第3章7 砂漠の狐
???「盗賊団『砂漠の狐』の旗艦フォックスハウンドへようこそ」
現れた三人の内の一人がそう歓迎の言葉を述べた。三人とも嫌な顔でニヤニヤ笑っている。フリンは発言した相手の顔を見て、ふと口から言葉が漏れる。
「ネズミ…?」
フリンのその発言を聞き、他の二人が大声で笑う。
「確かに!こいつはネズミだよな」
「やっぱ、みんな最初はそこを突っ込むんだな」
「おまえら、うるせえぞ!てめえも調子に乗ってんじゃねえぞ!」
フリンの前に現れた三人の内の一人も亜人だった。顔はネズミのようで全身も体毛に覆われていて尻尾もある。しかし身体の作りは人間のように直立して二足歩行しており、手の指も人と同じように発達している。身長は175cmのフリンの腰より少し上くらいだ。
他の二人はフリンと同じ普通の人間である。
それが盗賊団の制服なのか、三人ともお揃いの黄土色の作業服に焦げ茶色のブーツを身につけている。
「ユニはっ!?ユニは、どこにいるんだ!?」
「あの女なら、今ごろボスのところで楽しくやってるよ。それより、おまえ、うるせえよ。ちょっと静かにしてろ」
「なんだと!?ふざけんじゃねえぞっ!——っ!!?ぐわっ!」
フリンは興奮して格子に身体をぶつけて、怒鳴り散らしていた。ネズミが持っていたスタンガンでフリンを攻撃する。
「おい、相手は聖痕持ちだ。やりすぎるなよ」
ネズミの仲間が注意する。
「ふん。おまえ、騒ぐなら何度でもこいつを喰らわせてやるからな。あとで船長からおまえに話がある。それまで大人しくしてろ」
そう言い残して、三人の男たちは去っていった。
「おい、首を見せろ」
一緒に牢に囚われている赤い肌の亜人がフリンに云う。
「な、なんでそんな…」
「別に何もしない。いいから早く見せろ」
赤い肌の亜人はフリンを見る目を細め、凄みをきかせる。フリンは圧倒され、渋々首筋を見せた。
「ふん、確かに聖痕持ちみたいだな。おまえも機体ごと捕まったのか?」
「多分な。奴らにやられて、気づいたらここにいるから機体も一緒なのかわからないけど…」
「多分?自分の機体の位置もわからないのか?」
「え?」
「まあいい。ここは潜砂艦の中なのは、さっきネズミが言ってたよな。やつらギアを集めてるらしい。俺のギアもこの艦に積まれてる。おそらくおまえのギアも同じ場所にあるだろう」
赤い肌の亜人が続ける。
「俺の名は、アクラ。おまえは?」
「……」
「さっさと答えろ。話がある」
フリンは警戒心を露わにしたまま、とりあえず名前を答えた。アクラは格子のある壁面のそばに行き、周りに人がいないことを確かめると、そこで人の出入りを警戒したまま、フリンに話を持ちかけるのだった。
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