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ルナティック・フロウ(2)

「それにしても、マキナ凄かったぞ!」


「ねえねえ、今ボクふと思い出したんだけど、マキナって宇宙戦闘経験あったっけ?」


 エンビレオのホテル内部には色々なレストランがあります。今回皆でテーブルを囲んでいるのは屋外のあるバーベキュー屋さんでした。ん? レストラン?

 そこでひたすらにお肉を焼き続けるオルド君とサイ君の傍ら、わたしはグラスを片手にふと思い返します。言われてみれば何故宇宙戦闘が出来てしまったのでしょうか? まだ勉強もしてないのに。

 まあ、知識だけはあったわけですが、実際に動かしたことなんかないですし。そもそもわたし、ツインスタンド以外はてんでダメだったはず。いやまあ、ツインスタンドではあったんですが、宇宙仕様でもなかったのに冷静に考えてみると物凄い無謀でした。


「運が良かったんだよ、きっと」


「そういう問題なのかにゃ……」


「あの機動は偶然でも運でもない。あれはマキナの実力だぞぉ」


 お肉をほおばりながらナナルゥはそう笑います。そう言われても、偶然だったとしか思えないのですが……まあ、別にどっちでもいいです。


「それにしてもマキナの成長速度は目を見張る物があるな」


 そう割って入ってきたのはヴィレッタ先輩でした。おいしそうにお肉を食べながら頬を緩ませています。先輩、お肉好きなんでしょうか……。


「正直、今のマキナはちゃんとした機体さえあれば、Aランクの傭兵にも負けないだけの実力があるよ。少なくとも私はそう思う」


「ナナルゥもだぞっ! マキナはつおいぞっ!!」


「そ、それは流石に言いすぎじゃないですか?」


「いや。マキナの空間把握と行動予測、反射能力は尋常じゃないからな。白兵戦闘に持ち込まれたら恐らく私も歯が立たないだろう」


「ま、まじっすか!? ヴィレッタ先輩、元カラーズっていうかカラーズ同等の実力者なのに……!? マキナ、どんだけ……」


 ニアが驚くのも無理はありません。まあ正直先輩はわたしを過大評価しすぎているだけだと思うのでわたしは特に驚かなかったのですが。元カラーオブレッド、アテナさんよりも上を行っていた先輩がそう言ってくれるのだから、これからもがんばってみようかな〜なんて思っちゃいますが。


「はぁ〜……。にゃんか、入学当初はボクのほうが全然上だったのに、いつの間にか追い越されて差が広がっちゃったなあ」


「そ、そんなことないと思うけど」


「ボクはマキナを一番傍で見てきたんだよ? マキナが強くなったのは、ボクが一番知ってる。キミが思ってる以上に、ボクはキミを見つめてきたんだから」


 ニアは少しだけ寂しげに微笑みました。なんだか……何となく、わたしまで寂しくなってしまいます。今でもニアはわたしにとって大切な人です。ニアが居てくれなきゃわたしは何も出来ない……。それはやっぱり変わらないのです。


「お〜い、次焼けたぜ〜。つか、俺もそろそろお肉を……」


「はむっ!!!!」


「ぬおぉあっ!? お、俺のお肉が!?」


 サイ君が焼いたお肉を速攻お口に投入します。サイ君にはお肉は絶対渡さないのです。ついでにニアの傍にも寄らせません。間に入ってガードです。焼きたてのお肉は熱いけど、ここが勝負どころです。


「マ、マキナ……そんなお腹空いてたの?」


「うん」


「そ、そう……。ボクのも食べる……?」


「サイ君の食べるからいい」


「何で!?」


 背後でサイ君が何か言っていましたが、もうガン無視です。今夜はお肉を手に入れられないと思ってもらったほうがいいですね。


「そういえば、ナナルゥ……だったかな? 君たちは連中に心当たりがあるのか?」


「あむあむ?」


「私も長い事フェイスでライダーをやっているが、あのタイプのFAは初めて見た。どこの企業のスタイルにも当て嵌まらない……。気になってね」


「――僕たちは、“ファントム”と呼んでるんだ」


 ヴィレッタ先輩の問いかけにナナルゥの代わりに答えたのはラグナ君でした。ラグナ君はフォークを指先でクルクル回しながら微笑んでいます。


「ファントムは所属不明の謎の無人機で、ナナルゥを狙ってる。目的は不明だけどね」


「無人機……? それじゃ、人は乗ってなかったのかな?」


「勿論」


 それを聞いて少しだけほっとしてしまいました。つまり、わたしは人を殺してはいなかったのです。勿論戦場に出る以上、誰かの命を奪う事は避けられないのですが……。覚悟を決めるには時間が足りず、結局成り行きでやってしまったのです。そういうのはやっぱり、後味が悪いから……。

 甘い考えなのは勿論わかっています。でも、いつか人を殺す時、わたしは自分自身を殺戮者として認識しなければなりません。その瞬間は、自分で選びたいから……。

 コックピットをはずすとか、そんな甘い事を言えるような腕前じゃない。だからわたしはもっと強く、上手に人を殺せるようにならなければならないのです。そうすることが、殺さない事につながるはずだから……。


「――――。無人操縦のFA……? そんな話、聞いた事もないな……」


「え? 難しいんですか?」


「難しいどころの話じゃない。そんな事が出来れば、誰でもやっているさ」


 そもそもFAがこの世界の最強戦力足り得る理由は、人がそれを動かしている事にあるのだそうです。

 エーテルカナル上での運用を主眼に置いて開発されているFAは、エーテル環境下において絶対的な性能を誇ります。ERSをはじめとする様々なFAの特殊能力とも言える部分は、エーテル環境化でなければ発動出来ないのです。

 更に、ERSを扱うには人間を中枢としなければなりません。人間の感覚を延長し、非常に困難かつ複雑極まるロボットの操縦というプロセスを解決しているのであり、機械にプログラミングしただけのオートパイロットではFAの操縦はほぼ不可能な段階なのだとか。


「それがあれだけ纏まった数運用されている……異常事態だな、これは。だが道理で動きが機械的だったわけだ。性能負けしていれば統率された動きに翻弄されるのも無理は無いが、アテナならば難なく落とせるレベルだろうな」


「並のライダーでは太刀打ちできないんだ。だから、マキナは凄いんだよ」


「え……? でも……」


 不思議な感じでした。確かあの時――そう、どうしてわたしは敵の動きが“丸判り”だったのでしょうか。何も考えずともどこから攻撃が飛んできて、どうよければ良いのかがわかっていたような……。

 今となってはあのときの感じは思い出せないのですが、確かにあの時わたしは戦場の全てがわかっていました。もしかしたら気のせい……いや、そう考える方が無難なのですが。


「ということは、君はナナルゥの護衛という事かな? 見た所、護衛としての腕は確かなようだ」


「判るんだね。流石は元カラーズ……。そう、僕はナナルゥの護衛なんだ。マキナが出てくれなかったら、僕が出なきゃいけなくなるところだった。だから、お礼なんだ」


 優しく微笑むラグナ君でしたが、それってもしかしてこの人も物凄く強いって事なんじゃないでしょうか? ニコニコしてるだけにしか見えないのに、人は見た目に寄らないですね……。


「ファントムについては、近い内にフェイスの全面協力で掃討作戦が始まる予定だから、詳しい話はその時に聞いてもらえるとありがたいな」


「……。そうだな。確かに、任務でもない事に首を突っ込みすぎたか……」


 気のせいでしょうか? 何故か、ヴィレッタ先輩の表情はどこか思いつめているように感じられました。しかし改めて先輩を見ると、普段どおりに戻っています。おいしそうにお肉を食べています。うーん、やっぱり気のせいだったのでしょうか。


「今日は結局バタバタしてしまったから、明日は少しのんびりしようか。マキナが言っていたように、個人行動というのもアリかな」


「えっ!?」


 先輩の言葉に思わず背筋に電撃が走ります。個人行動――。そんな事になったら、またニアとサイ君が一緒になっちゃうかもしれないじゃないですか!!

 あわててニアのところにダッシュしようとすると、背後から小さい手がわたしのシャツの裾を掴んでいました。振り返るとそこには満面の笑みを浮かべたナナルゥの姿が――。


「じゃあ、明日はナナと一緒に遊ぼう!」


「え? えーっと、それはいいんだけど、そのう……」


「ありゃ、マキナはナナちゃんと一緒か〜。じゃあボクは適当に他の誰かと組むかな」


「エッ!? ニ、ニアさん!?」


「サイ〜、明日どっか行こうよー」


「ニアさあああああん!? うあああああんっ!?」


 何故……何故こうなってしまうのでしょうか。ニアが……ニアがサイ君……否、サイにとられてしまいます……。

 ナナルゥは既にどこに遊びに行くのか計画を立てているし、断れるような雰囲気じゃないし、既にニアはサイのところに行っちゃったし……ああもう。ああもうっ!!


「はむはむはむっ!!」


「だから、なんで俺のお肉食っちゃうんだよ!?」


「サイのばかあーっ!!」


「おぶうっ!?」


 とりあえずサイの顔面をぶん殴り、それでも気持ちは晴れないのでした。

 マキナ・レンブラント、旅行二日目の日記より――――。




ルナティック・フロウ(2)




「マ、マキナ……? どうしたのかな……?」


「…………」


 バーベキューも終わり、解散した面々は一度部屋に戻る事になった。何故か部屋に一番で駆け込んでいったマキナは自分のベッドから枕を引ったくり、ニアのベッドの上に座っていた。最早寝る気のマキナを前にニアは苦笑いを浮かべ、冷や汗を流していた。


「今日は一緒に寝る……っ」


「な、なんで? まあベッド広いから全然いいけど……」


「しかも、ぎゅーってだっこしながら寝る……」


「…………。寝苦しくない?」


 二人がそんなやり取りをしている傍ら、ヴィレッタは全く別の事を思案していた。腕を組み、指先を唇に当てて窓の向こうを眺めている。その表情は険しく、普段の惚けたヴィレッタの様子とはかけ離れ、在りし日のカラーオブレッドに近い表情である。その近寄りがたい様子からリンレイはそそくさと撤退し、マキナとニアの間に入った。


「何を揉めてるんですか?」


「リンレイ……。いや、なんかマキナがくっついて離れないんだよ」


 見ればマキナは涙目になってニアにひしとしがみ付いていた。ぷるぷる震えるマキナがくっついているせいでニアは一歩も動けず、困っている様子だった。


「マキナ、そんなに寂しかったんですか?」


「…………」


「と、とりあえずさぁ……お風呂入らなきゃでしょ? まだ寝るには早すぎるし……離れて貰わないと」


「そうですね。マキナ、ほら離れましょう」


「やだーっ!! ニアと一緒にいるーっ!!」


「あんまりくっついてると、ニアに嫌われますよ」


 その一言でマキナは口をあんぐりと開けたまま固まってしまった。そのまま青ざめた表情のままベッドの下に潜り込み、ぷるぷる震えていた。その様子にニアは最早何も言えず、ただただ苦笑を浮かべるしかない。


「とりあえずお風呂に行きますか?」


「そ、そだね……。露天風呂あるし……。マキナも行く?」


 しかし、マキナは人前で裸になるのが恥ずかしいのである。そのせいでいつも一人のシャワールームを利用してきたし、昨晩もマキナは部屋の風呂に一人で入っていた。

 ニアと一緒にいたいという気持ちとお風呂は恥ずかしいという気持ち、その二律背反する切望にマキナの脳は限界寸前だった。頭から煙が出そうなマキナの足をひっぱり、ずるずるとベッドの下から引きずり出す。そうしてリンレイはその場に屈んだ。


「皆裸なんだから、大丈夫ですよ? 大きいお風呂は気持ちいいですよ〜」


「……ほんと?」


「はい」


「どれくらい?」


「普通のお風呂がこれくらいだとすると……」


 リンレイは右手の人差し指と親指の間に数センチの空白を作ってみせる。それを見てマキナは二度頷いた。


「こ〜〜〜〜れくらいですっ」


 そうしてリンレイは両腕を目一杯広げてみせる。その様子に思わずニアは噴出しそうになったが、そこは必死で堪えた。マキナはそれに納得したのか三度頷く。目をキラキラさせ、立ち上がった。


「じゃあ行こうかな……」


「それがいいですよ」


「……い、いいのかな〜これで」


 一人で考え込むニアを置いて二人は準備を始めてしまった。仕方がないのでニアも支度を済ませようと動き出すと、窓際のヴィレッタの後姿が目に入った。


「せんぱーい、お風呂行かないの?」


「ん? ああ、私は後で行くよ。ちょっと今考え事をしていてな」


「そ、そうなんですか……。じゃあリンレイとマキナ連れて行ってきます」


「うん、行ってらっしゃい」


 ひらひらと手を振るヴィレッタ。しかし一瞬こちらに向けた視線はまさに戦士そのものである。真面目な表情をしていると怖い……そんなヴィレッタの一面をニアは思い出していた。もうそっとしておいたほうがいいだろう。


「……ねえ、リンレイ」


「はい?」


「水着着て入ったら、怒られるかな……?」


 そんなやり取りをする二人を振り返り、ニアは力を抜いて肩を落とした。ヴィレッタにはヴィレッタで色々と事情があるのだ。今はとりあえず、へこたれ少女の方をどうするのか考えた方が良さそうだった。

 一方その頃……。サイ、オルド、ラグナの三人は露天風呂へと続く脱衣所の前で肩を並べていた。目の前には暖簾があり、男、女と定番の字が記されている。


「……。これは、あれじゃないかな? 僕、漢字読めないから。男と女を間違えて入っちゃったで通らないかな?」


「通るわけないだろアホか。ていうか、読めてんじゃねえかボケ」


「強行突破とかどうよ〜?」


「一番ダメだろ。通報されたいのか?」


 腕を組んで目を瞑っているオルドの隣、サイは後頭部で手を組み、ラグナはポケットに片手を突っ込んだまま笑っている。こうなった理由は偶然の産物だが、その経緯は以下の通りである。

 まず、女性メンバーとは異なり風呂も着いていない狭い部屋に押し込まれた男性メンバーは勿論風呂に入る為には共同浴場を使うしかない。そうして二人が支度を済ませて歩いていると、サイが突然提案したのである。


「そういや昨日気づいたんだけどさ〜。ここの男湯と女湯、一つの湯船を竹の仕切りで隔ててるだけなんだよな〜」


 そう、湯船は一つなのである。その丁度真ん中の部分を竹の仕切りが隔てており、しかもお湯は循環するようにと湯船の下はつながったままなのである。

 お湯は白濁系で、仕切りが存在しない部分は一見すると判別には困る。実際オルドはそれに気づいていなかった。そんなわけで、サイの説明を聞いたオルドは若干嫌な予感がしつつも訊いてみた。


「それがどうしたんだ?」


「だから、上手くすれば女湯に入れるんじゃないって話」


「アホか!」


「何でだよ〜。旅行といったら覗きだろ〜?」


 勿論、それが旅行の定番行事なのだと定義すれば、旅行件数と同時に犯罪者の数が比例して上っていくことになるのだが、オルドはあえて何も言わなかった。あまりにもサイの発言が馬鹿馬鹿しすぎていて何もいう気にならない。


「――いいじゃないか、覗き。スリリングだよ」


 しかし、予想し得なかった方向から横槍が入る事になる。そこに立っていたのはラグナ・レクイエムその人である。美少年は白い歯を見せてさわやかに微笑みながらサイに同意した。

 そうして三人はそのまま移動し、入り口前に立ち尽くしているのである。女湯から出てくる女性たちは皆目の前で立ち止まっている男子三名に驚き、そして全員美少年であるラグナの微笑みに釘付けになって去っていく。そんなことを繰り返し、もう二十分は経過しただろうか。沈黙を破ったのはオルドだった。


「なあ、無意味な事は止めないか……? 失敗すれば変質者、成功してもただ裸がチラっと見えるだけだぞ」


「いいじゃん、チラリズム〜」


「じゃあ、オルドはモロに見えるのがいいのかい?」


「そういう事を言ってんじゃねえんだよ!? 無駄だっつってんの!!」


「オルド……」


 無言で首を横に振り、サイはオルドの肩を叩く。そうして無意味に凛々しい表情を浮かべ、真面目な声色で囁く。


「無駄を楽しむ……それが人生を楽しく生きるコツだぜ〜?」


「良いこと言ったみたいな顔してんじゃねえぞコラ……。意味わかんねえだけだろが……」


「オルド、僕は女の子の裸が見たいんだ!」


「お前はお前で何真顔で言ってんだ!? 何で本気アピールしてんだよ!?」


「すごく……覗きたいんだ……」


「いちいちかっこよく言うな!! かっこ悪いからなそれ!?」


 ラグナはその場に両膝を着き、涙を流していた。サイはそんなラグナに駆け寄り、そっとその肩を抱く。そんな二人を遠巻きに眺めながらオルドは静かにため息を漏らしていた。そんな時である。


「こんなところで何を座り込んでいるんですか?」


「げっ!? リンレイ!?」


 三人の背後には今正に温泉に入ろうとやってきたマキナたちの姿があった。オルドは一人あわてた様子であたふたしながらリンレイから逃れようとするが、襟首をがっちり掴まれてしまう。


「何が“げっ!? リンレイ!?”なのかしら、オルド……?」


「い、いや……別に……。ただ、風呂に入りに来ただけだろ、ハハハ……」


 と、リンレイから視線を逸らしたその先に座り込んだままのラグナとサイの姿がある。二人はリンレイのミニスカートの中身をさりげなく、しかし凝視していた。オルドは無言で二人を吊るし上げる。


「そ、そんな怒んなよ!? 別にいいだろ!? ちょっとくらい!!」


「ガーターベルトって、いいよね」


 二人はオルドの手によって頭を頭を衝突させられ、放り投げられた。路傍に転がった男子二人を見下ろし、マキナは若干引いた様子である。


「な、なんでオルド君いきなり二人の額をかちわろうとしたの……? こ、こわい……っ」


「よくわかんないけど、もしかして男子メンバーってあんま仲良くないのかにゃー」


 その逆なのだが、勿論それは誰も口にはしなかった。


「痛いよオルド……。君ってバイオレンスだね」


「お前はなんなんだ……? お前のキャラがつかめなくてどう扱えばいいのかよくわからねえ……」


「僕は――僕さ!」


 もうオルドは深く考えない事にした。未だに言い争っている男子三名を避け、リンレイは進んでいく。


「もう相手にしないで行っちゃいましょう」


「そ、そだね」


「オルド君こわい……」


 三人がそれぞれのリアクションを残し、暖簾を潜っていく。それを見送り男子三名はそれぞれ別のことを考えていた。オルドは内心ほっとしており、サイは面白そうだとニヤニヤし、ラグナは今日のお肉のことを考えていた。


「へっへっへ、これでちょっと面白くなってきたじゃん?」


「はあ? 何がだ?」


「判ってないね、オルド。今……脱衣所の中では三人が着替えているんだよ? 今日一日遊びまわり、汗をかいた身体……。楽しく三人で喋りながら、しかし恥らいながら下着を脱ぎ……ごふっ!!」


 オルドの鉄拳がラグナの顔面を射抜く。壁まで吹っ飛ばされ、しかしラグナは倒れなかった。


「僕のイマジネーションは君の拳では砕けないよ……!」


「大丈夫か、こいつ……。二重の意味で」


「いやいや、でも実際あの三人が入ってる風呂だぞ? にしししし……っ! これは覗き甲斐があるってもんだぜ!」


「まあ確かに、ニア以外はプロポーションいいからな。ニア以外は」


「女の子を愛するのに、モノの大きさは関係ないよ。そうは思わないかい、オルド」


「お前は少し気絶するなり黙るなりなんなりしてくれ」


「兎に角行くぜ!! とっつげきーっ!!」


 サイは二人の手を取り、男湯に走っていく。そうして三人の姿は脱衣所の中に消えていったのであった……。


「これ二話にまたいでやるようなことか!?」


「誰に言ってるの? オルド」


〜ねっけつ! アルティール劇場〜


*ありがとうございます*


マキナ「毎回恒例のアンケート中なんですよー」


ニア「もう三度目?」


マキナ「本編での出番が増えたり減ったり、番外編が出たり出なかったりする重要なものなんですよ〜」


ニア「さて、一日経過の速報では……予想外にヴィレッタ先輩人気だにゃ」


ヴィレッタ「…………。いや、なんでだろう?」


ニア「うーん、わかんない」


マキナ「わかんないね……」


ヴィレッタ「わかんないな……。むしろろくな事してないから嫌いの方にあがると思ってたんだが」


マキナ「なんだかんだで序盤からいたから?」


ニア「それ言ったらボクらは……?」


マキナ「…………」


ヴィレッタ「ま、まあ初日だからな。まだどうなるかは判らないさ」


マキナ「ですよねっ!」


ニア「てか、誰? いきなり勇者に入れた奴は……」


マキナ「そしてバトル路線希望だねー。ほのぼのしすぎてるんでしょうか」


ニア「月編が終わればもうずっとバトルだからいんじゃない?」


マキナ「そんな感じで、アンケート実施中です! ご協力よろしくお願いします! そしてマキナに清き一票を!」


ヴィレッタ「その時点で清くはないんじゃないか?」

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