バレンタイン作戦会議
長編の方は少しだけお休み。
バレンタインまでに書き切るぞー!←
もうすぐバレンタインというイベントがある。男子にとってはチョコレート争奪戦かもしれないけど・・・
ある女子にとっても、このイベントは戦争なのだ!
ある女子=料理の下手な女の子。
そう、
愛と書いて、『まな』と読むわたしは、料理がとても下手な女の子なのです・・・。
というわけで、今日は仲良し【愛】3人組で、チョコレート菓子研究会!
おしとやかで、料理と来れば家庭料理からフルコースまで、なんでもござれの『あい』がわたしのために開いてくれました。
もうひとりは、クールでカッコいい、お菓子作りの上手な『めぐみ』。
3人とも【愛】っていう漢字なのに、名前はそれぞれ違うという3人組なのです!愛同盟と名乗って活動する仲良しさん。
とにかく、そんな同盟のバレンタイン会議中なのですが・・・
「そもそもさ、まながチョコレートすら溶かせないのは問題だよねえ」
めぐみの言葉が刺さります。
そうです、チョコレート、溶かせないんです・・・。
「去年はレンジで溶かそうとしてたっけ?」
「一昨年は火あぶりだったよね!」
「めぐみ、暴露しないでぇぇえ!」
わたしは悲鳴を上げてめぐみの口を塞ぎました。
恥ずかしいよぅ。
「うそっ。焼きチョコ?」
そんなやり取りはお構いなく、あいが研究しはじめます。
「焼きチョコ意外と美味しそうだね~」
デザートのプレートを描いたあいが、イメージのチョコレートをスケッチしています。あいは絵も上手いんです。芸術肌なのかなあ?
「わざわざ炭火焼きしてたから美味しかったんだけど、如何せん見た目が悪すぎる」
「味がいいならいいじゃない!」
めぐみの言葉に食いついてしまった・・・。
白状します、炭火で溶かそうと試みたのはわたしです。
だってガスコンロじゃ何か載せてないと火が点かないじゃない!
「あんな塊渡されても・・・。最初はチョコレートだなんて思わなかったくらいだし?」
ソフトボール大のゴツゴツした塊を渡した自覚はあるので、口を閉じます。
どーせ、わたしは二人みたいな綺麗なチョコレート作れないもん。
悔しいー!
「じゃあチョコの溶かし方から伝授しましょうね」
あいに頭を撫でられて、気を取り直して勉強開始です!
「まず、フライパン用意して」
「フライパン?」
「そう」
わたしは素早くメモにフライパン、と書きました。
ほぉほぉ。で?
「フライパンは口が広いし、高さがないから使いやすいの。鍋は無理よ」
「ほぉ~・・・」
聞きながら、それもメモしていく。
「家にアルミのボウルはあるよね?」
「うん」
「フライパンにお湯を張って、そこにボウルを入れるの。お湯は、沸騰させたのを入れてもいいし、水からやってもどっちでも大差ないからやってみて」
「わかった」
フライパン+お湯、ボウル入れるとメモをとって、っと・・・。
「チョコレートは何を使ってもいいけど、溶かすのにはもうひとつ必要よ」
あいが指をひとつ立ててにっこり笑う。光が差しているように見えて、仏さまみたーい!
「生クリーム」
横からめぐみが答えをさらった。生クリームね。
なるほど。考えたことなかったなあ。
「どれくらい?」
「チョコレートの1/4くらいかな」
1/4ってどれくらいかなぁ?
見た目でわかるだろうか。心配です。
「入れたら一回溶かしてみて、足りないと思ったら足せばいいよ」
めぐみがアドバイスをくれました。
ありがとう!二人とも、バレンタインの神様♪
「生クリーム入れすぎると固まらなくなるから注意よ。生チョコはまなには難しいと思うし」
その通りです、はい。よくご存じで。
わたしは少しうなだれて尋ねました。
「ねぇねぇ、生クリームじゃなくて牛乳じゃダメなの?」
いつも疑問だったのです。じつはやってみたことがあるんだけど・・・
「分離してゴツい塊と、変な液体が生成されるからやめときな」
めぐみが笑いを堪えながら忠告してくれました。
はい。確かにできるんです。味はチョコレートだけど、ぼそぼそしておいしくなかったなぁ。
メモ、メモ。
「まな、もしかしてやったことある?」
ぎくっ。あいの優しい眼差しが痛いです。きゃあ~・・・
「実は、ね・・・」
仕方なく白状。あー、恥・ず・か・し・い!
「やっぱり!」
二人は声を揃えて笑いだしました。何も、そんなに笑わなくても。
すこし頬っぺたを膨らませて、ささやかな抗議をするも意味はなく。
「まー、でも、今年からは大丈夫でしょっ」
涙目を押さえながらめぐみが背中を叩きます。痛い、痛いっ!
「とりあえずカップチョコくらいならそれで作れるよ。まずはそこからね~」
あいがにやにやとわたしを見ています。
な、なんだ?!
「ねーぇ、まなは誰にチョコレート渡したいの?」
そこかぁぁぁぁあ!
聞かないでっ!恥ずかしいっ!
・・・なんて言ってられません。
だって、チョコレート菓子の作り方をわざわざ教えてもらってるんだもの。
逃がしてくれないよねぇ。
「翔太くん?」
ぎく、ぎくっ!
翔太は幼なじみの男の子。お向かいに住んでるんです。
そう、わたし、今年は彼にチョコレートを渡したいと考えている・・・の、ですが!
「いつものお礼にねっ・・・?!」
好きだからじゃないもん!お世話になってるから渡したいんだもん!
「まーたまたぁ。愛のあるチョコレートを渡さないとね?気持ちはついていかないよ~ん」
「愛だなんて!」
「めぐみの言う通よ~」
平然といってのける二人は彼氏持ちです。
くそぅ、違いはなんだ?!
悔しいけど、わたしに彼氏はいません。いたこともないから、チョコレートを渡すのは女の子ばっかりなの。
「バレンタインに便乗して、翔太くんに告っちゃえば?」
「しょーたはただの幼なじみなの!好きとかじゃないったら」
「じゃあなんで顔赤いのかなあ?」
にやにやとめぐみがつついてきます。
もう。そんなじゃないったら。
「と、とりあえず帰ったら溶かしてやってみるよ!二人ともありがとねっ!」
「頑張れー、ラブラブチョコレート!」
「うるさぁいっ!」
恥ずかしさから二人をバシバシと叩いて、家を飛び出ました。
帰ったら早速作ってみせましょう、まなのチョコレート!
タイトルの、溶かし方。
まさかこんな実用的な話か?!
なーんて、まさか!!まだまだですよ。
チョコレート、溶けてません。まだ溶けません。




