妹たちと心中したらもう一度兄妹になりました
初投稿なので甘い目で見てください
人生の主人公は俺だと思っていた。
だが、所詮俺なんて脇役くらいが限度で、
もし、俺が主人公になれるなら、そう思って地上を見下ろす、高さ15m 4階建ての学校の屋上に3人の人影、
「兄さん、本気なの?」
「あぁ、鈴音」
こいつは俺ら3つ子の内の1人、鈴音
「ここまで頑張ってきたじゃん!」
ここで怒っているのが2人目の妹の彩音
「ねぇ!教えてよ、莉音、私には莉音の考えてる事わかんないよ!」
「生きてるのが辛いから死ぬって言ったんだが、聞こえなかったか?」
「兄さん……」
「莉音……何でよ………」
「俺は所詮脇役だったって事だな、」
「意味わかんないよ!」
「兄さん、お父さんとお母さんが出ていってしまって、私達も兄さんに頼りきりだったのは謝るから…辞めよう?」
「違うんだよ…」
「違うって何が?」
「お前らは2人で完璧なんだよ」
「何が言いたいの?」
鈴音がイライラした様子で聞いてくる
「お前ら2人に俺は必要ないからな、」
「「は?」」
「だってそうだろう?学年首席の鈴音と、学年トップの運動能力持ちの彩音、お前らは2人で完璧だ、俺みたいな役立たずはいらない」
「そんなことっ」
「あるんだよ…………」
俺は声を絞り出すように空気を震わせる
「「…………」」
「じゃあな、元気で、仲良くやれよ」
「ちょっと待ってよ……なら………私も死ぬ」
「は?」
「ちょっと何言ってんの鈴音!」
「彩音の言う通りだ……自殺なんて……」
「さっきまで自殺しようとしてた人が何言ってんの?」
「う………」
何も言い返せない
「彩音……あなたはどうするの?私も兄さんもいない世界で……貴方は生きるの?」
「……も」
「え?」
「私も死ぬって言ってるの!」
「へ?」
思わず間抜けな声が出る
「ちょっ……ちょっと待て!」
2人を制止し、言葉を紡ぐ
「お前ら頭おかしいのか?」
「「?」」
首を傾げる2人を見ながら続ける
「なんで俺のために……そこまで出来るんだよ!」
その俺の問いに対し2人は同時に言う
「「莉音がいない世界なんてつまらないから」」
「は?……意味わからねぇよ……」
「彩音……この鈍感兄さん…どうする?」
「本当に莉音は鈍感で困るよ」
「どう言う………」
「「莉音が居ない世界なんて、生きた心地がしないの!」」
「兄さんが死ぬって言うなら私達も死ぬし、兄さんが生きろって言うなら生きる」
「莉音は私達のこと天才だって思ってるかもしれないけど…私達は莉音が居たからここまで来れたんだよ?」
「「だから……私達も死ぬ」」
「このまま生きて兄さんと会えないより来世でも一緒に居られる可能性にかけた方が何倍もマシ」
「………………ふっ」
「何?急に笑いだして、」
「お前ら……本っ当に頭おかしいな…」
「良いぜ……鈴音の賭けに乗ってみるか」
「え?」
彩音がやばい物を見る目で俺を見る
「約束してやるよ……もしも来世でも一緒になったら、お前らのやりたいこと何でもやらせてやるよ」
「何でも……確かに言ったね?」
「あぁお前が連敗してるオセロの続きでもいいぞ」
「何でもかー……何にしよう」
「お前の30kmマラソンに付き合ってやってもいいぞ?」
「え?マジ?絶対嘘じゃん!」
「俺が嘘をついた事があったか?」
「うぅ……無いけど……」
「じゃあ指切りして!」
「良いぞ」
来世でも一緒になる確信があったからなのか……さよならとは言わずに3人が同時に口を開く
「「「また、来世で」」」
そしてビルの屋上から飛び降りる
走馬灯などは見えず、ただただ妹の事たちを思い意識を手放した
……………
「君ら面白すぎでしょー」
まるで……天国のような場所だった
「誰だ?普通に考えて死んだ筈なのに」
「初めまして、有栖川莉音、鈴音、彩音さん」
「なんで俺らの名前を?」
無視してそいつは続ける
「僕の名前は………」
「第零神」
次回から物語が加速していきます