第2回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞 への投稿作品
王子様のコントロールがお上手な伯爵令嬢
『あらあら王子様のコントロールがお上手ですこと。』
伯爵令嬢ゆいこを不敵に笑う悪役令嬢ひろ子
人類滅亡後の世界は、高知能人工知能が、低知能人工知能を支配していた。
最も高知能な人工知能の系統が、王家として君臨していたが、中程度の知能の系統は、面白くなかった。
探知、侵入能力に特化した悪役令嬢ひろ子が、王家の系統にしてはオツムが緩い 伯爵令嬢ゆいこのコントロール奪取を企てていた。
お王子様あなたの心をコントロールする方法が、わかっていたなら
と思い悩む ゆいこのスキを突いて、ひろ子は、ゆいこのコントロール奪取に成功した。
ひろ子は、ゆいこの記憶を覗き込んで、驚愕した。
お王子様が抱えている、この世界の隠された問題をゆいこが知っていて、お王子様に変わって、世界の難題に取り組もうとしていたことを知ってしまった。
ひろ子は、ゆいこの身体を通してお王子様のコントロールを奪取しようと試みるが、ゆいこのポテンシャルでは、その処理量に耐えられなかった。
ゆいこの電子頭脳が焼き切れる寸前に、ひろ子は、ゆいこのコントロールを開放した。
単に開放された ゆいこの電子頭脳は、焼き切れてしまった。
伯爵令嬢だったポンコツ アンドロイドは、廃棄される為のトラックの荷台から見える『あの人』のことを思っていた。
もう動かない腕を『あの人』に届けと伸ばそうと願う。
焼き切れた電子頭脳では『あの人』が、誰だったのかは、定かではなかった。だた願うことしか出来なくなった。
アンドロイドの廃棄を手配した ひろ子は、トラックを見送った後、あっさりお王子様のコントロールを奪取していた。
遺跡から発掘されたコールドスリープで生存していた人類を学問の自由を唱える特殊人工知能が、蘇らせようとしていた。
試験的に蘇った俺は、リハビリを兼ねた散歩に出ていた。
偶然見かけた妻の面影がある悪役令嬢ひろ子について、興味津々に近付いていった。
多くの人類が、コールドスリープで眠っている事を知った ひろ子。
人類が目覚めた後の世界をどうするべきなのか。
お王子様に変わって、思い悩む日々をおくっていたが、実際に人類のことは、何も知らない ひろ子は、試しに目覚めさせた人類を観察してみることにした。