表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/109

第68話 可憐毒舌聖女のお化粧はなおせない

今日もまた伝言の魔導具はちかちか輝く。



『こんばんは、ニナ』

『こんばんは、ガナーシャさん』


『聖女公認おめでとう』

『まあ、これだけならただの紙切れ程度の価値ですが』

『そんなこと言わない』

『まあ、構いません。それにしても、正式に教会から認められるとは思っていませんでした。【白の庭】は教会の汚点としてみなされていましたから』

『まあ、教会も今はちょっと大変だろうしね』

『そうですね、大聖堂は王都から離れているとはいえ、王都の教会が【白の庭】の残党に乗っ取られていたんですから赤っ恥もいいところですよね。マクセリオさんがいないとこのざまですよ』

『こら、ニナ。まあ、その恥を少しでも和らげようとするためではあるだろうね。強くてかわいいニナが聖女だと王都の人間に知らしめることが出来たわけだし』


『ニナ?』


『ああ、すみません。ちょっといろいろありまして。そうですか、わたし強くてかわいいですか』

『そうだね。今日の聖女の儀式の服装も素敵だったし、お化粧した顔は美人さんだったよ』


『ニナ?』


『いえ、ちょっと翼が出ちゃって、ベッドと壁が壊れました』

『大丈夫!?』

『大丈夫です。大丈夫ですから。いつでも好きな時に言ってください』


『え? あ、うん。わかった』


『わかってませんね?』

『ごめん』

『まあかまいません。それだけ本心という事でしょう』


『ニナ?』


『すみません、壁が壊れました』

『なんで!?』

『わたしの修行不足です』

『そ、そうなんだ?』


『それより、わたしが何故教会の聖女認定を受けたか分かりますか?』

『今回の件で十分な実績を残したし、ウワンデラを出るにあたって聖女の名は有効だからかな』

『勿論、それもあります。ですが、もう一つ』

『もう一つ?』

『ガナーシャさん』

『はい』

『出会った頃にした約束の追加したものを覚えていますか?』

『30くらい追加されたから、ごめん、あやふやなものもあるかもしれない』

『かまいません。思い出せばいいだけですから。それに、わたしは誓約書も持っていますから』

『そういえば、僕も渡されたね』

『その中の16番目』

『……待ってね』





『待って! 待って! 待って! ニナ! これは駄目だよ! これはなんか駄目だよ!』

『約束しましたから』

『というかなんか書き直してない!? ニナ、僕の部屋に入った時にやったでしょ』




『なおしてません』

『間があったけど。神に誓える?』

『誓えます。わたしの神はガナーシャさんですから。怒ればいいじゃないですか』

『そういうことじゃなくてさあ!』

『まあ、これからは神だけではありませんが』

『いや、本当にちょっとこれはどうなの!?』

『明日、誓いを立てに行きましょう。王城でも教会でもギルドでも構いませんよ』

『ニナ! ちょっと部屋に来てくれる? 話をしよう』

『いやです』

『きょうはもうだめです』

『ちょっとかおがよくないです』

『なのでだめです』

『あと、部屋と顔がもうぼろぼろなので』

『ねえ!? なんでそうなったの!? ねえ、ニナ!?』

『喜びと涙が溢れるとこうなるんですねえ……』

『答えになってないけど!?』

『では、明日をお楽しみに』

『ねえ! ニナ! こら! 話を聞きなさい!』




【可愛い妹】からの伝言

『今回の働きへのご褒美を要求します!』


【赤の鍛冶師】からの伝言

『せんせえっ! ししょおが認めてくれましたっ! これから生涯を賭けてせんせえの脚を作ってみせますっ!』


【血の聖者】からの伝言

『ガナーシャん。ニナ様のことを頼む。あんなところに閉じ込められていてもアイツを救ってくれたニナ様を絶対に幸せにしてくれ。頼むぞ。約束だぞ』


【剣魔】からの伝言

『ケンは良い男だ。もっともっと強くなる。ところで約束の君との手合わせはいつやる?』


【女傑】からの伝言

『リアは良いですね。面白くなりそうです。ところで次に城に飲みに来るのはいつでしょうか? 約束しましたよね』


元【剣聖】、【執事】からの伝言

『あの三人はとても可愛らしいですね。これからの成長が楽しみです。ところでサファイア様との約束守って下さいね?』


【束ねる者】からの伝言

『おい。奢れ。ただし、二人きりだ。あいつらは絶対に呼ぶな。疲れた。愚痴を聞け』


【先行きの賢者】からの伝言

『今回の魔導具の感想を教えてくれ。酒を呑みながらでもいいぞ! 奢れ! 金は持ってるんだろう? あと、開発費をまたちょっとくれ』


【青の魔女】からの伝言

『ねえ。なんで、あたしは呼ばれなかったの? なんでユアンが呼ばれてあたしが呼ばれなかったの? ねえ? 約束は?』


【聞く女】からの伝言

『あの子の声が聞こえた気がしました。気のせいかもしれません。また、お伝えします。もし、ガナーシャさんの所に来たら教えてください。お願いします。約束ですよ』







【夢見る少女】からの伝言

『ねえ』


『元気になったよ。会いに行くね』


『約束したものね』


ニナ編完結まで残り2話! アシナガおじさん一旦完結まで+5話! 予定!

よければ、最後までお付き合いよろしくお願いします。


GW集中連載! そして、コンテスト用短編! だぶんぐる風テンプレマシマシキガルニヨメルハイファン! よければ読んでみてください! 気楽に読めます!


『自律思考型ゴーレム【エーアイ】が指示するからスキル無しはもういらない』と追放された無能力参謀は勝手についてきた相棒の女将軍とその軍団と一緒に最強の村作り。あの、無能力だけど無能じゃないんですが?

https://ncode.syosetu.com/n1063if/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 英雄候補に対して親目線になりますねこりゃ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ