第3章12 寡黙な男
「なんで捕まった、だ?」
アクラは、フリンの問いかけに低く荒々しい言葉で返す。不機嫌なのか地の反応なのか区別がつかない。
「いや、答えたくないならいいんだ!俺と違ってアクラは強そうだから、ワーカーになんて引けを取らないと思っただけで…」
フリンは慌てて言い繕ろうと、アクラは変なものを見るような目でフリンを見つめる。
「何だお前?まさか、ワーカーにやられたのか?」
「そ、そうだけど…」
「チッ、だらしねぇ。足手纏いは必要ねえぜ」
そう言って、アクラは飯の前と同じように、フリンに背を向け寝る体制に入る。結局、捕まった時のことはうやむやにされてしまった。アクラにしても、捕まったことは屈辱的な事で、他人には話したくない事なのだろうか。
フリンは内容を変え、何も話さなくなったその背中に問いかける。
「お前の脱出計画って、どんなものだったんだ?」
「……」
「教えてくれよ!」
「あの女に、そう聞くよう頼まれたのか?」
「違う。あいつは人質を使って、別のことを俺に要求してきた」
そう。狐の亜人の女船長は、ユニを人質にし、フリンに中央都市ミズガルズに傭兵として潜り込み、スパイをするように強要してきた。ミズガルズが発掘した、ある遺跡を調べるために。
アクラは一体何の為に囚われているのか。
「アクラは、やつらに何も言われてないのか?」
「……」
アクラはそれには答えず、逆にフリンには質問した。
「お前は何を言われたんだ?」
「…ミズガルズをスパイしろって言われた。そうすれば俺もユニも自由にするって」
「信じてるのか?」
「わからない。でも人質をとられたら、嫌とは言えないだろ!」
「…まあいい。おまえはミズガルズに何があるのか、わかってるのか?」
そう言い、アクラは真っ直ぐに俺の目を睨みつけた。俺の瞳の中に何かを探すように…。
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