表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/13

8

 その日からおばあさんは、自分の健康に気をつけるようになりました。自分が体調を崩すと、フジにも影響が出てしまうからです。


 おばあさんは本屋へ行くと、『長生きするためのお食事』という本を買い、その料理を作って食べました。料理をするのが楽しい、食べ物がおいしいと感じたのは、久しぶりでした。

 フジは、いつもよりおいしいそうに、えさを食べるようになりました。小食だったはずが、いつの間にか食欲旺盛になっていました。


 おばあさんは、自分もフジも、大切にするようになりました。



 おばあさんは、おひさまの光を浴びたお布団で、よく眠るようになりました。

 フジも、ぐっすりと眠るようになりました。小さかった体は、少しだけ大きくなりました。


 おばあさんは、フジに笑いかけるようになりました。笑うのは久しぶりで、最初は頬がひきつったような笑みしか浮かべることができませんでした。

 それでも、その笑顔を見たフジは、「ぴいぴい」と鳴きました。それからというもの、フジはよく鳴くようになりました。


 おばあさんは、フジの体をなでるようになりました。フジの体はとても柔らかく、ふわふわとしています。

 なでられている間、フジはうっとりと目を閉じていました。そうして、おばあさんの手や肩に乗るようになりました。



 おばあさんは、フジに話しかけるようになりました。


「フジ」


 フジは首をかしげ、くちばしを開きました。


「ハルチャン」


 フジは何故か、おばあさんの名前を知っていました。

 おばあさんは楽しくて、嬉しくて、笑いました。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ