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『72時間首都封鎖ゲーム:君の選択が、国家の明日を決める』



ゲーム開始:「あなたの72時間を設計せよ」


(スクリーンに【DAY1 06:00/東京都臨時封鎖宣言】と表示。各自にハンドブックと行動選択票が配布される)


涼宮(端末を操作しながら)


「封鎖開始。市民の移動は3km圏内までに制限。

ドローン監視下。ドローン警報=10分以内帰還義務。」


鏡(書類を掲げて)


「税務より告知。

本日より**“物資申告制度”**を施行。

生活物資7日分以上保有者は“国家指定課税者”としてリストアップ。」


野田(震える声で)


「わ、わたし……乾パンと水と電池……5日分くらいあります……。これ、申告するんですか?」


ユウコ(優しく)


「しないと、“買い占め勢力”と同じカテゴリに入るわよ。

“持ってる”人間は、“出す”覚悟が必要。

それが“税”という名の共生よ。」


部長(立ち上がり)


「わたしは、“市民配給班”を組織します。

リスト化された物資を、公平に再配分する。

ただし――“デマ拡散”は処罰対象とする。」


副部長(タブレットを掲げて)


「はい!今この時点でTwitterに流れてるのは:

•“上野で暴動” → デマ(実際は救急避難所)

•“自衛隊が水を独占” → 捏造

•“板橋で外国人排斥” → 要確認」


亀田(涙目で)


「ちょ、ちょっと……!このおばちゃん、薬がないと……動悸と息切れで……!お願い、薬局まで行かせて!」


涼宮(冷徹に)


「移動範囲3kmを超えます。

**“要件付き医療移動申請”**を提出してください。許可が出れば3時間の移動許可が与えられます。」


DAY2:配給破綻、選択の連鎖


(映像スクリーンに「物流車両3割未着、港湾封鎖中、都内配給施設混乱」と表示)


鏡(国家統制側として発言)


「首都圏の食料残量、あと48時間分。

ただし、**“備蓄保有者に対する増税措置”**が決定された。

“持っている”人間は、“持たざる者を支える”義務を課せられる。」


野田(葛藤しながら)


「……それって、“備えていた人が損をする”ってことにならないですか?」


ゆっくり


「備えることは、“自分のため”であり、

**“他者を生かす構え”**でもあるべきだ。

“国家の構造”とは、その“構え”に税を重ねることだ。」


澤田(配給ルートを確認しながら)


「俺、動ける体力はある。

でも運ぶ米が足りない。“課税”じゃなくて、“連携”で支える方法……他にないの?」


ユウコ(短く)


「あるわよ。“配給債券”。

“物資を持つ者が、自分で分配ルールを設計し、履行したら、税が減免される”制度。

つまり、“自分が納めたい形で、税を払える”方法。」


DAY3:最終判断――都市を維持するか、個を守るか


(封鎖延長が宣言される)


部長(疲れた顔で)


「このままじゃ、暴動が起きる。

“ルールで守る社会”から、“怒声で動く社会”に変わる前に、私たちで何かを決めなきゃ。」


副部長(静かに)


「じゃあ、選ぼう。

・全員が一律に物資を出し合い、完全配給社会へ移行するか。

・ある程度の自由と個別支援を許し、不平等を容認するか。」


(全員、無言で投票用カードにマークする)


エンディング:投票結果発表と、明日への仮説


結果:4対3で【限定自由型物資統制】が採択

(個別貢献に応じた優遇措置あり、ただし全員最低限の分担を義務化)


鏡(静かに微笑み)


「君たちは、混乱の中でも“ルールと責任の重なり”を選んだ。

それが、“国家”の最小単位だ。」


野田(小さく)


「わたし、はじめて“税金を納めたい”って思いました。

それが誰かの“明日”になるなら……。」


涼宮(目を閉じて)


「混乱の中で“冷静に考える”こと。

それが主権者の最後の特権です。」


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