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ゴミの分際で手間かけさせやがって


 なので俺は学園長を煽る。


 こんなガキ一人に感情を揺さぶられて怒りをコントロールできなくなるレベルの人間であるのならば、これで簡単に自分から崩れてくれるだろう。


 そもそも俺が融資をするかしないかを決める事ができる立場である以上、この交渉事は常に俺が優位で進める事ができるのである。


 その優位性をわざわざ相手に与えてやるつもりも無ければ、何の考えも無く融資を与えるつもりも無いし、こんな失礼な態度を取ってくる相手に融資をしてやろうという気にもならない。


 正直言って今すぐにでもこの場から去ってしまいたいくらいである。


 貴族としての横のつながりなど、こんな奴らとならば切れても良いだろうし、繋がってしまってはマイナスな事しか起こらないのは馬鹿でも分かる。


 まぁ、前世の記憶が戻らない以前のおれのままであったならば『あの学園長がこの俺を頼り縋って来ているっ!!』と気持ちよくなって簡単に融資をしたであろう事が容易に想像できてしまう為、以前の俺はバカ以下だったんだなと再確認すると共に、そんなバカだと見下して学園まで呼び付け、変な知恵をつけて逆に見下されている事に怒ってくれる馬鹿も炙り出せたので悪いことだけではない……と、自分に言い聞かせる。


 そもそも『復学』云々を話題に出さない時点でこの学園長は今の俺の現状を理解していると考えて良いだろう。


 なんならそのままルーカスという存在自体が学園にとってデメリットでしかない問題児を復学させたいなどとも思わないだろうし、そのまま居なくなれば良いとでも思っていてもおかしくはないし、実際に思っているだろう。


 俺が学園長の立場ならば自分でもそう思うので、それに関しては自業自得として受け入れるのだが、だからと言って融資についてと学園長の態度はまた別問題である。


「調子に乗っておると痛い目を見るぞ?」

「その言葉はそっくりそのまま返すぜ、爺さんよぉ。爺さんは融資を頂く立場であり俺は融資をするかどうか判断する立場というのを忘れてはいないだろうな? 俺の両親みたいに『他の貴族はこのくらい融資を頂いてますよ』やら『ランゲージ家ならばこれくらいの額の融資は余裕ですよね』などと煽てれば簡単に金を出すと思っているのならば出直して来るんだな」

「……今まで我慢してきたが、この若造が……目上の者に敬意も払えないような馬鹿がっ! この儂にこんな態度を取ってタダで済むと思わない事じゃなっ! 今儂に土下座して謝罪し、靴を舐めるなど誠意を見せない限りは許しはせんぞっ!!」


 そして学園長は歳のせいなのか何なのか切れやすいようで、ついに唾を飛ばしながら怒鳴り散らして来るではないか。


 こんな頭の悪い奴が学園長をしているというのだからこの帝国立魔術学園もネームバリューだけの張りぼてに成り下がったのだと、思わずため息を吐いてしまう。


 しかしながら俺も言われっぱなしを良しとする訳もなく、言い返す事にする。


「そもそも俺の両親から融資と言って金を貰ってきておいて、今まで返金されて無いのだが……今まで融資した額を今ここで耳揃えて全て返して貰っても良いんだが? 返金するつもりが無いのであればそれは融資ではなくて寄付、悪く言えば詐欺師とでも言えば良いか?」

「貴様っ!! この学園に融資した金を返せというのかっ!! この恥知らずがっ!! 痛い目を見なければ分からないような子供だと言うのであれば今ここで儂自ら躾けてやろうぞっ!!」


 なんだろうか? 言い返せる事が無く、しかしながら怒りの感情を抑える事も出来ずに感情のまま怒鳴り散らし、挙句の果てに暴力で自分の意見を押し通そうとするその行為、いったいどちらが子供だろうかと頭を抱えたくなる。


 まぁ、俺の頭を抱えるのではなく学園長の顔をぶん殴るんだが。


 とりあえず俺は学園長が俺に向かって行使しようとしている魔術を水魔術段位二【解術】によって打ち消すと、ゆっくりと立ち上がり学園長に向かって歩き出す。


「おいお前? 今俺に向かって攻撃魔術を、それもまともに喰らえば死んでもおかしくない威力の魔術を行使しようとしやがったな?」

「貴様っ!? 何をやったっ!! これ以上儂を怒らせればただでは済まんぞっ!!」

「ほう? ならばどうなるのかご教授願おうか」


 流石に行使しようといた魔術を打ち消されて俺の強さを改めるのではなく『邪魔をされた』とキレ散らかす目の前の学園長は、最早老害と言っても良い存在だろう。


 そしてそんな学園長の顔面を殴り飛ばそうとしたその時──


「ぐべはぁっ!?」


──ドゥーナが俺の代わりに学園長の顔面をぶん殴っているではないか。


 俺がこの手で殴りたかったというのは確かにあるのだが、ドゥーナにぶん殴られ、吹き飛ばされる学園長を見て溜飲が下がりスッキリしたのも事実であるので一応褒めておくことにする。


「……よくやった、ドゥーナ。 それと、今までランゲージ家が融資してきた額は利子をつけ耳を揃えて一括で返金してもらうから覚悟しておけよクソジジイ」


 そして俺はそう言い残して学園長室を後にする。





 ドゥーナが学園に来ているという情報は既に俺の耳に入って来ていたのだが、いくら探せどドゥーナが見つからないではないか。


 そもそも俺が探しに行かなくてもドゥーナから俺の元へとやってくるものとばかり思っていたし、そうするのが筋だとも思っている。


 その為ドゥーナが学園に来ているにも関わらず俺へ挨拶の一つもしに来ない事に苛立ちを覚えながら俺は学園内を探し回る。


 何で俺があの足を失った使えない犬の為に労力を割かなければならないのかと考えただけで発狂しそうになる。


 しかしそんな思いをしてでも探してしまうのは『ドゥーナを寝取ってルーカスが怒りで歪む表情をみつつ、魔術でボコボコにしてやりたい』という欲求の方が強いからである。


「いませんわね……」

「いったいどこにいるのか……学園に来るのならな来るで事前に連絡を寄こせばいいのに……」


 そして俺はマリアンヌと共にドゥーナを探すのだが、そのマリアンヌが役に立つ気配がなく、更に苛立ってくる。


 しかし、マリアンヌはマリアンヌでその美貌と身体は俺好みであり、未だにマリアンヌ以上の女性に出会えてないので、キープ要員としてキープし続ける為には嫌われる訳にもいかずに、怒鳴り散らす事もできず余計に苛立つのを我慢しなければならないわけで、手伝いに来たのか精神的に邪魔をしに来たのか分からなくなってくる。

 

 邪魔しかしないのであれば教室で大人しくしていて欲しい。


 そんな事を考えながらドゥーナを探していると、ようやっとルーカスと共に廊下を歩いているドゥーナと出会う。


「やっと見つけたよドゥーナっ!!(クソが。ゴミの分際で手間かけさせやがって。) 元気そうでよかった……って、足が治っているのか? …………あぁ、流石にそれはあり得ないか。にしても精巧にできている義足だな……。言われないと義足だと分からないくらいには、俺から見て自然に歩けていたよ(このレベルまで精巧な義足であれば、ズボンか今履いている長めのスカートを着て隠せば良いだろう。これなら身体の関係だけの存在として側に置いてやってもいいかもな。やっぱりドゥーナの外見とルックスは俺好みだし、いくらルーカスに汚されたとはいえ手放すのは勿体ないな)」

「あぁ、久しぶりだなっ。急な訪問で手紙も出せずに申し訳ない。それに今は旦那様の領地経営が忙しくてな、用事を済ませたらすぐにでも帰るつもりでいたので会う予定もないくらいだしな。ちなみにこの足は…………いや、何でもない。うん、何の問題も無く歩けるようになったから心配しなくても大丈夫だ」


─────────────────────────────────────────────

ダニエルさんについて


能力が高い(維持または向上の努力する)

他人から常に称賛されるような行動を選んで動く

異性からの評判がいい

ハーレムルートがある


ゲームの画面の向こう(第三者視点)ではまともに見えても実際に現実で存在する場合は強い自己承認欲求や自己中心的な思考、プライドの高さなどあった方が私的にはむしろ人間味があるので、外面はさておきゲームの主人公ダニエルの内心と行動原理はこんな感じですね(*'▽')ノ


だからこそ努力するしそれを持続できるだけのモチベーションがあり、相手の感情よりも自分の欲望を最優先にするからこそハーレムルートがある的な(*'▽')ノ


 ここまで読んでいただきありがとうございます!!




 今現在、別作品にて


【婚約破棄された公爵令嬢は罰として嫁がされたのだが、旦那様のお陰で日本(地球)の食べ物に舌鼓を打てて今日も幸せです】


https://ncode.syosetu.com/n5038jr/




 を連載中でございます!




 もしよければこちらも読んでいただけると幸いでございます(*‘ω‘ *)ノ

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