リアルの転校生
俺が彰人と話している間にホームルームの時間になった。
案の定悲惨な結果な英単語テストの後で担任がこんな事を話した。
「今日は隣の3組に転校生がやってきた。名前は後藤莉奈というそうだ。同じ学年の新しい仲間だ。仲良くするように。」
「ほーら嘘じゃないだろ」
「そうだな。悪い悪い」
「ジュースか購買のパンでいいぜ?」
「買うか」
そんな事をコソコソ話しているうちにホームルームが終わると
「なあなあ賢治。転校生を見に隣のクラスにお邪魔しようぜ。」なんて事を彰人が言い出しやがった。
「やだよめんどくさい」
「一緒に行くならさっきの借りは無しでいいぜ?」
「...はあ」
俺は重い腰を上げ、隣のクラスへと歩き出した。
隣のクラスはやはり転校生への質問イベントが巻き起こっているらしく、席を取り囲む人々のせいで転校生が見えなくなるほどだった。
「おっしゃ行くぞ賢治」
「はいはい」
ガヤガヤと騒がしい人々をかき分けようやく転校生の近くへ着き、その姿を見た瞬間その美しさに対する感情より最初に浮かんだ感情は...
「あいつ...どっかで見たことある気がする」
その長い黒髪も綺麗な顔立ちも誰かと話す雰囲気でさえ、初めて見た気がしなかった。
「おい賢治!これは...これはやばい程の美少女だぞ!...賢治?おい賢治?おーい?」
「あ、ああそうだなすごい美人だ。」
「これは久しぶりに胸が高まるな!」
そんな会話をしながらも俺はひたすらに、最初に浮かんだ感情に疑問を感じていて...こちらを見つめる彼女の目が俺と同じ目をしていることになど気づくはずもなかった。




