ないので教えていたのはリンレイだったのだが、マキナは指示を無視して勝手に謎の物体を練成してしまったのである。仕方が無いので一口食べて見たのだが、その味は一言で言うと“痛い”味であった。舌の上で様々な味覚がスパークし、最終的には痛覚の一点に収束するのである。リンレイはそんな印象を受けた。

 結局二人は料理を食べなかったのだが、マキナが目をきらきらさせて「おいしい?」「おいしい?」と訊くものだから、つい首を縦にかすかに振ってしまったのである。全ての悲劇はここから始まったのだ。

 まずは最初にとアポロの口の中にスプーンで練成物を捻じ込み、アポロは瀕死の重傷を負った。そしてその状況に耐え切れず、リンレイとニアはそのまま逃げ出してしまったのである。名目はニアがリンレイの家に泊まってくると、そういう事であった。

 しかもマキナは二人がおいしいといってしまったが為に料理なんて簡単簡単♪ と考えてしまい、そのままアテナとアンセムを呼んでしまった。更にその二人が料理を手伝ってマトモなものが出来てしまったが為に、わたしってばもしかして料理の天才!? と考えてしまったのである。

 想像を絶する戦場に放り込まれていたという悪夢にようやく気づいたメンバーたちであったが、逃げ出す前に既にテーブルにはマキナが軟体を盛り付けていた。皿を焦がしながらビクンビクンとのたうつ謎の紅い物体……。誰もがごくりと生唾を飲み込んだ。繰り返すようだが食欲のせいではない。


「さあ、どうぞ召し上がれーっ♪」


 マキナの無邪気な笑顔がその時彼らには阿修羅のように見えたという。そんな中、最初にスプーンを手にしたのはラグナであった。


「女の子の手料理がまずいわけがない」


 それは殆ど自己暗示であった。


「それじゃあ頂きます」


 スプーンに謎の軟体をぷるんと載せて口に放り込む。暫くラグナはそれをかみ締めて堪能していた。それから目を瞑り、静かに深呼吸した。そうして周囲を見渡し、親指を立ててウィンクする。


「あの可愛いマキナが作った料理だよ? その料理がまずいわけがあsdgふぁdgfがd」


 全身の穴という穴から紅い液体をぶちまけ、ラグナは気絶した。床の上でビクンビクンとのたうつ姿は料理(?)の姿にも良く似ていた。


「あれ? ラグナ君どうしちゃったのかな?」


「眠かったんだろ!」


「そっか!!」


 そんなわけねえだろと誰もが心の中でツッコんだ。しかし、全く口にしないでまずいといえるはずもない。特に誰が言い出したわけでもなく、全員が一斉にスプーンを手に持った。公平なように、全員同時に――そんな意図であった。


「「「「「 い、いただきます…… 」」」」」


「めしあがれーっ」








「すいません、このギルドから異臭がするって苦情が来ているんですが……!? み、皆さんどうしたんですかっ!?」


 数時間後。異臭騒ぎを聞きつけてやってきた生徒会のアルとキリュウが部屋の中で見たのは床の上でピクリとも動かなくなった旅団メンバーの姿であった。そんな中、たった一人だけ立っているマキナが振り返り、全身に紅い液体を付着させたまま包丁を片手に泣いているではないか。

 一体何が起きたのか――。勿論マキナが全員うっかりぶッ刺してしまったのではない。料理を飲み込むことを身体が本能的に拒絶し、全員噴出してしまったのである。それを浴びてしまったマキナはまるで返り血を浴びたかのようになってしまっていたのである。


「う、うぅ〜……。あ〜る〜く〜ん〜……」


「う、うわああああっ!? こ、こないでくださいっ!! 会長ォッ!!!!」


「うーん……。連続殺人事件と見た!!」


「そんなのんきな事言ってないで……うわっ!? 来た!! うわああああああっ!?」


「会長〜……! わたしの料理まずくないですよね? ねっ!?」


「何を言っているのかさっぱりわから……うっ!? なんだこの死臭は……うおおおおおおっ!?」


 その後、異臭騒ぎは意外な形で決着。蒼穹旅団メンバーは全員三日間集中治療室から出てくる事が出来なかったという……。


「……。けっこううまいぞう?」


 ただ一人、パクパクと食べても平気だったナナルゥを除き――。


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