第3章9 ネズミの身長
「待て、やつらが戻ってきた」
アクラは格子から離れ、牢の奥に戻ってくる。アクラと入れ替わるように、先程の三人組が格子の前に現れた。
「おい!えーっと…。おまえ、名前はなんで言うんだ」
「…フリン」
「フリン。ボスがお呼びだ。来い」
フリンはアクラを一瞥する。アクラは奥の壁に背を預け俯いていた。その表情は読めない。
「早くしろ!行くぞ」
フリンは牢から出しネズミを先頭にして、フリン、残りの二人と続く。フリンの後ろの二人は銃を構え、フリンの行動に注意を払い、何かあればすぐに発砲出来る構えだ。フリンは大人しく彼らに従う。
四人は潜砂艦フォックスハウンド内を縦横に歩いた。案内されるまま素直についていっていたフリンではあったが、これが最短の順路だとは思えなかった。通った通路にも特徴的なところはない。フォックスハウンドの内部構造を把握させないためだろうか。手が込んでいる。
道中、四人は一言も話すことはなかった。
やがて四人は一つの扉の前に行き着いた。
「この先にボスがいる。妙な気は起こすなよ?女がどうなるかわかるよな?」
ネズミが振り返り、先んじてフリンに忠告する。
フリンの後ろにいた男の一人がネズミの前に出て、扉の脇のインターホンを押した。なるほど。あのボタンはネズミには少し高い位置にあるな…。
男がインターホン越しに、いくつか言葉を交わすと三人の元に戻ってきた。
「行くぞ」
そうして、目の前の扉が開けられた。
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