~~騎士団回想録―1~~
更新しました。
今回は前回の話の別視点です。
宜しくお願いします。
その日、事件が起きた。
騎士団内でランスロットの名前を持つ俺が街を歩いていた時、我らが姫、白川様が大勢の男共に囲まれていたのだ。
白川様は困った表情を見せていた。
断っても断っても辺りから男共が離れないのだ。
害虫共が!!駆除してやる!!
害虫を駆除するために動こうとしたその時、一人の男の声が聞こえた。
「ごめん、待たせちゃったかな?」
声をかけた男は内の学校、しかも、内のクラスの男子である高橋淳也だった。
たしかアイツは、我らの要注意人物村上良平と一緒に居るモブだったはずだ・・・
「大丈夫。今来たところだよ」
白川様は笑顔で答える。
その笑顔は我らにのみ見せてくださればいいのです!!
口に出すことは出来ず成り行きを見守る。
「さ、行こう」
モブは白川様の手を引き歩いて行く。
白川様は手を払うことをせず、顔を赤く染めながら彼についていく。
「なんということだ・・・」
俺は暫くその場でorzした後、気を取り直してスマホを取り出す。
俺:『こちらランスロット。緊急事態です。白川様が高橋淳也とデートしている模様。応答願う』
ア:『こちらアーサー。了解した。ランスロット卿は後を追うのだ。我らも後程合流する』
ガ:『こちらガウェイン。ランスロット卿、くれぐれもバレることのないように行動するのだ。また、証拠となる写真の撮影を頼む。男の方は後程、聖罰の対象とする』
俺:『了解致しました。合流場所の指示は後程お願いします。ガウェイン卿、忠告感謝する』
連絡を取り合った後、距離の離れてしまった二人を追うことにした。
二人の向かった先にある物は一つしかない。
ショッピングモールだ・・・
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「やっと見つけた」
ショッピングモールに向かったものの中々二人を見つけられなかったのだが、捜索開始から一時間、やっと見つけることができた。
それから暫く二人の後をつけていたのだが・・・
「あの二人、マジで付き合ってる?」
最初は怪しんで後をつけて見たのだが、どう見ても付き合ってるようにしか見えなかった。
白川様の好みを把握した完璧なデートコース。
白川様の気合いの入ったコーデ。
二人の間の独特な空気。
お互いにほんのりと頬を染めている初々しい雰囲気。
二人の姿は付き合い始めたばかりのカップルそのものだったのだ。
「ランスロット卿!!」
声が聞こえたので後ろを振り向くとアーサー王、ガウェイン卿、トリスタン卿、マーリン様の四人が居た。
「すまない、遅くなってしまった。で、二人は?」
四人を代表して騎士団団長であるアーサー王が口を開く。
「あちらです」
二人は有名(?)な洋服店にいた。
「これ似合う?」
ちょうど白川様が試着室から出てきた所だった。
「ぶふぁーーー」
くるりと回った白川様の姿を見て、ガウェイン卿が鼻血を吹き出し倒れた。
「が、ガウェイン卿!?」
「見えそうで・・・見えなかった・・・・・・」
興奮して倒れただけみたいだ。
「このバスターゴリラが!!」
トリスタン卿がとあるゲームでのアダ名を叫びながら倒れているガウェイン卿に腹パンをする。
それによってガウェイン卿は意識を失ってしまう。
我ら円卓の騎士、戦闘力だけはみんな高いのだ・・・
お願いだ。バレるかもしれないから静かにしてほしい。
「似合ってると思うよ」
高橋某が感想を告げる。
「もっと何かあるだろう。花のように可憐だとか抱き締めたいとか美しすぎて失明しそうとか」
最後の二つはそれぞれ違う方向にヤバいですよマーリン様。
「全員、黙れ!!」
アーサー王が一喝して全員が口を閉じる。
「他に何かないの?」
こちらが騒いでいる間にあちらでは話が進んでいた。
「似合い過ぎてて言葉に出来ないんだよ」
高橋の言葉を聞いたその時、
「貴様は殺す。消し炭にしてくれる!!」
王が飛び出して行きかけた。
他の四人が慌てて押さえる。
「王よ、乱心なさらないでください。今出ていけばバレてしまいます」
俺は王に声をかけるのだが、
「うるさい。アイツだけは許さん。セリフがクサすぎる。他に言いようがあるだろ!!」
ツッコミどころを間違え、完全に乱心なされている。
そんな彼に
「テイ」
マーリン様がチョップを入れた。
王は紐の切れた人形のように倒れてしまう。
「僕はコイツらを始末してくるからトリスタン卿とランスロット卿は二人の監視をよろしくね」
マーリン様は王とガウェイン卿を担いで去っていった。
「とりあえず見守りましょうランスロット卿」
「そうしましょうトリスタン卿」
こうして、二人を静かに見守ることを決めた。
二人は暫くして喫茶店に入っていった。
中に入ることが出来ず外から様子を見ていた。
「何をしゃべっているんだ?」
トリスタン卿が疑問を溢す。
「口の動きで判断することは?」
「出来ない」
(*´・ω・`)bよね
「腹話術はできるんだがな」
(;゜∇゜)
「それは今はいい。ん、何か渡したぞ?」
割りと気になるんだが・・・
「何々・・・」
バタリ。
その光景を見たとき、トリスタン卿は息を引き取った。
彼女の笑顔は眩し過ぎたのだ・・・
「俺もヤバいかも」
彼女の笑顔に命を奪われかけたその時、
「君、ちょっといいかな?」
声をかけられた。
青い服に身を包んだお兄さんにだ。
「警察です。怪しい人がいるって通報があったんだ。ちょっと話を聞かせて欲しいな」
「あ、はい」
こうして、俺は連行されてしまった。
全員が二人を追うことを出来なくなってしまったため、この後二人がどうなったかは知らない。
だが、全員が一つだけ決めたことがあった。
月曜日、彼を尋問しよう。
こうして、騎士団全員に情報は回され、月曜日を迎えた。
騎士団回想録
記録者 ランスロット
ギャグをメインで書いてみました。
楽しんでいただけたら良かったです。
次話の更新は未定ですが早い内(必ず一週間以内には)にします。
宜しくお願いいたします。