告白!?
宜しくお願いいたします。
「失礼しま~す」
俺は白川さんに指定された教室に恐る恐る入室していた。
今日、授業が終わった後、
「放課後、大切な話があるの。五階の空き教室に来て」
白川さんに小声で告げられた。
因みにこの事を親友二人に報告したら、
シュン:「何でだ!!何でお前なんだ?俺の方が顔は良いだろ!!」
リョウ:「まさか現実になるとは・・・。答えはYESかNOか半分か?」
とそれぞれコメント(?)をくださった。
シュン、お前は静かにしてれば・・・
リョウ、ネタが古いと思うよ・・・
それにな、シュン、リョウ、俺が告白される訳ないじゃないか(確信)!!現実はラノベやアニメみたいに甘くないからな!!
ということで呼び出しに応じていた。
「来てくれてありがとうね」
教室の中心に彼女は立っていた。
窓から射し込む夕日が彼女を照らす。
夕日は彼女を照らすスポットライトのように感じた。
美しい金色の髪は微かに揺れ、頬は少し赤くなっている。
世界は彼女を中心に回っているのではないか?
そう思ってしまう程、その光景は神秘的であった。
「高橋淳也君、貴方にお願いしたいことがあるの」
お、高橋間違いの説は消えてしまいましたね。
ま、告白ならお願いしたいことでは無く伝えたいことになるだろうから告白という線も消えた。
冷静で冷静では無いような分析を始める俺。
ラノベのネタになるんじゃないか?なんて考え始めてたりしている。
リョウも白川さんも存在がラノベ主人公、ヒロインなんだけどね☆
「私と付き合って欲しいの!!」
「何処にですか?」
俺は間髪入れずに告げる。
結果・・・
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ファミレスに来ていた。
「さっきは間際らしい言い方してごめんなさい」
彼女は恥ずかしそうに呟く。
自覚はあったらしい。
騎士団に向かって同じ間違いをしていたら死者が出ていただろう・・・
彼等にはそれは幸福なのかもしれないが・・・
そして、そんな言葉を彼女に掛けられたこと、現在の状況を知られれば俺のライフは0、否、オーバーキル(転生出来ても精神崩壊しているレベル)されるだろう。
「別に大丈夫です。で、学校で話せないお願いって何のことですか?」
文字通りのデスゲームをプレイしている俺は敬語で話を先に促す。
「う、うん。あの~、何で敬語?」
彼女は可愛らしく首を傾げながら呟く。
可愛いけど止めて、俺が死ぬ(萌え死ではない)!!
「い、いいから続けてよ」
俺は冷や汗を流しながら呟く。
というか呟くことしか出来ない。
恐怖と緊張で声が出ないもん・・・
「うん。お願いっていうのはね、・・・・・・高橋君にライトノベル作成のお手伝い、具体的に言うと取材のお手伝いをしてほしいの。高橋君、ラノベ書いてるみたいだし・・・」
彼女は顔を赤くしながら告げた。
「へ?」
俺は間の抜けた声を出してしまう。
そりゃそうだ、スクールカーストではなくジャパニーズカーストでも上位のお方からライトノベル何て言葉が出てきたんだから。しかも作成だぞ?何?ラノベ作家志望なのか?
「え~と、高橋違いでは?」
違う!!聞きたいこと違う!!
「間違ってません」
彼女は少し不機嫌そうに告げる。
真剣な話をしていたんだから俺が悪いな・・・
「白川さんはラノベ作家志望なの?それと、作成、取材のお手伝いとは?」
冷静に考えて、彼女に確認すべきことを口にする。
「あ、ごめん。混乱させちゃったよね」
はい、めっちゃ混乱してます。
「最初に言うべきは・・・」
彼女は少し考える素振りを入れる。
しばらく待つと納得のいった表情をしてからこちらを見てくる。
あの、一人で納得しないで・・・
「私はラノベ作家志望ではなくラノベ作家です」
「ブフゥーー。ゲホ、ゲホ。ちょ、ごめん。待って、マジ?」
俺は飲んでいた茶色の炭酸飲料を盛大に吹き出し(白川さんの方向には飛ばないように横を向きました)、噎せながら尋ねる。
「うん、マジです。それで、その作品を作るのに協力してほしいの」
あ、なるほど、つまり俺は彼女の駒になれと。
というか、現実って残酷だよな。
俺、中学の頃から色々な出版社の大賞に応募して来たんだが全て一次落ちだよ?何これ、泣きそう・・・
「別にそれはいいですよ(ラノベ作家から何か学べるかも)。因みにペンネームとか出版社教えてもらうことは?」
作家と知り口調が敬語に戻る。
一回丁寧語までにはなったんだけどね(笑)
「出版社は雷激文庫。ペンネームは『白』だよ」
おっと、超大手来ました!!
ペンネームは白か。
自然とグ〇グル先生で検索してしまった。
「あ、今回の最優秀賞が白さんの私の想い。何々・・・」
編集者コメントを見ようとしたその時、
「だ、ダメーーーー!!」
白川さんが叫んだと思った時には俺のスマホを回収されていた。
何ですか今の早業・・・
手の動きが見えなかったし暫く取られたことに気付かずにいたんですけど・・・
「はぁはぁはぁ、お願い、まだ、まだ読まないで」
白川さんが息を切らし、俺のスマホを確保しながら告げる。
「でも、読みた・・・」
「お願い」
彼女の強い意思に折れる。
とりあえず、俺は見えていた情報を思い出しながら考える。
「一巻は来月販売ですよね?初巻で修正だけだろうからもう出版社には提出してるんですよね?」
「うん、一巻は書き終えてるよ。高橋君には二巻の内容の取材、お手伝いをしてほしいの」
「二巻のお手伝い、なら、尚更一巻読んだ方が・・・」
そこで俺は言葉を切った。
彼女の視線を感じたからだ。
「読まなくていい。わかった?」
「はい」
この時、彼女の強さを知った気がした。
この後、色々と話し合いをした後、解散となった。
結論を述べると、協力することになった。
こうして、俺と白川さんの新たな関係が生まれ、運命の歯車は大きく動き出した・・・
すみません。言いたかっただけです。
どうなるかわからないけど俺だから何もないと思います。はい。