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最高にハイって奴だぜ!!

宜しくお願いします


「ふっ、ここがリア充の王の城か。まさしく、魔王城だな……」


「バカなこと言わないの……」


 ハイテンションランド中心部にそびえ立つ城を見ながら呟いていると呆れられた声を掛けられた。


「だってよ~~、ここに居るのほとんどリア充じゃん……」


 テストが終わった直後、そう、終わった直後の為(意味深)、テンションが崩壊寸前の俺は辺りを見回し、そこら中のリア充に呪いを送っていたのだが、


ぽかん。


 と効果音が付与されそうな強さで頭を叩かれてしまう。


「はたから見たら私達もそう見れるでしょ……。しっかりしてよ、もう……」


 白川さんは、すこし耳を赤くしながら呟く。


「なんだと……」


 だが、テンション崩壊につき、白川さんの様子に気づかず、orzする俺。


「それじゃあ、私達のデートを始めましょ!!」


 テンションが上がっているのか、アニメの台詞を口にする彼女と共にアトラクションへと向かった。



++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


「ふぅー、一通り回った~~」


 白川さんは満面の笑顔で呟く。

 午後二時、有名なアトラクションを全て制覇した俺達は、ランド内のレストランにて昼食を取っていた。


「でもさ~~、内の校長先生何者なんだろうね~~?」


 白川さんは、一枚の紙をヒラヒラさせながら言う。

 その紙は、先日、入場券とは別に校長先生に渡された物だ。

 朝、泊まるホテルに着いたら紙を見せればいいと言われ、見せた所、荷物を預けることができた。

 因みに、荷物を預けられるのは宿泊者の特典らしい。初めて知った……

 ホテルの部屋は夜、案内してくれるとのことであった。

 又、現在いるハンバーガー屋(?)に置いても、指示通り紙を見せただけでご飯が無料となった。

 夜ご飯は指定されたレストラン、朝ご飯はホテルで、とのことだ。

 

 

「確かに気になるよな。誰でも知ってる一大テーマパークと校長先生の繋がり」


 体育祭の景品として貰うには余りにも過ぎた内容に驚きが隠せなかった。


「帰ったら聞いてみようっと」


 白川さんはそんなことを言うが、正直、教えて貰えなくない?


「わかったら教えてくれよ」


 教えて貰えたら……な。


「え~~、一緒に聞きに行くからね」


 と思っていたのだが、なー。




 ご飯も食べ終わり、一息ついた俺達は、辺りを見回す。


「今日、かなり空いてるね。このあとどうする?」


「ん?ああ。このあとか、任せるよ」


「その返事が一番困るんだよねー」


 白川さんは苦笑した後、マップを取り出し見つめる。


「もう一回、ホワイトスノーマウンテン行かない?」


 マップを確認した後、自分の意見を口にするが、白川さんの目は提案ではなく、決定事項と告げて来ている。

 

「Ok。その次は?」


「ギャラクシーマウンテン!!」


「Ok。最後は勿論……」


「それは勿論……」


「ホラーハウスだな!!」


「そうそう。って、違う!!ダメ、ダメだから~~」


 本当にホラー系苦手なんだな。

 俺の言葉に慌てている白川さん。

 その姿は、とても可愛いく思える。


「あははは。ごめんごめん。冗談だ」


「もう!!」


 顔をプクーと膨らませる彼女の頭をポンポンと撫でる。

 直後、自分がやったことに気付く。


「あ、い、う、ちょ、ま、すまん」


 まともな言葉に成らず、最後に出たのもすまんの一言だけ。

 かなり焦っていた。


「そ、そんなに恥ずかしがらないで。こっちも恥ずかしくなるじゃん」


 白川さんは顔を赤く染めながら告げる。


「悪い」


 そんな彼女の表情にドキッとしてしまう。


「ううん。別に大丈夫だよ。さ、早く行こう!!」


 彼女はバッと立ち上がると、皿を返し、店を立ち去る。

 俺も、彼女の後ろを追い、外に出た。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


「え~~と、ヤバくないっすか?」


「ちょっと、予想外……だね……」


 ホテルで部屋に案内された数分後、俺達は顔を見合わせていた。

 同じ部屋に泊まるなんてことは予想していなかったのだ。

 隣に立つ彼女を嫌でも意識してしまい、心臓が早鐘を打つ。


「どうしよう……」


 話は十分程前に戻る。




「こちらがご用意させて頂いたお部屋です」


 ホテルスタッフに紙を渡した後、案内された部屋を見て、俺達は言葉を失っていた。  


「デラックススイートルームになります」


 そう。今、スタッフの方が口にしてくださった名前の通りの部屋だ。

 なにやら高そうなベッドになにやら高そうなソファー、なにやら高そうな机に椅子。

 全てがゴージャスだった。


「何かお困りのことがございましたら、そちらにある内線からご連絡ください。それでは、失礼致します」


 スタッフの方は、固まる俺らを他所に退場していく。


「あれ?一部屋?まさか、高橋君仕組んだ?」


「ちゃう。そんなことせーへんわ。ちょいまち、今から連絡するわ」


 何故か関西弁になっている俺は、急いで電話番号を入力し、ダイヤルボタンを押す。


『はい。校長です』


「なんでや!!なんでこうなったんや!!」


 焦りのためにテンションが崩壊している俺は、関西弁のまま会話を始める。


『ああ。そのことか……。すまない、間違いだけは起こさないでくれ』


 は?


「なんで部屋が一つなんですか?」


 俺は一度深呼吸した後、尋ねた。


『それが、な、君たち、焼き肉に行っただろ?』


「はい」


 俺は、体育祭後の打ち上げのことを思い出し答える。


『その時、皆が、な』


「はい」


『食べ過ぎたんだよ』


 校長先生は重々しく呟いた。


「はい?」


『焼き肉屋の店長が知り合いだからな、かなりサービスしてしまったんだがな、思ったより、皆が食べたお陰で、景品の予算がなくなってな』


「はい」


 俺達の食いっぷりを思い出しながら先を待つ。


『予算、なくなっちゃった………』


 テヘペロ、ぐらいのテンションで言いやがったよこの校長……


「それで?」


 苛立ちを隠さず言葉とする。

 予算はちゃんとしとけや。

 それに、デラックススイートにしなければ二部屋分になるのでは?


『そのテーマパークの関係者の友人に頼んでホテルやら何やら準備してもらったからさぁ、お金ない!!って断る訳にも行かず、デラックススイート一室に減らして貰うのがやっとだったんだ。本当は二部屋取るつもりだったんだ。すまないね』


「え~~」


 元からデラックススイート二部屋取るつもりって時点で予算いくらなんだろうか……


『それに、君が自分の彼女を連れていくなんて思ってなかったんだよ。ま、結果オーライ、だろう?それじゃあ、切るね』


「おい、待て。違うぞ。何か勘違い……切りやがった……」


 誤解を解く前に、通話が切られた。


「何だって?」


「部屋は変えれないとさ」


「え~~」




 こうして、俺らは同じ部屋で夜を過ごすこととなった。


更新、一週間越えて申し訳ないです。

次回もテーマパーク回です、宜しくお願いします。

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