第63話前編 おじさん達は悪癖をなおせない
「は! 今、アシナガ様の愛を感じたわ!」
「怖えんだよ! んなこと言ってる場合か!」
「そうそうぅ! 気を抜いちゃあ駄目だよ! コレは……追い詰めてからが厄介なんだ」
リアが魔法を放ち、信者達をけん制すると、空いた間を埋めるようにケンとマックが飛び込み、信者達を打ち倒していく。
勝敗は明らかだった。
信者達も最初はたった三人で数十人相手に勝てまいと高をくくっていたが、あっという間に半分以上が倒され、顔を青ざめさせ、震えていた。
そんな信者達に油断なく剣を構えながらケンがマックに尋ねる。
「厄介? 何が厄介なんだ?」
「彼らには、小さな紋が刻まれている。それは本来信者の証なんだけどねぇ。だけど、それには魔力が込められていて、教会が悪と断ずる感情を持つと焼けるんだ」
マックの言葉にリアが目を見開き、振り返る。
「そんな!」
「それだけじゃあない。元々はそういうものだった。わるい感情に囚われないという教えの為の。だけど、ある時分かったのさ。極度の苛立ちや不安を抱えるとその紋を持つものは……!」
ぶるぶると震えていた信者の身体が白銀に輝く。
すると、その信者の服が避け、そこから歪な白銀の触手が生える。
「あんな風になっちゃうんだぁ!」
「なっちゃうんだあじゃねえよ!」
「どうするの!? こ、殺すしかないの!?」
リアとケンに見つめられたマックは、にやりと笑って指を振る。
「いやいやぁ、だいじょうぶぅ。これはもう俺達の手で明らかにしていて、対策ももうずいぶんと前から研究されてたんだ。ある男の指示でねぇ」
そう言ってマックは、黒い槌を取り出すと魔力を纏わせ、詠唱を始める。
「黒き魔力よ、啼け響け、そして、震わせよ。黒き感情を震わせよ! 魔震槌!」
マックが黒い槌を浮かび上がらせた魔法陣に向かって振り下ろすと、黒い波紋が広がり、教会全体に広がって行く。
「これってまた! マックさん!」
「だぁいじょうぶだいじょうぶ。これはこの前の逆さ」
以前の盗賊討伐でのことを思い出し叫ぶリアをマックは落ち着くように話しかける。
そして、異形と化し始めた信者達の方に顎をクイとやると。
「呪いや祝福を持つものが震動で動けなくなるのさ」
そこには信者達がどんどんと倒れ伏す姿が。
十数年前、王都を震撼させた化け物はただただ震えていた。
お読みくださりありがとうございます。
コンテスト用短期連載文字数超えたので短編上げなおしました!! 良ければご一読ください…!
魔女と魔法少女バディものローファンタジーです!
『魔女に魔法少女』
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