ある日、目を覚ますと……
更新が遅くなって申し訳ないです。
「それ、私は違うと思うな……」
いつも笑顔の彼女が見せる寂しげな表情。
目の前の少女は、俺の言葉を否定する。
窓から差し込む風が、彼女の黄金色の髪をなびかせる。
「私は、百人の友達より、一人の親友がいるほうがいいな」
彼女の言葉が、心を揺さぶる。
「私は、あなたの友人じゃなくて……」
この先の言葉を聞く前に……
目が覚めた。
そして……
「な!!」
目を開けると、夢で見た少女と良く似た顔が眼前にあった。
掛け布団を除けようと手を動かすと、
「ふに?」
何やら柔らかいモノを掴んでしまう。
回らない頭を精一杯回転させると、それが白川さんの双丘であることに気づく。
「は?なんで?」
辺りを見回すが、やはりここは俺のベッドだ。
どうやら彼女は、寝ぼけて俺の布団にもぐりこんでしまったみたいだ。
とりあえず、布団から抜け出そうと試みる。
だが、背中に回された腕がそれを阻む。
「やば・・・」
視線を動かすと、綺麗な白い肌やら、双丘の谷間やらが視界に映る。
「お願いします。離してください」
聞こえていないとわかりつつ声を掛ける。
胸に当てられているマシュマロのせいで理性が、理性が……
だが、起きられてもやばい……
「や~~~」
白川さんは、可愛らしい寝言を溢すと、腕の力を強める。
「おーまいがー」
呟くが、どうにもならない。
「諦めるか……」
俺は、再び眠りに着くことにした。
「おはよう」
再び目を覚ますと、白川さんは既に起床していた。
「おはよう、白川さん」
どうやら、先程のことはなかったことにしてくれたらしい。
よかった、良かった。
「朝ご飯、部屋に持ってきて貰ったけど良かった?」
「ああ」
こうして、2日目は幕を開けた。
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「2日目となると疲れるね~~」
午前中は様々なアトラクションを、午後もアトラクションを。
気づけば、ナイトパレードが始まろうとしていた。
「誘ってくれてありがとう。お陰で良いシーンが書けそう」
白川さんはパレードを見ながら呟く。
「力になれたなら何よりだよ」
俺は、ポケットに手を突っ込む。
「それに」
「それに?」
俺は、小さな紙袋を取り出す。
「今日、白川さんの誕生日だろ?」
そう。今日、7月2日は、白川さんの誕生日なのだ。
「これ……」
俺は、紙袋を彼女に手渡す。
「今回は、取材というより誕生日の方がメインのつもりだったんだ」
俺は、恥ずかしさから視線をパレードの方に向けながら告げる。
「私の誕生日、言ってなかったよね?」
「ああ。リョウから聞いたんだよ」
体育祭が終わった直後、リョウに白川さんの誕生日を知らされた俺は、MVPの景品を誕生日祝いに使うことを決めたのだ。
「白川さん、誕生日おめでとう」
「ありがとう。凄く嬉しい!!ねぇ、これ、開けていい?」
「良いよ」
彼女はクリスマスプレゼントを開ける子供のような笑顔で紙袋を開く。
「綺麗!!」
プレゼントは、ハートのペンダント。
実は、ここ、ハイテンションランドで購入したものだ。
一応補足すると、知る人ぞ知るレアアイテムである。
ペンダントには身につけている人に幸せが訪れる魔法がかけられているとか……
「ありがとうね。大切にするね」
彼女は、ペンダントを大切そうに両手で包む。
ここまで喜んでくれるとプレゼントした側としても嬉しい。
「高橋君、大好きだよ」
白川さんは、満面の笑顔でそんなことを言ってきた。
「っ!!」
わかっている。
どうせ友人としてだ。
わかっている。
わかっているのに、心臓が激しく鼓動する。
「俺は…………」
白川さんが好きだ。
その言葉を口にしようとするも糸で縫い付けられたように口が開かなくなる。
「なんでもない。喜んでくれて嬉しいよ」
結局、何も言えないまま、パレードを見つめることしか出来なかった。
この日、帰宅するまで何も起こることはなかった…………
ここで更新の遅れた言い訳をさせてください。
スマホの機種変でプロットや没作の執筆データ(本体保存枠)の移行に手間取り(言い訳)、ファンタジーのプロットを書いてみた後、3話まで作るのに時間を要してしまい(建前)、ゲームのイベントに時間を取られてしまいました(本音)。
更新ペースは前までと一週間に一回に戻せたら戻そうと思います。
これからはこのようなことにならないよう注意していきたいと思います。
申し訳ございません。
それでは、次話も宜しくお願いします!!




