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性別変換転生…って、マジかよ(焦  作者: 夕月誠
プロローグ
2/2

転生と記憶


「あーくっそ…本当…最悪…」



XX年春…道のあちこちに桜が咲いて淡い桃色のような白色のような花びらが風に揺れる。


歩道を歩く少年少女達は緊張と希望に溢れた目をして足を進める。

彼らの着てる制服はまだ真新しく、初々しさをそのまま表している。


大和桜ヶ丘学園…通称、大和桜(ヤマトザクラ)

中等部、高等部、大学部があり

入試倍率は50倍、超難関として有名な学園である。


制服は、男子は緑を基本としたブレザーで、襟の縁は桃色になっている。

女子も似たような感じだが、裾と袖にも桃色のラインが入った仕様になっている。

スラックスやスカートは灰色のチェック柄となっているが、一部、桜の花びらが刺繍させている。


普通であれば、制服を着れるだけでも感動ものといわれる代物だが、一人少女は他の人と違った。


女子にしては低めのアルトボイスで、ヒラヒラ風に舞うスカートに悪態をつきながら、事前に配られた学生証【仮】を門にいる人に見せ学園の敷地へと足を踏み入れる。


遠くに見える校舎を見つめながら、いつになっても慣れないスカートの裾をギュッと握り


瞳を閉じた





彼女が生を受けたのは、12年前

両親と姉に祝福され産まれた。

そして、一年後弟も産まれた。


ある時、彼女は階段から落ちた

それは5歳の頃、同じ幼稚園の男児に突き落とされた。その男児からしたら、驚かそうとしただけだったのかもしれない。好きな子にイタズラするそんな思いがあったのかもしれない。

だが彼女は足を踏み外し数段下に落下した。


幸い彼女は一命を取り留めた。

家族は、喜んだ。良かったと嬉し涙を流した。


彼女が目を覚ましたのはそれから数日後であったが、彼女は、その事故が原因で思い出してしまった。


そう…前世の記憶を


男子高校生として、普通の公立高校へ通っていた

そんな記憶を思い出し彼女が一言呟いた。




「性別変換転生…ってマジかよ(焦」




混乱する頭をなんとか落ち着かせ

彼女はそれを誰にも言わないと決意した。




「言ったって信じられないだろうし、オレ…僕だったら信じないからね」




前世での一人称を口にするも、今の身体は女という事を思い出し、僕と言い換える。

(まぁ、僕っ娘でもいいでしょう)



それから、7年

母や姉に散々着せ替え人形みたいにスカートを履かされた彼女だが、いつになっても慣れないと嘆く。



目を再び開け溜息をひとつ吐いたあと

重い足を、前に出し歩き始めた。





ーーーーーーーーー

体育館



わりと広い体育館には新入生で溢れていた。

ガヤガヤと煩いそこは、彼女にとっては最悪そのもの

まるで、前世の某同人誌即売会のような密集なのだ。




「静かにしろ」




不意に響くバリトンボイス。壇上を見ると、まぁ絵に書いたようなイケメンが立っていた。

その声に今まで煩かった声が無くなりシーンとした空気が流れる。




「どうも、初めまして。総勢1000人の新入生諸君入学おめでとう。」




生徒会らしき人達が、祝辞などを喋る。

そしてこの学園での注意事項なども話し始める。

この学園ではそれぞれ、aからkまでのランクを決められる。それぞれのクラスは30人33のクラスに分けられるそうだ。

簡単に説明してしまえば


Aランク 一クラス

Bランク 二クラス

Cランク~Eランク 三クラスずつ

Fランク~Jランク 四クラスずつ

Kランク 一クラス

となる。


それぞれ、入試の点数+魔力の量+使い魔

これの上位からクラス分けをしているらしい。


その中でもトップ10に入ると

Sランクといい、学園全体に尊敬されるとかかんとか?




「さて、説明はこのくらいにして…君達は学生証【仮】を今持っているね?」


「今からクラスを発表する。その学生証【仮】は【仮】が無くなり普通の学生証になるから、無くすなよ?」


「それからー、クラスの発表はその学生証に出るからー各自、ちゃんとそれぞれのクラスに行くようにー以上!」




生徒会の役員がそう述べた瞬間

キラキラと学生証【仮】が光り出す。


【仮】の字が薄れ

代わりのモノが浮かび上がってくる。




「Bの1か、まぁまぁかな」




前世に良くあった漫画やアニメでは

こういうとき、大概が何かしら問題があって

一番下のクラスから這い上がるってのが多いが


彼女はそれを嫌った。




「何事も平凡が一番…」




そう呟き、他の生徒同様

学園の地図を見ながら、自分のクラスを目指し始めた。

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