俺氏、処される!?
更新しました。
宜しくお願いします!!
12月2日、改稿しました。
俺、高橋淳也は何処にでもいる高校二年生だ。
カッコいいわけでもない。頭がいいわけでもない。運動は普通。
最近のラノベ主人公っぽいというのが唯一の取り柄である俺なのだが・・・
「俺すげ~、朝からモテモテだ!!」
俺は朝からトチ狂った感想を呟いていた。
現在、俺の席は大勢の聖徒に囲まれていた。
女はいない。全員野郎だ。
もうそろそろ現実逃避は止めて野郎共の言葉に耳を傾けてみよう。
「高橋!!土曜日に白川さんと何をしていた!!」
うん。
何故か分からないけど二人で居たことがバレてしまいました。
これはヤバい。
遠くでは白川さんが申し訳なさそうな表情をしている。
選択肢が頭に浮かぶ。
1、白川さんは俺の物だ。黙ってろモブ共!! (挑発)
2、何って?デートだよ。そんなことも分からないのかい?(挑発)
3、特に何もしてなかったけど? (とりあえずとぼける)
何故選択肢の内二つが挑発気味なのかは分からないけど無難な3で・・・
「特に何もしてなかったけど?」
言葉を口にした途端、全員の雰囲気が変わった。
そう、悪い意味で。
「嘘をつくな!!証拠は上がってるんだ!!」
「証拠?」
あるわけないだろ・・・
「これだ!!」
俺と白川さんが手を繋いで男性陣から抜け出している姿が撮られていた。
あ、あそこで撮られたんだ。運悪・・・
てか、盗撮じゃん!!
「「「キャーーー!!」」」
写真を見た女子達が黄色い声をあげる。
白川さんは顔を真っ赤にしていた。
たぶん俺も赤い。
「デートじゃないっていうなら言い訳してみろ!!」
騎士団の人間に問いただされる。
「・・・相談に乗ってただけだよ」
とりあえず差し支えないところだけを話す。
「何について話していたんだ?誤魔化しているだけじゃないだろうな?」
男は苛立ちを隠すことをしない。
「相談内容を言える訳がないだろ!!」
ヤバい。イラッとして怒鳴ってしまった。
白川さんを含む女子が驚いた表情を見せていた。
一部女子の目がキラキラしてる。なんで?
「俺の顔を良く見ろ。リョウみたいなイケメンじゃないだろ。学園のアイドルとデートするなんて青春イベントが発生するわけないだろ!!」
自分で言ってて悲しくなってきた。
そこの女子、同情の視線は止めてくれ・・・
「白川さんはアイドルではない。天使だ!!」
男は俺の言葉を聞き、今までで一番怖い表情で告げる。
その言葉に、俺を囲っている男子達がウンウンと首を縦に振る。
かなり大きな声で告げられた為、女子にも聞こえていたらしくほとんどの女子生徒が軽く、否、かなり引いている。
天使と呼ばれた白川さんも顔をひきつらせていた。
おいシュン、首を縦に振るのをやめろ!!
「こいつはまだ何かを隠している。尋問する。騎士団本部へ連れていけ。取り押さえろ!!」
「は?」
尋問?
俺が言葉の意味を理解する前に両肩を掴まれ、半分引き摺られた形で連行されていく。
「「「「は!!団長の仰せのままに!!」」」」
「お前が諸悪の根源か!!」
俺の叫びは誰にも届かなかった・・・
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こうして、騎士団本部に連れてこられた俺であったのだが・・・
「何だよこれ!?」
騎士団本部の有り様に驚きを隠せなかった。
壁一面に貼られた様々な白川さんの写真。
小学生、子役の頃の物から現在に至るまで、恐らく、枚数は千枚を軽く越えているだろう。
また、大小様々な白川さんのフィギュア(手作り高クオリティ)も飾られていた。
一番怖かったのは等身大白川さんフィギュアだった。
「それでは尋問を始める。マーリン、あれを頼む」
男の言葉に従い、マーリンと呼ばれた男が奥にある暗い部屋に入っていく。
俺は依然として椅子に両手両足を縛られていた。
マンガ等のスパイの末路みたいになっている。
「はい。これ出すの大変なんだからね」
マーリンが持って来た物は、・・・・・・鉄の処女だった。
「ちょ、まて。それレプリカだよな?」
「ああ。手作りのレプリカだ。安心してくれ」
騎士団の団長と思わしき男は笑顔で答える。
「いや、可笑しいよな?レプリカじゃないよな?光沢あるんだけど?滅茶苦茶、鉄の匂いするんだけど?」
全力で反論する。
「細かいことは気にするな」
何もないような口振りで告げる。
だが、
「するわ。命の危機なんだぞ?するに決まってんだろ!!」
ことは命に関わるから必死である・・・
その後、尋問は開始された。
尋問中、只一つ、決めていたことがある。
何も喋らないということを・・・
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昼休み無事(?)解放された俺だったのだが・・・
「体調が悪く、四時間も保健室に籠っていたと聞いたが大丈夫なのか?」
担任の教師が俺の事を心配そうな目で見つめてくる。
知らぬ間に保健室の主になっていた・・・
「はい。大丈夫です(身体的には)。後の二時間は出席します。ご心配おかけして申し訳ございません」
騎士団の手回しが完璧な点に驚きながらも先生に答える。
「そうか。無理はするなよ」
「はい」
先生は俺の表情を見て、ウンと一度頷いた後、教室を去っていった。
クラスメイトから視線(男子は殺気、女子は興味)を向けられていた俺は、唯一の味方であるリョウとシュンの元へと向かった。
「大丈・・・」
「大丈夫かい?身体に異変は?」
二人の元に近づくと、シュンが声をかけてこようとしてきた。
だが、それを遮るようにリョウが俺の身体をペタペタ触りながら訪ねてきた。
「大げさだな~。大丈夫だよ」
俺はリョウの過保護っぷりに半分呆れ、とりあえず身を任せる。
一部女子からの熱い視線は無視しよう。
「触らぬ天使に祟りなしだよ」
おい、シュン。お前、確定だろ?
「ジュン、今回は何もなかったからいいけど、騎士団団長の浅井という男には気を付けなよ。色々問題を起こしている男だから」
時々、イベントに巻き込まれる貴方に言われると怖いよ。
因みに、過去にリョウと遊んでいた際、巻き込まれたことがある。。
巻き込まれる時はいつもリョウが主人公で巻き込んだ相手がヒロイン、俺らはモブだ。
そしてエンディングで得をするのは常にリョウ。
ヒロインに告白されたり、ヒロインにキスされたり・・・
イベント期間中のリョウの強さ、カッコ良さは補正もあるから仕方がないけど。
けど、俺らも頑張ったんだよ。少しは旨味を分けてよ・・・
「お前が言うとシャレにならん。ま、気に留めとくよ。早くメシにしようぜ。あんな魔界にいたから存在を保つだけでエネルギーを消費しちまったよ」
俺は気持ちを切り替えて告げる。
「魔界ではない。聖域だ!!」
「よし、体育館に来い!!貴様など灰にしてくれる!!」
「若いな小僧。本当の闘いというものを教えてやる!!」
若干中二な台詞からケンカを始める俺とシュン。
それを見守るリョウ。
いつも通りの、いつもとちょっと違った日常が流れていく。
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「高橋君、一緒に帰らない?」
そして、新たな日常も流れ始めていた・・・
次話は一週間以内に投稿する予定です。
宜しくお願いいたします!!




