第50話「なんだと……! 俺のせいで?!(後編)」
シェイラ───。
「こいつがどうかしたのか?」
グエンはぶしつけにシェイラを指差す。
すると、リズが頭をガシガシとかきつつ、
「あー。うん。この子は、魔法学園きっての大天才だったのよ。じきに王立魔法兵団入りも間違いなしといわれていたけど──」
けど?
「──学園で事件を起こしちゃってね。傷害事件だったんだけど、相手に重傷を負わせて学園を放逐されたみたい──ま、学園も不祥事をもみ消したから表沙汰になっていないけどね」
「へ? そうなん??」
「まーね。他にも色々あるわよ」
聞けば、騎士団でパワハラとセクハラを繰り返していたアンバスは解雇。
その後に入った傭兵団でも、同じく解雇。流れ流れた先がマナックの手下──。
レジーナに至っては、聖女だのなんだのと言われているが、要するに教会の政治の世界で金と身体を使って伸し上がっただけ。
才能もあるにはあったらしいけど、実家の資金にものを言わせての強引な手法だったらしい。
おかげで教会トップの実力者の派閥には相当嫌われているんだとか……。
今は、ほとぼりを冷ますために修行という名目で野に下り、資金と力を蓄えている最中とのこと──……。
「それに比べて、アンタってばほーーーーーーーんと、つまんないわよね」
「うるせーよ」
ケラケラと笑うリズ。
大暴れをした後という割にはあっけらかんとしている。
「──で、どーすんのこれから」
「これからって……」
なにも考えていない。
それに、グエンはリズを──……。
「あ、そういえば。アホのギルドマスターがしゃしゃり出てくる前に、アンタなんか言おうとしてなかった?」
「う…………」
い、言えるかよ。今さら──……!
リズと一緒に冒険がしたい!
パーティになってくれ────なんてさ!!
「な、なんでもな──」
ガラガラガラ……!
「あんたらぁ…………」
グエンの言葉を遮るように、瓦礫の中から怪しい人影一つ……。
それは、メラメラとしたオーラを纏ったのギルド職員を背後に従えたティナだった。
「あ、あら? ティナどうしたの?」
さすがに空気を読んだリズもちょっとタジタジ。
ささ下がり気味に──……。
「や、」
……や?
「「「やりすぎじゃ馬鹿たれーーーーーーーーーーーーーー!!」」」
ドカーーーーーーーーーーーーーーン!!
ティナとギルド職員の悲鳴がギルドと町中にこだましたとか、なんとか……。




