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テーマ詩集:ROCK'N'ROLL

PUNK ROCK

作者: 歌川 詩季

 パンクより、メタル派なんですが。

 腐敗しきった物質文明 魂めくれば裏には値札が

 先天性の悪性腫瘍に

 外科医師となり得るのかPUNK ROCK


 健全な倒錯が恋しくてたまらない

 合法な錠剤で済ますけど

 慣れ親しんだ刺激なら緩慢に過ぎた

 御法度(ごはっと)な粉末がいずれ欲しくなる


 灰色の壁に噛み潰した煙草なすりつけて

 胸に溜めた黒いヤニ この街に巣食う僕らのよう

 搔き(むし)ることしか知らない指で高らかに(えが)け!

 闇を 内側で踊る狂気を

 そんなダンスで 仮面の奥の素顔を手に入れろ



 憔悴(しょうすい)してる精神世界は 都心めぐれど其処には廃墟が

 宣告された末期症状に

 切り札となり得るのかPUNK ROCK


 従順な反抗で行列の最後尾

 待ち(ぼう)けが徒労に終わろうと

 費やしてきた惰性にも満ち足りた表情

 御無体(ごむたい)な注文をいつか強いてやる


 灰色の壁にくたびれてる背中こすりつけて

 胸に秘めた(あか)()は この街を救う光明(ひかり)のよう

 愛しさとメロディ紡ぐ唇 高らかに(うた)え!

 闇を (ふところ)(とが)る凶器を

 そんなノイズで うわべの奥に真相 (ひそ)ませろ

 いろいろ、聴きます。

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