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《何か》

作者: ルエル
掲載日:2011/01/30

今ある気持ちは、きっと……

ねぇ、慣れたからかな?


泣くことが無くなった。


むしろ、慣れてしまった所為かな?


本当に、泣くことが無くなった。


だから勘違いして、もう一度、接触してみた。

自分から、触れてみた。


触れてみた『それ』は、大きな『傷』で。

まだ、治っていなくって。



触れた事で逆に傷ついて、更に悪化してしまったようだった。





『傷』が痛むから、私は平常心を保つのに精一杯で。

考える余裕、なんて無くて。





《素直になったらどうなんだ?》





なんて事を言われたって、どうすることも出来ない。


――『素直』って、何?どうする事が『素直』なの?!どうする事が『素直』じゃないのっ?!――



『傷』を、悪化させるだけ悪化させ、私は逃げた。










『傷』が、本当に小さくなってきたころ。今度は、向こうから接触してきた。

《何か》が無に還りかけ、そのケースは、どこか殺風景で、静かに変わりかけていた。



嘘だと、無駄だと、わかっているはずなのに。

何故かケースには無くなった筈の《何か》、それの欠片がちらついて。

どこか、賑やかそうで。






《何か》って、何なんだろう?

何故、こんな風に思うのだろう。



それが何のか、よくわからなくなってしまったけど、何故か心が温かい。



ほんの一瞬だけだけど、とても懐かしい感じがする。




今、頬を伝うものは、温かい。

今、この気持ちにさせる《何か》も、きっと温かい。

温かく、素敵な《何か》をくれた貴男へ、ありがとう。



今は違えど、それを支えてくれた貴女へ、ありがとう。

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