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Skies fall down  作者: 伊佐谷 希
第5章 神か悪魔か
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第5章1 フォックスハウンド 〜観覧式当日

-1-

 中央都市国家ミズガルズを襲った混乱から一夜が明けた。ヤオフーは副船長のカインとリーとハク、ネズミの亜人であるスープーを船長室に呼び出すと、二人を相手に昨日の事情聴取を始めた。


 「忙しいところ集まってくれてありがとう。まずはカイン。もう一度詳しく昨日のことを話してくれるかい」


 「ええ、わかりました」


   ◇  ◆  ◇


 ——昨日、午前十一時。その日、その時、中央都市国家ミズガルズでは観覧式は開始予定時刻を過ぎ、慌ただしく人々が動き回っていた。フォックスハウンドに残ったクルー達も観覧式の主役であるミズガルズの飛行遺跡の奪取のため、また空からの部隊の強襲に備え、第一戦闘配備で待機していた。


 「リー、ハク、スープー!そろそろ観覧式が始まるぞ!気ィ引き締めろ!」


 副船長のカインが艦橋からハンガーでギア・ワーカーに乗り込み待機している三人に通信を送った。フォックスハウンドには三機の聖痕機ギア・スティグマータと五機のギア・ワーカーが搭載されている。パイロットはフリン、ヤオフー、アクラ、リー、ハク、スープーの六人がいるが主戦力であるスティグマータは専属パイロットを必要とし、三機すべてがパイロットと共にミズガルズに潜入している。もちろんフォックスハウンドのクルー達は皆、銃器による白兵戦への心得はあるが、攻守の要はリー、ハク、スープーと五機のギア・ワーカーに委ねられていた。


 「いよいよだな」


 リーが通信を返す。


 「奴ら、本当に現れるのかな?」


 スープーがそれに返事を送る。


 「それに備えて船長たちはミズガルズに潜入したんだ。わざわざ傭兵として軍内部に入り込んでな。何も起きないなら、それに越したことはない。とにかく船長からの合図を待つぞ」


 カインが応える。フォックスハウンドでも観覧式の中継映像をモニターしている。今、カメラは高台から広場に集まる人々を映し、この観覧式がいかに注目すべきものかを告げている。


 「お!お偉いさんが出てきたみたいだぞ!」


 ハクが言った。中継映像は背景がミズガルズ城に変わり、中央に据えられた演台に向かって歩くミズガルズ王を映していた。


 「見ろよ、アクラさんもいるぜ!」


 「やっぱり、あの人の軍服姿は様になるなー」


 映像を見ながら、リーやスープーも会話に加わる。会場ではミズガルズ王の側近たちが演台の後ろに並び、その両脇に護衛の兵達がセレモニー用の軍服を着て待機していた。カインは見知った顔を見つけ緊張が緩んでいる三人に若干の苛立ちを覚えつつも、いよいよ開始される観覧式の映像に注視していた。


 「本日は、歴史に刻まれるべきこの良き日に、こんなに多くの方達にお集まりいただき大変感謝している……」


 観覧式が始まり、ミズガルズ王の挨拶が始まった。


 「なげぇよ…。このおっさん、いったいいつまで喋る気だ」


 また、ギアパイロット三人組がぼやき始める。たまらずカインは。


 「お前ら、いい加減、気ぃ引き締めろ」


 と、怒りの声を漏らす。


 「やばっ」


 「こわいこわい」


 「お前ら、うるさいんだよ」


 と、リー、ハク、スープーは三者三様に反応し、艦橋への通信(三人側からの音声発信のみ)をミュートした。


 「やれやれ……」


 三人のお調子者にカインが頭を悩ませているうちにも観覧式は粛々と進む。いつの間にかミズガルズ王の挨拶は終わり、映像の中では大臣の一人が飛行遺跡の概要を説明し、これから遺跡を披露するところまできていた。


 映像に映る民衆たちとともに、フォックスハウンド内部にも期待と不安で緊張が高まっていくのを感じていた。

ご高覧いただきありがとうございました。

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