第4章8 傭兵志願
ギアに乗り中央都市ミズガルズにやってきたフリンたちは衛兵に案内され都市東側に位置する正門からやや左に行った南東門、軍用出入口から都市に入り傭兵志願者用に解放されたハンガーへギアを収容したのち司令部へ行き傭兵志願の受付を済ませた。その時に受けた説明によると志願者同士で生身で一回、ギアに乗って一回の計二回模擬戦を行なうらしい。
「模擬戦なんて聞いてないぞ。どうすりゃいいんだ…」
「ふんっ」
「まあ、志願者全員無条件で受け入やしないか。技量もわかんなければ、素性だって信用ならない奴らばっかりだしね」
「素性に関しちゃ、俺ら三人ともキナ臭い奴らのくくりだもんなー。受付の人、相当怪しがってただろ」
「あんたは傭兵っていう割にはガキっぽい平和な顔してるからねぇ。でも、あんたはまだ良いよ。私や兄さんなんか故郷が地図に載ってないし誰の記憶にもないからね。まあ模擬戦でなんとかなるだろ」
「おまえらは騎士だからなんでもないだろうけど、俺は闘い方なんて全然わかんないぞ」
「ふんっ。難しいことは考えなくていい。聖痕を持ったおまえなら落ち着いて相手の動きを見れば負けることはない」
以前、アクラから聖痕について聞いた事がある。身体能力の強化やギアの遠隔操作など聖痕には様々な力があるということだったはずだ。しかし、フリンには今のところ自己治癒力が強化されていたぐらいしか自覚がない。
「安心しろ。おまえなら大丈夫だ」
アクラが繰り返し告げる。フリンはにわかには信じ切れないが、とはいえ自信がないという理由で試験内容が変わる訳でもない。もう腹を決めるしかなかった。
今回の志願者はフリンたち三人を含め十人。これから選考試験が始まる。
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