第4章23 観覧式前夜
あれから数日が経過した。
フリン達が傭兵として入隊したその日、一通り、施設や軍規などのオリエンテーションを受けた後、今回の観覧式のミーティングが行われた。そこではヤオフーの得た情報通り観覧式で空中に浮かび上がる大規模の、一つの都市と言っていいほどの大きさのある遺跡のお披露目が予定されているのことだった。
配置については、アクラが所属する第一小隊はミズガルズ王等要人周辺の警護。ヤオフーの所属する第二小隊及びフリンの所属する第三小隊は観覧式に訪れた客の誘導、監視や警備などを行なう。
初日のオリエンテーション以降は、小隊毎での訓練や観覧式本番を想定した演習などに明け暮れる日々であった。その裏でフリン達は——。
「情報通り、空中都市はあったみたいだね。フォックスハウンドには連絡を入れたから、これから少しずつ工作隊がミズガルズに入ってくるよ」
「俺もヤオフーも誘導兼警備が基本的な任務だから、隙を見てそいつらを中に入れることもできそうだな」
「そこらへんも当日までには目処をつけておくさ」
「フリン、コールのやつは今のところ特に目立った動きは見せていない」
「そうか…」
小隊によって宿舎は分けられていたが、情報共有のためアクラ、ヤオフー、フリンの三人は夜間に他の隊員の目を盗んで打ち合わせをするようにしていた。幸いにも、軍には大食堂があり、そこには隊を問わずたくさんの兵達が集まっていたから、集まること自体は難しいことでは無かった。
「兄さん、あいつにはやっぱり聖痕は?」
「ああ、俺もそれとなく確認してみたが、やはり見当たらないな」
「聖痕もない人間が、亜人の私よりも早いなんて…」
「それだけじゃない、あいつのギアの事も…」
「わかってる。今後も監視は続けるさ」
フリン達も着実に準備を進めている。しかし、不安材料があるとすれば、やはりそれは共通してコールに行き着いていくのであった。
そして観覧式前日の夜になり、それぞれが思惑を巡らせ休息を取る中——。
「…情報は正しかったですよ。明日はよろしくお願いします」
どこかへ通信するコールがいた。
ご高覧いただきありがとうございました。
ブックマーク、評価よろしくお願いします。




