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Skies fall down  作者: 伊佐谷 希
第2章 旅立ち
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第2章10 一夜明け

 悪夢の夜が明けた。

 目を覚ますとすでに太陽は天頂に届きそうなほど高く登っていた。


 「ユニはっ!?」


 しかし、コカヴィエールの手には何もなかった。

 どこに行ってしまったんだろう?生きているのか?

 あたりを見回してみる。すでにあの兵士たちの姿はない。


 「これはなんだ?ここは村だよな?」


 昨夜、フリンは確かに広場の付近にいたはずだ。

 しかし、今いるここには何もない。広場中央に設置された花壇と時計塔、広場を囲むように並んでいた商店、それらがコカヴィエールを中心に爆発でもあったように形をなくし崩れ落ちていた。村人たちがあたりを忙しなく動き、負傷者の手当てや瓦礫の片付け、犠牲者の対応などに追われている。


 フリンがその様子を見ていると、機体の正面、両側を花壇に囲まれていた時計塔に続く広場中央の道を通り村長たちが歩いてくるのが見えた。ユニの父親もいる。

 村長たちがコカヴィエールの前で止まり、何やら議論を交わしている。

 いつまでも機体の中に籠もっているわけにもいかない。ユニの父親にユニの安否を確認したい気持ちもあり、フリンは機体から降りることにした。

 コックピットを開く。


 「うわっ!動き出したぞ!」


 村長たちは突如動き出したギアに恐怖し、その一挙手一投足を身体を強張らせ見つめていた。しかし、ギアは体勢を整え、コックピットを開くのみだった。恐る恐る中を覗いてみると、見知った青年が乗っている。

 その青年にユニの父親が声をかける。


 「フリンなのか…?」


 「おじさん、一体これは?」


 「何も覚えていないのか?」


 昨夜、フリンは村を守るため、コカヴィエールで村の広場に戻ってきたはずだ。

 しかし、それ以降の記憶がはっきりとしていない。


 「ユニは…?ユニはどうなったんだ?」


 ユニの父親はひとつ溜息をついてから、ゆっくりと穏やかに、ただしそこに何かしら怒気を含んだような力ある口調で話だした。


 「ユニなら無事だ。俺たちでそのギアの手から運んで、今は病院にいる。先程意識も取り戻した。

 それよりもその機体のこと、昨日の軍隊のこと、なぜ村を破壊したのか聞かせてもらおうか」


 村を破壊した…?

 フリンにはその心当たりがない。


 「ちょっと待って!村を破壊したのは奴らだろ!?」


 「確かに、奴らも村を破壊した。だが、この広場の光景を見ろ。村の半分がここと同じように吹き飛んでいる。これをやったのはそのギアだ。知らないとは言わせないぞ」


 フリンはユニの父親が何を言ってるのかわからなかった。昨夜の記憶もはっきりしていない。

 しかし、ここに集まっている村人たちはユニの父親や村長をはじめとして、誰もそんな俺の様子に気を留めない。中には怒りを、中には恐れを、中には混乱を含んだ様々な視線を浴びせフリンに説明を求めている。


 フリンはコカヴィエール発見の経緯から順番に話すこととした。

ご高覧いただきありがとうございました。

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