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音のない歌詞

アイスコーヒーが汗をかいている。

作者: 渋音符



 アイスコーヒーが汗をかいている。

 或る夏の昼下がり。

 疲労とダルさを感じながら少しずつ口に含む。

 キリッとした苦さが逆上(のぼ)せていた思考を正す。

 ペンを持つ指に力が入らない。

 物理的にではなく、精神的に。

 定期的に訪れる倦怠期。

 スランプ。

 インスピレーションが一切湧かないのです。

 机に描かれた水の斑点。

 失くなったコースターが愛おしい。

 机に頬をぴったりと。

 ほんのりと(ぬる)い。

 原稿用紙の端が濡れている。

 1ページ無駄にしちゃった。

 斑点を手で拭うと、(わだち)みたいになった。

 かえって、濡れている範囲が広くなる。

 視線だけ、グラスに向ける。

 黒と赤の中間が綺麗だ。

 アイスコーヒーが汗をかいている。

 それが堪らなく好きでした。




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