第43話 口悪剣鬼少年のアシナガおじさんへの尊敬は誰にも負けない
今日もまた伝言の魔導具がちかちか輝く。
『アシナガ師匠へ 今日はお休みの日でした。みんなに言われて知り合いの女の子とお出かけしてきました』
『おかえり。どうだったかな、楽しかった?』
『緊張であまり覚えていません。アシナガ師匠の弟子なのにしっかり女の子をエスコート出来ず不甲斐ないです』
『私もうまいわけではないよ』
『いえ、アシナガ師匠なら絶対女性も嬉しいと思います』
『そうだといいんだけどね』
『僕は、だめでした』
『何が駄目だったのかな』
『今日一緒にお出かけしたのはオトという前にも少し説明した子で、話すととても複雑なのですが、弟が弟じゃなくて盗賊団のえらいやつでつかまりました』
『うん、大丈夫だよ。続けて』
『それで、オトは姉弟の真似事をさせられて、そのにせの弟を守るようにさせられていて、それに気付いた冒険者ギルドがオトを守ってくれていたんです。怖い事もいっぱいあっただろうから楽しい気持ちになってもらおうと頑張ったんですけどだめでした』
『具体的にはどういうことを?』
『お金はふだん使わなくてあったので、女の子は服とか好きだからかわいい服を買いに行きました。ぼくはあまり詳しくないので、店の人に選んでもらいました。そのあと、ごはんを食べました。あまり気を遣わなくてすむように、それに、知り合いがいたほうが安心できるかもしれないから、オトのはたらいているところに、店の人にいろいろいわれてたけどそれはたのしそうでした。そして、広場でのんびり話をしました。そして、ちょっと高いところでちょっとよいご飯を食べました』
『どうでしょうか?』
『だめでしたかね?』
『アシナガ師匠?』
『ごめんね、うん、うん、そうだね。とてもいい作戦だったと思うよ。ところで、ケンは彼女とうまくお喋りできたかな』
『とてもかわいかったのでうまく話せませんでした。とてもかわいいからという意味だったですけど、「言うまでもねえだろ」、とか言ったり、とてもかわいいから、「鏡見ろ」、と言ったんですけど』
『そうだね、良くないかもしれないね』
『最終的に顔を真っ赤にして目を回して倒れました』
『ちょっと待って、顔を真っ赤にして目を回して倒れた?』
『はい』
『改めよう、ケン、彼女はとても君のことを理解してくれているのかもしれない。顔を真っ赤にしたのも、目を回したのも君への好意からかもしれない』
『そうでしょうか』
『鈍感はよくないよ、ケン。もし、ケンがそんな風にかわいいと思っているのなら向き合ってあげなきゃ』
『はい! 流石アシナガ師匠です! アシナガ師匠は今までどんな恋を?』
『師匠?』
『ごめんね、うん、うん、そうだね……まあ、色々かな。でもまあ、大人の話になるからね。まあ、今日はやめておこうかな』
『さすが師匠です!』
『私の事より、ケン、ちゃんと君は向き合うんだよ』
『はい。でも、どうすればいいんでしょうか』
『どういうことかな?』
『僕達はもうしばらくすれば目標を達成してタナゴロを出ることになると思います。でも、オトを連れて行くわけには行きません』
『ケン。君は剣に誓ったんだろう。守る、と』
『剣が全て同じものではないように、守る方法も一つじゃない』
『大事なのは、守る、というのなら、どうすればいいかを本気で考えることだ。掌は状況に応じて色んな形に変わり、色んな使い方をする。君に出来ることを探すんだ』
『はい! そうですね、アシナガ師匠なら、困っている人の声が聞こえたらどこへでも飛んでいって一撃で悪いヤツを倒してとか出来るだろうし』
『落ち込んでいる女の子がいたら一言で元気にさせるだろうし』
『泣いている人がいたら笑顔にすぐしてあげるだろうからすごいなあとおもいます』
『ケン、人間には出来ないこともいっぱいあるんだよ』
『そうですね、ぼくはひとつひとつ出来ることを考えていきます』
『ケン?』
『そして、もっともっとたくさんのものを守れるよう強くなれるよう、剣とアシナガ師匠に誓います』
『ありがとう、アシナガ師匠。あの時、ぼくのみらいを守ってくれて』
『ぼくの剣が歪まないようよごれないよう守ってくれて』
『ぼくの心と、みんなのほこりを守ってくれて』
『ぼくもアシナガ師匠みたいになれるようがんばりたいなあと思いました』
『ケンへ とてもいいことだなあと思いました』
『アシナガ師匠 それで、お願いがあるのですが……』
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【影を選んだ少女】への伝言
『タナゴロで傲慢と契約を結んだものを捕縛。闇は刈り取っているので、良い時に誰かをよこしてほしい』
【解くもの】への伝言
『巡りの男と出会った。やはり浄化と呼ばれる時間が必要なようだ。だから『子供』は皆既に生まれ変わっているはず。そいつのとは会話が出来なかった。時間なのか、親和性なのか、他の条件なのかは分からないが』
【可愛い妹】からの伝言
『かしこまりました。では、お先に王都でお待ちしております』
【女傑】への伝言
『お久しぶりです。オパール王女様に言われましたよ。放置していたわけじゃないんですよ。ほら、貴方は忙しいですし。それで、非常に心苦しいお願いなのですが、妹が王都に向かいそうで。貴方がそれを知って暴走しそうなので。放っておいていいですからね』
【女傑】からの伝言
『どなたでしょうか? そのような口の利き方をするガナーシャという知り合いはおりません。私のしっているガナーシャは、私に気軽に話しかけてくれる素敵な男性ですが。なので、もし、貴方がガナーシャだと言い張るなら、気軽に話しかけてくるはずです。話しかけて来なさい』
【赤の鍛冶師見習い】への伝言
『来てくれてありがとう。ケンを助けてくれてありがとう。お礼にもならないけど、マックとも一緒にみんなでごはんを食べようか。あ、アシナガであることは内緒にしといてね。先生っていきなり呼んだからもうそれはそれでいいけど』
【破壊者】からの伝言
『水の都、コッサ到着。魔王のところまではまだまだ遠そうです。また、連絡します』
【夢見る少女】への伝言
『元気ですか?』
【金の男】からの伝言
『毎度。ギミネムに新しい孤児院を作りました。詳細はまた連絡するね』
【金の男】への伝言
『ありがとう。あと、別で用意してもらいたいものがあるんだ』
【青の魔女】からの伝言
『暫くたったけど元気? あたしが作った伝言用魔導具の調子はどう? 伝言が混ざったりしてない? 一個につき二十四人より多くは難しいからね。取り扱いは慎重にね。見に行こうか?』
【青の魔女】への伝言
『昨日も連絡してたよね? 大丈夫。ありがとう。暫くは増えないはず。多分。これのお陰で大分軽くなって助かってるよ。昨日も言ったけど』
【聞く女】への伝言
『今育てている子がびっくりするほど僕を尊敬してるんだけどどうしたらいい? あと、ガナーシャの方を鍛えようとしてきて体中が筋肉痛で。そして、お腹と足が痛い。助けて』
お読み下さりありがとうございます。
うまくいけば今日ケン編完結です。うまくいけば…汗
もしよければ、☆評価や感想頂けると嬉しいです。
供養第二弾。
なろラジ落選のギャグラブコメ? 1000字以内なので、直ぐ読めちゃいます。
『ふふふ、身体は正直だなあ?』~わがままボディの白鳥さんはポーカーフェイス~
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