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「えへへへへへ~~~~」

更新しました。

よろしくお願いします!!




「で、なんでああなったの?」


 学校での数少ない癒し、昼休み、リョウとシュンは教室に突如出現した変人に素朴な疑問を口にしていた。

 二人の視線の先には、頬をだらしなく弛ませ、「えへへへへ~~~」と奇妙な声と笑みを漏らしていたかと思うと、次の瞬間には、この世の終わりのような顔に表情を一変させる我らがアイドル(白川さん)がいらっしゃった。


「原因は学校サボってるバカ(ジュン)だろ?」


 二人は、ジュンの席へと視線を移す。

 机には、ズル休みと書かれた立札が置かれていた。


「「はぁ~~~」」


 二人は、同時に溜め息を溢す。


「大丈夫なのか、あれ?」


 シュンは、再び白川さんの方へと視線を戻す。


「さあ?まあ、触らぬ神に崇りなし、だよ」


 リョウの言葉に苦笑を浮かべていると、他クラスの男子が一人、やたらと緊張した様子で入ってくる。


「よりによって今かよ……」


 シュンは呆れながら呟く。

 リョウは、今しがた入ってきた、そこそこ整った顔立ちをした先輩(ネクタイの色で判断)に憐みの視線を向けていた。


「あ、あの、白川さん」


 先輩の声は緊張からか上擦っていた。

 恐らく告白だろう。

 普段は、このような場面に騒ぎ出す我らがクラスであるが、今日は、空気を読んで静けさを保っていた。


「大事な話があるんだ、少し、いいかな?」


 先輩は、顔を真っ赤にしながら白川さんのアクションを待つ。

 いつもなら、席を立ち、移動するのだが、今日は一切動かなかった。


「し、白川さん?」


 言葉に反応せず、ただ、机の一点を見つめる白川さんに先輩は心配そうな声を漏らす。

 その言葉に、ようやく視線を動かした彼女は、先輩にニコリと微笑むと、落ち着いた、静かな声で告げた。

 

「たいそうにぎやかなご様子でいらっしゃいますところまことに恐縮でございますが、ご逝去あそばしていただければ幸甚に存じます」


 言葉を聞いた直後、先輩はフリーズした。


「因みに訳は、うっせーな、てめぇ。死ね!!だね」


 リョウは、クツクツと笑いながら呟く。


「わ、悪かったね。またの……きか……」


 後半は、言葉にもならず、先輩は逃げるように去っていく。


「「「(お前が原因なんだろ、何とかしろ!!)」」」


 一部始終を見ていた者は、ジュンの机を見ながら全員が心の中で吐き捨てていた。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


「ということがあったのさ!!」


 放課後、ジュンの家を訪ねたシュンとリョウは、今日の彼女の様子を報告していた。

 頬が弛みまくっていたことは伝えていないが…………

 シュンは、報告を終えるとハハハ、と外国人のように笑っていた。


「で、なんで俺の家に来た?報告に来ただけってことはないだろ?」


 俺は、苛立ちを含んだ声で二人に尋ねる。


「「事情聴取さ!!」」


 二人は声を揃え答える。


「帰れ!!」


 俺はすぐさま叫んでいた。


「で、で、あのあとどうなったんだ?大人の階段登っちまったのか?」


「登ってない!!」


 シュンの言葉に反論する。

 というか、落ち込んでたんだろ?もし、俺が登ってたら、場合によっては犯罪だろ…………

 ってか、俺には魔法使い、行く行くは大賢者となる夢があるのだ!!


「そうか。良かったよ、ジュンが罪を犯してなくて。僕は嫌だからね、ニュースに友人として出演するのは」


 おい、リョウ、なんてこと言いやがる……


「チッ、白川さんには明日謝ればいいんだろ?わかったよ、俺が悪かったんだよ」


 非は俺にしかない、というか、勝手に嫉妬しただけなのだ。


「「やっぱり罪を!!」」


「帰れ!!」


 二人を家から追い出し、スマホの電源を付ける。

 画面には、白川さんからの着信履歴が表示される。


「ほんと、ダサいな……」


 俺は一通のメッセージを送信し、目を閉じた。


 

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 ~翌日~


「で、なんでああなったの?」


 シュンは、前日と同じ台詞を、学校到着早々に呟くこととなっていた。

 眼前では、磔台にて十字架刑に処されているジュンの姿があった。


「モードレッド、何故報告しなかった?」


 アーサーこと浅井がシュンを睨み付けながら訊ねる。


「何を?」


 シュンは、首をかしげる。

 その仕草が余計浅井を怒らせる。


「白川様を悲しませた犯人がこいつだということだ!!」


「え~~、だって、さ~~。他人が口を出すことじゃなくね?」


 シュンは正論で返す。


「白川様を悲しませた者は我らが処刑しなければならないのだ。それなのに何故?」


「浅井、この鈍感野郎を処してみろ、俺ら全員が白川さんを悲しませた罪で処されることになるぞ」


 シュンと浅井が何やら語り合い、浅井が( ゜д゜)ハッ!という顔でこちらを見てくる。


「チッ、解散だ!!そいつを解放しろ!!」


 浅井はこちらを一度睨み付け、去っていく。


「お疲れさ~~ん」


 シュンは、俺の肩をバシバシと叩く。


「お疲れさ~~ん、じゃねえよ。死ぬかと思ったよ」


 俺は、ため息を溢す。

 教室に着く直前、突然意識が途切れたのだが、目を覚ました時には既に張り付けられてたのだ。


「で、白川さんには謝ったのか?」


「ああ。すいませんでしたって、な。さすがに理由は恥ずかしくて言えなかったけどよ」


 嫉妬して帰りましたとか末代まで隠し通さなければならない黒歴史だ。


 


「あ、二人ともおはよう!!」


 話していると、白川さんに挨拶された。


「おう、おはよう」


「お、おはよう」


 気まずさのために、少し詰まってしまったが、それ以外はいつも通りに言えただろう。


「次は、ジュンのデートの作戦会議だな。めんどくせ~~」


 シュンは、少し大きめな声で告げる。


「な!!」


 クラスの男子達の視線が殺気を帯びる。

 白川さんには聞こえていなかったらしい。

 その事に少しの安心を覚えた直後、


「ねぇ、来週からテストだよ。大丈夫?」


 リョウの魔の告知により、クラス全員が言葉を失った……


 

さて、本日はバレンタインです。

残り数十分で日が変わる?知りませんね~~

松輝の今年の成果は、ゼロ個でした(笑)

皆様はどうでしたか?

0個の皆様はfriendですね(笑)

女性の皆様、哀れな子羊に恵みを!!



さて、次話は一週間以内を目指して更新します。

次話もよろしくお願いします。


最後に、前回誤字報告をしてくださった方、ありがとうございます!!


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