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翌朝。おばあさんはフジの様子を見て首をかしげました。エサも水も、ちっとも減っていないのです。
もしかしたら、なにかの病気なんじゃないだろうか。
おばあさんは心配しながらも、自分の朝食を用意し始めました。
今日の朝食は、納豆かけごはんにしよう。
おばあさんは納豆をぐるぐるとかき混ぜると白ごはんにそれをのせ、ゆっくりと食べ始めました。
すると、フジも止まり木からエサ入れへと飛び乗り、ご飯を食べ始めたのです。小さなくちばしを器用に使って、えさをつつきます。
おばあさんはフジに近づくと、少しだけ笑いました。
よかった。あんたは長生きしなさいよ。……私は先にいなくなっちゃうかもしれないけどね。
おばあさんは微笑み、フジはやっぱり首をかしげました。




