第3章6 囚われのフリン
???「おい、見ろよ。女が乗ってるぜ」
???「へっ、羨ましい限りだな」
???「ちょっと待った。こいつも聖痕持ちみたいだぞ」
???「マジかよ!?俺ら本当に運がねぇなぁ」
???「勘弁しろよ。聖痕持ちなら聖痕持ちらしくしろよな。あんなに歯応えなかったくせによぉ」
???「どうする?」
???「まあ、とりあえず持って帰るしかないだろ」
???「また、はずれだったって知ったら、ボスなんて言うかなぁ」
???「やめてくれ。ほら準備するぞ」
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「うぅ…。ここは…?」
フリンが目を覚ますと、そこは見知らぬ場所だった。目覚めてすぐの、おぼろげな意識がだんだんはっきりしていく。
「ユニっ!?」
フリンは反射的に幼馴染みの名を叫んでいだ。果たして無事でいてくれてのか?
「やかましいやつだな…」
不意にフリンの後ろから声が聞こえる。その途端、フリンは幼馴染みの安否を心配する気持ちと、先の砂漠での戦闘の興奮が呼び覚まされ、完全に混乱状態に陥り、声の主に飛びかかっていた。
「貴様ぁぁぁあああ!!!」
しかし、声の主はそんなフリンを軽くあしらうと、床に転ばせ、床に倒れたフリンの頭を踏みつけ、その動きを制した。
「くそっ!くそっ!ユニはっ!?ユニをどうした!?」
「落ち着け。よく見ろ。俺は関係ない。俺もお前と同じだ」
フリンは踏みつけられたまま、顔の向きをずらして声の主を見上げた。
声の主は、その両手首を手錠で繋がれている。そしてその先に見える顔は紅潮した肌にしては赤すぎる色をしており、よく見るとその耳もフリンのそれとは違い長く鋭く尖っていた。薄く開いた口の中には牙も見える。
いや、顔だけではない。服の間から見える皮膚全体が赤く、また、その体躯はフリンやヴィーグリーズ村の人達よりも一回りも二回りも大きく、筋骨隆々である。
——亜人だ。
「うわっ!?」
フリンは思わず悲鳴を上げてしまった。声の主のフリンを踏みつける力が強くなる。
「俺の顔が、どうかしたか?」
「え?あ、いや…」
「チッ」
声の主は舌打ちをすると、ようやくフリンを解放した。フリンは踏みつけられた屈辱こそあったものの、先程のような興奮は落ち着いていた。
冷静になったところで、フリンは自身の両手首にも手錠がはまっていることに気がついた。同じとはそういう意味だったのか。
「おまえら、うるせえぞ」
また声が聞こえる。
しかし今度の声は同じ室内からではなかった。落ち着いて周りをよく見てみると、この部屋は三面は窓のないしっかりとした壁で覆われていて、残る一面は格子状の壁に、同じく格子状の扉がついている。
フリンは牢の中にいたのだ。そして格子の向こうの通路から三人の男が姿を現した。
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